今日演奏された曲には単なる名人芸だけの曲など無く、どれも真面目な内容のある曲ばかりでした。
音楽は「祈り」ではないでしょうか。
好きだ、嫌いだ、嬉しい、悲しい、など子供でも出来るようなものから、戦争で荒んだ世界中の人たちの心を、平和と希望に向けて奮い立たせる事ができるのもまた音楽…しかもそれはたった一人の音楽家でも可能なのです。
一昨年の大震災に遭われた方の多くはこう仰います、「私たちはこんなに頑張っているのに、その上なぜさらに頑張れと言われなくてはならないのか」と。これはどういう事を意味するのでしょう。
伝えようとすればするほど伝わらない、という事なのかも知れません。
人の気持ちは複雑で奥が深く、どんなに勉強しても尽きることはありません。それこそが、音楽は「祈り」ではないかと思う所以なのです。
この本選会では、子供から大人の方まで、様々な祈りを聴くことが出来ました。熱演を心から称えたいと思います。おめでとう!
(第26回島村楽器音楽コンクール本選会で私が述べた講評/紀尾井ホール)
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