深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

内臓の混乱

2007-05-13 23:14:33 | 症例から考える

最近の臨床で出会った例。その人は、夕方になると強烈な空腹感に襲われ、何かを食べずにはいられないのだという。しかし、その後また、家族と夕食を食べるため、結果として食べ過ぎの状態になってしまう。過去の臨床では、手足の冷えがあって、フォーカシングの結果、食べ過ぎが原因とわかったことがあった。そこで、再びクラニオ(クラニオセイクラル・ワーク)+フォーカシングで、その夕方の空腹感の原因を探ることにした。

問いかけに対して心臓付近が答え、「その時点で満腹になってしまえば、夕食の準備をしなくてすむから」と。患者本人に聞くと、料理を作るのは嫌いではなく、むしろ好きだというが、そこは本人の「夕食の準備をしたくない。面倒」という意を受けて、そうしているらしい。そこで答えてくれた部分に更に「夕食の準備をしたくなくなったのは、いつのことか」と聞くと、「3年前」という答が返ってきた。このことを本人に尋ねると、3年ほど前に一時、入院していたことがあるらしい。そして、「確かに、その時は自分で食事を作ったりしなくてよかったなぁ」と。

それらのことから、(その入院がきっかけだったのかどうかはわからないが)3年ほど前から潜在意識の中に「夕食の準備をしたくない」という思いが生じ、内臓のどこか(心臓?)がその意を受けて、夕食の準備をしなくよい状況を作り出すべく働いていた、という構図が浮かび上がった。

治療にフォーカシングを導入した、ここ2年くらいの間に、内臓のことがよくわかるようになってきた。内臓はいわゆる解剖学・生理学で語られる働きとは別に、さまざまな感情処理も担当していることが、1年くらい前までにわかったが、今回のことで、その内臓が本人の意(それは今回のように、潜在意識のレベルでの願望かもしれない)を受けて、積極的にある状態をつくり出すことまで、明らかになった。

内臓は、西洋医学的には人体を構成する部品の一つで、脳からの指示を受けて動くだけのロボットにすぎない(だから、臓器移植といったことが平気で行われるわけだ)。だが実際には、内臓は高い知能と自律性を持つ独立した存在で、それらが作り出す身体ネットワークとも言うべきものが、私たちが「体」と呼ぶものの実相なのである。

ちょうど上で述べた治療を行った頃、また何かに呼ばれるようにして?買った『投影された宇宙 ホログラフィック・ユニヴァースへの招待』(マイケル・タルボット著、春秋社刊)という本がある。これは以前、このブログで紹介した『フィールド 響き合う生命・意識・宇宙』と同じ、量子論的な視点から見た宇宙論・身体論を述べた本で、『フィールド』がゼロ・ポイント・フィールドという切り口を持っていたのに対して、『投影された宇宙』はホログラフィックという切り口で、それを論じている。で、その中に、タルボットが内面透視能力を持った超能力者と出会ったときのエピソードが出てくる。少し長いが、その下りを以下に引用する。

──数年前、私は脾臓を悪くしたことがあった。なんとか快復させようと、私は視覚化の訓練を毎日することにした。健康で全き状態にある自分の脾臓のイメージを描き、それが治癒の光を浴びている姿などを視覚化したのだ。が、残念ながら私はとても気が短い人間で、直ちにこれが目立った成果をもたらさなかったため、怒ってしまった。つぎの瞑想のとき、私は頭の中で脾臓を叱りつけ、とにかく私の言うとおりにしたほうがいいぞと、厳しい言葉で伝えたのだった。(中略)
 数日後、私はドライヤー(注:超能力者)と会い、私の身体を見てくれるように頼んで、何か気をつけた方がいいことがあるかどうかたずねた(あの問題のことは言わなかった)。それでも、彼女は直ちに私の脾臓のどこが悪いのかを説明し、そしてそこで一息いれると、どうもわけがわからないといったようすで顔をしかめるのだった。「あなたの脾臓は何かとても頭にきてるわねえ」と彼女はつぶやいた。そして突然、ピンときた。「脾臓にどなりちらしたの?」私は恐る恐るそのとおりだと認めた。ドライヤーはもうお手上げねと言いたげなようすだった。「そんなことをしてはだめ。あなたの脾臓はあなたが望んでいると思っていたことをしたために病んでしまったのに。それも、もとはと言えばあなたが無意識に間違った指示を与えてしまったからなのよ。それをこんどはどなりちらすんだから、脾臓は本当にわけがわからなくなっちゃったのよ」。彼女は心配そうな様子で首をふった。「絶対に、自分の身体や内臓に対して怒ったりしてはいけない」と彼女は忠告した。「いいメッセージだけを送らなくてはだめ」。


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2 コメント

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Unknown (receptor)
2007-05-15 21:01:57
いつも読ませてもらってます。
勉強になります。
ありがとうございます
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コメント、ありがとうございます (sokyudo)
2007-05-16 12:30:35
コメントいただき恐縮です。
今後とも、よろしくお願いします。
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