実験台のピッコロ

学生時代のお話です

どこの大学もそうかも知れませんが、年に２回ほど、献血車がやってきて、学内で献血活動が行われることがあります。

小学生の頃、音楽の先生がＲＨ－の特殊な血液型で、その先生が「珍しい血液型だと半年に１回献血にいかなければならない」、という話をよくしてたので、私は２０歳になったら絶対献血をやってみようと子供の頃から思っていました。

あ、ただし、私は全然普通の血液型ですがね(笑)


まぁ、そんなわけで、大学に献血車が来た時は授業の合間に献血に挑んでいました。毎回「献血していた」と言いきれないのは、２回に１回は低血圧の為に断られていたからなんですが
ちなみに献血する際は上の血圧が100以上必要みたいです。


あれは確か大学３年の実験実習の授業の前だったと思います。
わりかし時間があったので、ふらっと学内の献血スペースに行って献血をすることにしたんです
次の授業はチャイムが鳴り終わったら教室のドアの鍵をかける厳格な先生で、なおかつ自分が所属する研究室の実験実習だったので、絶対に遅刻できなかったのですが、受付の人に話を聞くと４０分あれば十分間に合うとのことだったので、血圧のことでまた断られるかなとも思いましたが、とりあえず並んでやってみることに

ところが全然前に進まない
時間を気にしすぎてアドレナリンが出すぎたせいか血圧は難なくパス

「あと１５分しか時間ないんですけど間に合いますか」

「ギリギリ間に合うと思いますよ」

気がつけば４００ｍｌ選んでたし
早よ血－でろ

なんて思っている内に献血終了～
とりあえず５０ｍ位離れた実験室に猛ダッシュ

チャイムが鳴り終わる前に教室に入ってギリギリセーフ(´Д｀)

この授業、同じ研究室のメンバー１２人しかいないのと自分の所属研究室の授業なので遅刻は厳しい

よかった－(´∀｀;)と思ってると走りすぎてなんだか気持ち悪い気が・・・


すると先生が私をガン見というか、実験の説明をしてる途中で突然私を凝視して固まっているという感じでしょうか

先生はいいました。

「おい、バタ子・・顔色が・・・青いというか・・・緑色だけど大丈夫か？」


え緑色ってそりゃないでしょ

先生の発言で全員が振り返りました。
ところが皆が口々に

「本当に顔みどりなんだけどまじ大丈夫」
「やばくない？平気－」

などなど

「なんか今献血してきたんですけど、めちゃめちゃ気持ち・・悪い・・です・・・」
といって貧血でぶっ倒れました


先生の指示で１人献血車にいる医者を呼びに行きました。
待ってる間、とりあえず他の子たちに抱えられ実験台の上に脚を高くして寝かされる私
その周りを取り囲むように白衣を着た十数人の研究員・・・
なにか非常に不思議な光景

その内の１人が“献血”の言葉に安心したのかよくわからないけど突然笑いだし、

「なんかこれから解剖されるピッコロみたい」

と言い、なぜか皆ドッと笑いました先生まで


「あのさ・・皆笑いごとじゃなく・・・マジ気持ち悪いんだけど・・」

「いや、だってすごい緑色なんだもん人間ってこんな色になるんだね」

原因はなんとなく自覚があったので、笑われても何となく反論できずにいました。にしてもピッコロってドラゴンボールに出てくるナメック星人やん緑色ってどんだけ～


間もなくさっき問診してくれた医者の先生と看護師さんがきて、実験台に寝かされたままの私はそのまま診察をうけました

ってかなぜ全員白衣姿～
異様でしょ、どー見ても


結局ですね～、４００ｍｌも血を抜いてすぐに授業に遅刻しないために猛ダッシュしたための急性貧血でした

結構横になってたけど気持ち悪さと貧血はなかなか収まらず、呼んできた先生は、

「さっき採った本人の血をここで輸血するか」

とか言いだしまして、室生たちは更に大笑い
まだ気持ち悪かったけど、さすがにこれ以上の大迷惑野郎は恥ずかし過ぎて、採血した自分の血の輸血だけはやめてほしいと懇願したしだいです
だって、採血した意味まるでなしどころか逆に迷惑じゃん

というわけで、飲み物のみながら実験台１つ潰して寝たまましばらく授業を受けて終わりました

ちなみに大学なんかの出張献血だと、貧血がひどすぎて結局抜いた自分の血を再び本人に輸血するっていうことはまぁあるらしいです
私もその伝説の１人にならなくてよかった－


それにしても顔が緑色ってどんなだったんだろ－写真でもあればよかったのに、と思う今日この頃です(笑)