感動の家族小説。自然災害が引き裂いた家族だがその絆を再びつないだ桜と紫花菜とは。趣味の釣りをきっかけに、週末を桑畑村で過ごすようになった忠彦。現地でできた親友の浩之をはじめ、温かな人々や美しい自然に囲まれた桑畑村は、彼にとって「第二の故郷」と呼べるほどの場所だった。しかし、数年後、自身が勤める建設会社が桑畑村でリゾート開発を進めていることを知る。その事実を知った忠彦は浩之に会いに桑畑村へ向かうが、そこで人生を揺るがす出来事に遭遇してしまう。その日を境に、忠彦と家族の運命は大きく変わり出していき・・・不器用ながらも自分の信念を貫いた男と、その家族の絆を描いた感動の物語。6人の視点から語られています。話の中では、自然の美しさが丹念に描かれていて、思い出の場所の記憶とともにふわりと頭の中に浮かび上がるようでリアルで繊細な描写です。元妻の視点からすれば、元夫は完全に記憶から消したいいほどの存在にも関わらず、元夫の生き方、自己満足を受け入れ、良い思い出としてお思い直せと言われているようで、読んでいて何ともやるせない気持ちがして納得が行かない部分もあるが涙もろくなった私的には感動の家族物語でした。
2024年12月幻冬舎刊
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