密漁は、犯罪です! しかし、50年以上前の話ですから“時効”と思って下さい。
中学生の頃、友達が 「鮑(あわび)を獲って売らないか」 と、話を持ち掛けて来ました。 漁師の息子で、鮑獲りには自信があるものの、何処で売りさばいて良いのか分からないので、老け顔の私を相棒として頼ったのです。 正直、密漁と言うスリルに興味を持つたのは事実です。 (友達)「土曜日の午後に獲りに行って、伊達紋別市の寿司屋で売ろう」 とんとん拍子に話は進み、密漁計画 その日を迎えました。 港に停泊している友達の親の小型船を使い、500メートルほど離れた磯場で鮑を獲りました。 都合よく午後に満潮を迎え、鮑は取り放題でした。(岩場を移動する鮑は 素手で簡単に獲れる) 取り敢えず、30個ほどで漁を止めて港に帰還しました。(全て、隠密行動でした)

「果たして、売れるのだろうか」 自信のないまま、列車で伊達紋別市に鮑を持って向かいました。 駅前に 3軒ほど寿司屋があり、取り敢えず 一番流行っていそうな店の裏玄関に回り声をかけました。 夕方の5時ごろ、厨房で準備していた店主が現れました。 (私)「鮑を買って下さい」 勿論 密漁と分かっている店主は、一言 「見せて貰おうか」で簡単に商談成立です。 おそらく、鮑代は千円だったと記憶しています。(当時は大金です) 帰りは、友達と100円札5枚づつ山分けし、駅前食堂でラーメンとカレーを食べ、その日は スリル と 晩飯 を味わいました。 密漁は、その後 遣っていません。
昭和40年代の“物価”は、現在の10分の1 程度だと思います。(ラーメン・カレーは、50~60円) 不思議な事に「トランジスタ・ラジオ」や「フィルム・カメラ」は、今より 数倍 高かったと思います。 ブラウン管式「白黒テレビ」は 品質で差がありますが、一般家庭の年収に匹敵する程 高額でした。