多義語の反復は意味の曖昧さを招く。そのことに気付かせてくれたのはLang-8に投稿した僕のフランス語を添削してくれたフランス人だ。
「これら単純なカノンは何も表現しないために却って哀悼を表現するのに相応しく思える」の文中、僕は「表現する」という意味の"exprimer"を繰り返した。
するとそのフランス人は次のようにアドバイスしてくれた。
―"exprimer"は完璧だが、同じ言葉の2種類の用法による反復を避けるために、各々の同義語(シノニム)を見つける事が出来るだろう : communiquer(伝える), dire(言う), faire passer(ふりをする), traduire(解釈する)など…
僕は考えた。音楽にも多義的な用法がある。平均律において同じ音でもシャープと見るかフラットと見るかで調性の解釈が変わる。これを「エンハーモニック(異名同音)」と言う。
例えば一つの減七は何種類もの調に属する。それゆえ減七を繰り返して全然転調しないのは、利かない注射を何度も打つようなものだ。"exprimer"の反復は、それに似た手法だったのかも知れない。
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いつもお世話になっております。
エンハーモニック(異名同音)。
2008年から先生のレッスンに通い続けて
3年目。
和声学の教本も大詰めを迎えていおりますが、ただ今、転調で苦戦しております。
というわけでレッスンお願いいたします。
そのような「苦戦」はきっと心地よいでしょう。
レッスンに来て頂ける事を感謝しております。