絶版になったルドルフ・シュタイナーの『オカルト生理学』を読み解くシリーズ?の5回目。今回は血液と骨について。
既に「3」でも述べたように、オカルト生理学において血液は非常に重要な位置づけを占めている。血液は外界、内界からの情報を自我へと伝えるための道具であり、その流れは意識的な自我の諸体験(例えば感情の変化)によって容易に変化する。それゆえ血液は生体組織の中で最も活動的で敏感で変化しやすい要素である。
そうした血液系の可動的な要素が自我のさまざまな刺激に応じているのに対し、自我のあり方に最も即応していないのが骨格系である。
原初においては人体は全てが単純な仕方で柔らかい素材成分で作られていて、皮膚の場合はそこに栄養素が運ばれるとその外側に栄養素が沈殿し、それによって人間は目に見える存在になる。そうした栄養過程が体全体に行き渡ると、皮膚より古い発生段階にある部分が最後に人体の形姿を生じさせる栄養過程を通じて人体の形式を支えられるまでに硬化し、骨となる。そういう意味で、オカルト生理学的には骨格系は人体の最終的な帰結と位置づけられている。
血液は他の何よりも人間の内的体験の過程に依存する。持続的で習慣的なものであれ、一時的で発作的なものであれ、内的体験である限りそれは血液に伝えられるので、何が血液に生じているかを理解するためには栄養過程だけでなく、気分、熱情のような魂の過程も問う必要がある。また血液への栄養は筋肉、脂肪、腺、神経などの後に与えられるため、その養分は既に十分に濾過されている。なので血液が栄養過程を通じて害されるとしたら、生体そのもに本質的な病気が既に生じていると見なければならない。
骨格の構造は血液とは反対に自我に対して最もわずかしか反応しないが、頭骨、特に顔面の骨組みはその人の自我にふさわしいあり方をしている。それは頭骨が特質を発達させてきたのと同じ基盤から発達したものだからだ。現在の自我が頭骨に何の影響も与えていないとしても、自我は前世での体験に応じて今世の頭骨の形を決めている。ゆえに人間の頭をよく観察すれば、輪廻転生が事実であることが確信できる──とシュタイナーは述べている。
ここまで来てやっとオカルト生理学とクラニオが結びついてきたぞ。最初からそれがわかっていてオカルト生理学をやっていたわけではなくて、結果としてそうなったというだけなのだが、何でも結果オーライだ。シュタイナーのいう血液が脳脊髄液を含む体液全般のことだと考えると、オカルト生理学的にはクラニオセイクラル・ワークとは
骨(特に頭蓋骨)と体液という対極的な存在を結びつけるもの
であると言える。対極にあるもの同士を結びつけると、残りの全てはその間に存在しているのだから全体をカバーできることになる。つまり
対極を制することは太極を制することに通じる
というわけ。
セミナーのダイジェスト動画もつけておくので、興味があれば見てほしい。
なお、私は前世云々については興味がないのでスルーしてしまってるけど、シュタイナーの言っていることが本当なら、クラニオを使った前世療法なども可能かもしれない。これも興味のある方はお試しを。ただし結果については何の保証もしないので、自己責任で。
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