池田 悟≪作曲家≫のArabesque

・・・深くしなやかに・・・(音源リンクしてます)

フランス語と音楽に共通の「コンテクスト」

2011-04-06 | ブログ・サイト・フランス語

最近Lang-8 で、フランス人と興味深いコメントのやり取りをした。

F(フランス人): 文中 évidemment とあるけれど、それは「目に見えて」変わった、という意味?それとも「明確に」変わった、と言いたかった?微妙な違いがあるよ。
M(私): évidemment に「目に見えて」という意味があるとは知らなかった。「確実に」変わった、と言いたかった。
F: それなら「変わった」の前に évidemment を置くと良い。副詞が修飾する動詞が複合時制で活用する場合、副詞は助動詞と複合過去の間に置かれる。
M:  副詞が位置によって意味を変えるとは全く知らなかった。
F: 位置が常に意味を変えるという訳ではないけれど、ある種の「感覚」は伝える。副詞の働きは動詞や形容詞、他の副詞または前置詞の意味を修飾すること。フランス語の単語の多くは文の前後関係(コンテクスト)によって微妙に違った意味を持つ…ネイティブにとっては自然なことなので何だか説明し難い。私の説明があなたを混乱させないと良いけれど。私はいつもあなたがフランス語で巧く自分を表現している点に感心している。語学は知れば知るほど難しさが分かる。頑張って!
M: 副詞が位置によって特定の感覚を伝える、というのはすごく音楽的に感じる。サブドミナントの働きはドミナントやトニック、他のサブドミナントの感覚を修飾すること。和音の多くは前後関係(コンテクスト)によって微妙に違った意味を持つ。詳しい説明をありがとう。

さて、僕は作曲や和声を、大多数は趣味で作曲を楽しむ方に教えている。クラシック音楽を理解する上で和声を学ぶ意義は大きい。しかし和声のコンテクストを習得する目的だけなら、生徒の能力に応じて「平行5度の禁止」などの細かい規則には目をつぶっても良いと思う。そのさじ加減を見極めながら教えるのは、教える側にとっても単にテキストを絶対視するよりはるかに創造的で面白い。
言わばオーダーメイドで処方する、より実践に即した「緩和和声学」。
でも僕のフランス語に手加減は不要です。



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1 コメント

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実践的に、平行5度で書いても特に違和感がない場合... (itsumi@作曲)
2011-06-24 21:16:33
しかし、S大学時代、平行8度を知らないで、書いていたら、先生に「止めなさい」と注意されました。いまだに鮮明に覚えていますね…。
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