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21年目の『六番目の小夜子』

2021-07-31 23:36:30 | 趣味人的レビュー

ヤベー、超面白い!

NHKは昼間、五輪中継で埋まってしまっているが、その代わりに深夜、過去に放送したドラマを集中的に再放送している。で、7/30から深夜24:00台に放送しているのが『六番目の小夜子』だ(ちなみに他の番組と同じく、放送後1週間はNHK+で繰り返し見られる)。

『六番目の小夜子』は恩田陸の同名の小説をNHKがドラマ化したものだが、実際は恩田陸の小説が原作というより、原案という方が近いくらい、いろいろ改編がなされいる。本放送は2000年の4月で、当時、私はそれをVHSに録画していた上、過去にも何度か再放送されたのも見ているから、内容はほぼ全て知っているはずなのに、いざ見始めたら面白くて止められない。

ドラマ『六番目の小夜子』は、歴代の生徒たちに「サヨコ伝説」というのが伝わる中学校での1年間を描いた作品だ。3年に一度、生徒の誰かが「サヨコ」に指名され、指示されたミッションを行わなくてはならない。そして全てのミッションがクリアされると「扉が開かれる」というのだ(逆にミッションをクリアできないと「不幸が訪れる」とも言われている)。そして2000年、「六番目のサヨコ」の年。その年、サヨコに指名された生徒は2人いた!

物語の骨格は、かつての「少年ドラマシリーズ」からの伝統的な「謎の転校生」もの。中学のあるクラスに不思議な力を持った謎の転校生がやって来て、同級生たちは彼/彼女という存在を通じてこれまで知らなかった社会/世界に触れ、成長していくという物語だ。『六番目の小夜子』にも、新たなサヨコが指名される新学期、津村沙世子という転校生がやって来て、「六番目のサヨコ」として振る舞い出す。しかも彼女の名は「サヨコ」と重なるだけでなく…と、これ以上書くとネタバレになるので、興味のある人はNHK+なりDVDなりで『六番目の小夜子』を見よう。

ちなみにこのドラマは当時、主に中高生など若い世代を対象とした「ドラマ愛の詩(うた)」枠で放送されていたものだが、今見ると出ている俳優たちが凄い。2人のサヨコとなるダブルヒロイン、潮田玲と津村沙世子に鈴木杏と栗山千明。玲の相談相手で物語にも深く関わっていく関根秋(しゅう)に山田孝之。秋の弟の唐沢由紀夫に勝地涼(秋と由紀夫は両親が離婚し、秋は母親に、幸夫は父親に引き取られたので姓が違う)。玲や秋と同じクラスの友人たち、「まー」こと花宮雅子に松本まりか、「カト」こと加藤彰彦に山崎育三郎、設楽正浩に内野謙太といった面々が出演しているのだ。

最後に少し付け加えると、この物語では全ての謎が解かれるわけではない。見終わっても不可解な部分は残る。ただそれだからこそ、何度見直しても見飽きることのない不思議な魅力を放つ作品になり得ているのだと私は思う。

ところで、あの中学校はにまだ「サヨコ伝説」は残っているだろうか。もし残っているとしたら、あれから21年が経った今年、2021年は「十三番目のサヨコ」の年だ。新たなサヨコが指名され、今も務めを果たしているはずである。


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