7月14日
劉連仁(リュウ レンレン)って知ってる人は知ってる、当たり前か。昔、北海道の山の中を13年さ迷った中国人だ。昔と言っても1945年から1953年までのこと。
何故か。戦争が終わったのを知らなかったから。山東省の農民だ。中国の農民が何故? 1944年に日本に強制連行されて鉱山で働かされ、余りの劣悪な奴隷労働に耐え兼ね脱走したのが1945年7月、敗戦の一月前。
食料は干してある昆布や畑の作物、野草や木の実など。冬は穴を掘って冬眠状態で命を繋いだ。
そして、札幌から電車で30分程度の石狩当別町の山の穴に居るのを発見されたのが1958 年2月のこと。
日本はその劉連仁を不当入国者として強制送還した。ご免なさいも言わず、僅かばかりの見舞金だけで。
このことは何冊かの本にもなっていて、茨木のり子さんは長編の詩にしている。僕は以前芝居でも観ていて至極感動的だった。
劉さんは随分経ってから日本に事実確認と賠償を求めて提訴したけど、最終的には負けた。ご本人は確定前の2000年に亡くなった。当別町や関係者の尽力で発見現場近くに記念碑が建立され、2002 年に息子さんの手で除幕された。
今回予定はしてなかったけど、地図見たらコースから遠くないので寄り道することにした。当別町の宿に昼過ぎに入り相談したところオーナーが色々と調べて下さり場所が特定できた。
場所は宿から7~8キロのところで住宅や畑の隣接地。よく整備されていて関係者の思いが伝わる。水を手向け手を合わせた。
宿のことを少し。
あんぷらぐというログハウスで客室は3室とこじんまりしていて清潔で木の香りが温かい。オーナーご夫妻の優しい生き方がさりげなく随所に感じられる。
テレビを置かず、でもオベイションのギターと沢山のCD。音楽好きのオーナーと古いフォークソングやはっぴーえんどを聞きながら快適な時を過ごした。
今日走ってて壊れた旗の修復までお世話になった。
とても素敵な寄り道だった。
では、ごきげんよう。