M9.0の巨大地震が東北地方で起きた。その瞬間、部屋のドアがバタンバタンとうちわの様に乱舞した。
上の階のCDラックが3つとも落下し、ガラスの扉が1枚粉々になった。
すべての電車が不通になった。
こんな恐ろしい3分間は生まれて初めてだった。
奇しくもこの日は自身、40代最後の日。生きている事に感謝。その幸せや意義をますます強く思う。この日の事は一生忘れないだろう。
翌週、地震で倒壊した3つのCDラックのうち、ガラスが割れた一つは処分し、他の2つは修理して再利用した。
今はそれらを床の上にじかに置き、まわりも整理、掃除して以前よりも快適になり、その部屋がもっと好きになった。
これを「復興」と言うには余りにも小さいが、自分の部屋で起きたことが何億倍もの規模で国土で起きたと思えば、すごさが多少は想像できる。
大災害を受け、私たちは変わるだろう。大きなものを学ぶだろう。
すでに僕の審美観は明らかに変化した。物が落ちたり散乱したりする音を嫌悪する。
柔らかく、温かく、意志の強い音楽が好きになった。
スウェーリンクのオルガン作品、そしてデュリュフレの「レクイエム」。
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それではおやすみなさい。
この場を借りて、被災された方々にお見舞い申し上げます。