キネシオロジー・セミナーを行うので、ブログでも私が行っているキネシオロジー治療の核心に関わる記事を書くことにした。BGMはアニメ『ギルティクラウン』のOSTから「Bios」だ。
AK(アプライド・キネシオロジー)には採用されていないが、PKP(プロフェッショナル・キネシオロジー・プラクティス)の技法の中にポーズ・ロック(PL)とスタックというものがある。
相手(セルフで行う場合には自分自身)の心と体の状態や問題点、そしてその対処法といったデータを記憶させておくために用いられるのがPL、データを積み重ねる(=stack)ようにPLしたものがスタックである。
それを使う意味は、PLすることで、テストした瞬間にしか検出できないものを、同じテストを繰り返すことなくいつでも自由に取り出せすことができ、PLしたデータをスタックという形で関連づけておくことで、複数の問題を一気に解決することができることにある。
そしてPKPでは、PLやスタックのための領域、要するにデータを格納するためのメモリに関節受容器を用いている。だが、私は左肩を骨折したのがキッカケで、このデータ領域を関節受容器から仮想空間上に変えてしまった(その辺りのことは過去記事「左肩をケガする 8」を参照)。
データ領域を仮想空間に移したことで外見的に大きく変わったのは、PLやスタックの際に関節運動を一切必要としなくなったことだ。
関節受容器を用いてPLやスタックを行おうとすると(主に股関節や顎関節が用いられることから)脚や口を開いたり閉じたり、といったことを頻繁に行わなければならない(松原次良(じろう)先生などは、それが子供の患者の「松原先生ごっこ」のネタになっているらしい)。が、データ領域を仮想空間にしたことで、そういった動作が必要なくなった。
ついでに言うと、関節受容器を用いる場合、データ領域に新たなデータを直接入れようとすると前のデータを上書きしてしまい、そのままではデータを積み重ねる(つまりスタックする)ことができない。そのため、別に決めたサブの関節の受容器にデータを一時仮置きし、そこを経由して上書きしないようにメインの領域にデータを入れ直す、という操作が必要になる。だが、仮想空間ならスタックするのにそうした煩雑な操作はいらない。
データ領域に仮想メモリを使うことのメリットはそれだけに留まらない。領域を仮想化することによってデータ操作の自由度が遙かに高くなるからだ。仮想メモリを使うことで、例えば一度スタックしたデータの一部を消去(pop)したり、データを過去にさかのぼってスタックしたりすることもできるのだ。
そういうわけで、仮想メモリ(virtual memory)をデータ領域として用いるキネシオロジーを以下、VMキネシオロジーと呼ぶことにする。
が、コンピュータの世界ではVMは仮想マシン(virtual machine)の意味で用いられることの方が一般的だ。例えばWindows上でMac OSを動かすため、Mac OSの動作環境を仮想的に構築するVMソフトがある。
そもそも相手の身体情報をPL/スタックするということは、それが関節受容器にせよ仮想空間にせよ、メモリ空間上に1人の人間を仮想的に構築することである。そのメモリ空間内の身体情報は、現実の相手の身体の持つ情報を複製したものではなく、メモリ空間を介してオリジナルのデータを直接参照するものだから、メモリ空間内でデータを操作することは、直接触れていなくても相手の身体に働きかけているのと同じことになる。それこそが、PLやスタックを用いて行われるキネシオロジー治療というものの本質である。
そして、仮想的な人間(virtual mankind)=仮想マシン(virtual machine)を仮想メモリ(virtual memory)空間上に構築してしまおう、というのがVMキネシオロジーなんであーる。
セミナーでは、そんなこともお話ししたいと思うので、興味のある方はどうぞ。詳しくはHPのセミナー案内をご覧ください。
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