第25回島村楽器音楽コンクール本選会が紀尾井ホールにて行われた。8日(日)は管・弦・声楽部門、9日(月・祝)はピアノ・作曲部門。
日頃の練習の成果を発揮し、立派に演奏されたことをまず称えたい。以下、私が述べた講評。
《管・弦・声楽部門》
部分的な技術が一つの大きな表現に昇華した時、好演が生まれる。そのためには音楽を読み解くことが必要。
何を読み解くのかといえば、やはり「調性感」「和声感」。複雑な曲ほどこの能力が必要になる。
一見複雑に見える曲の単純な要素、一見単純に見える曲の複雑性。相反する両者を表現できた演奏が高く評価された。
《ピアノ・作曲部門》
音楽は、生き物に最も近い芸術。のびのび弾いているか、苦労して一生懸命弾いているか、心の状態がそのまま表れる。
楽譜に書かれたことはヒントに過ぎない。それだけの演奏では機械的。しかし書いてない事をやろうとして、ぎこちなくなることも多い。特に「場面転換」の箇所。
その点、小さな子供の演奏は作為の無いお手本のよう。難曲が小さな子供のようにのびのび弾けた、そんな演奏が高く評価された。
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