来年3月24日のサントリーホールでの本番に向け、東京佼成ウインドオーケストラが試演(非公開)をして下さいました。試演をしてから修正することも可能、と言われており、その必要があれば自分にとって発見であり、収穫となる。ただしスコアもパート譜も再提出することになる…との思いでこの日を迎えました。
僕の曲は10:30から。目と鼻の先は渋谷、という杉並区の「立正佼成会第二団参会館」に自転車で20分前に到着。
普門館を前にしたビルに一歩入るとお香に包まれ、ファックスで送られた案内図を見ながら、2つのエレベーターの間の階段や、鉄扉の先の階段を下り、曲がりくねった複雑なルートを進み、スリッパに履き替えるところで、マネージャーの井出さんが声をかけて下さいました。ライブラリアンの小野寺さん、指揮者の今西さん、コンサート・マスターの関口さんと簡単な打ち合わせを済ませ、いよいよ開始。
今日は試演なので、本来2人ずつのユーフォ、チューバは1人ずつ、9人のB♭クラリネットは6人、チェレスタ、ハープは無し。
僕の曲は装飾音を多用しているので、それをどういうタイミングで、どの程度の速さで入れるのか、質問されました。
40人ものアンサンブルが統一したルールで演奏しなければ、バラバラになってしまうので―下手な楽団、拙い曲、と思われてしまう―作曲中は漠然と考えていたことも、はっきりと「これはこうです」と言わなくてはなりません。同時に、変な意地を張らず、スマートなアンサンブルのためには演奏家の意見も取り入れる…そんなやり取りもしながら、世界的に一流のプレイヤー達による試演は、1回通すごとに良くなって行きます。
休憩中、コントラ・バスクラリネットの方が無理な箇所の改善案を譜面に書いて持ってきて下さいました。
―どうしてもこの音型が必要なら、コントラ・アルトクラリネットを一緒に使って、こうすれば出来る。無理な1音を吹かなくても良いのなら、同じリズムで、こうすればコントラ・バスクラだけで出来る―と。もちろん、後者の案でお願いすることにしました。
「ここはゆっくり練習しても意味が無い。まともにやったら指をケガする!」と、テナーサックス氏が隣のバリトン・サックスについてジョークを飛ばしたり、拍子が頻繁に変わるので、うっかり指揮者が間違ったりすると笑いが起きたり、和やかな雰囲気の中、正味1時間余りの試演で、明日本番でもいいよ、というほどの仕上がりになりました。
が、「本番は、また変わりますよ」と、クールに言い放つ関口さん。プロのプローべ(試演)恐るべし。
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