2006 S&Sコサージュ&ウッドネックレス


ここ何シーズンか布花を使った作品を製作しています。
春も近づき、そろそろ店頭に並ぶ頃です。
シルクの布を裁断し、染め、一枚づつコテをあて、一輪の花を形作ります。
布花は特別習ったことはありませんが、母が昔製作していて、
作品が家の中に溢れていたので、身近なものでした。
道具も一通り揃っていて、参考になる本もありました。
その本の中で、母が習っていた先生の作品集が何冊かあります。
山上るいと言う作家の方で、残念ながら既にお亡くなりになっています。
その作品集は装丁から写真一枚一枚の構成、その中に写る調度品、
何から何まで本当に素晴らしいもので、その世界観に圧倒されます。
どちらかと言うと作品の色味は枯れかけ、色褪せた雰囲気です。
人が、花の一番美しい時期だと感じ、切り取り取って置きたい、
と思う時期とは少しずれているかもしれません。
しかし本の中の木々花々は、もの凄い生命力が溢れています。
実際にある植物を細部までとても良く観察し、製作されているようですが、
どこにもないもののようです。
本物にいくら似せてもそれは本物に近いだけで越えることは出来ません。
でもそこに独自の世界観が加わることで、それは本物を越え、
本物以上にリアリティと存在感を放ち、忘れがたいものとなって
印象に残ります。そんな作品です。
布花は身近なつもりで取り入れた訳ですが、うーん、そうではなかったみたい。
この本を見ていると、簡単に利用するのはおこがましいなぁ・・
なんて気持ちが起こり、真摯に取り組んでおります!(自分達なりに!)
今後も作品の表現方法の一つとして
続けて行きたいなぁと思っています。