STUDIO T・S・A-のんびり双子の仕事ぶり

ジュエリー&アクセサリーのデザインを生業とする双子の日常。

日々是好日。

2006-03-16 | アトリエ日記


2006 S&S ピンクオパールのネックレスとブレスレット







日々新。

最近我がママが良く使う言葉。

これってまさに人生の達人のような言葉ではあるまいか?

母の信条?というか、見る限りこの言葉を地で行っている。

日々、新しく新鮮な気持ちを持つ。聞くだけでさわやかだな。

それには新しい発見が伴い、何気ない事柄からも、

人が成長してゆく手助けとなるのかもしれない。

・・・とはいえ母は、例えば同じドジを繰り返した時も、

この言葉を都合良ーく使用している。



そしてもう一つ、


日々是好日。

この歳にして、初めて知ったこの言葉!

今日只今の尊さを歓べば足る。

晴れの日も雨の日も楽しい日も辛い日も、

自身の心の持ち方ひとつで、

すべてが人生最良の日であるという意味だそう。

すべてが人生最良の日・・とまではいかないけれど、

どの日も捨てたもんじゃない、という気持ちは常々ある。

母の価値観を多分に受け継いでいる私達は、

こんな感じの思考回路のおかげなのか、

日々、大概楽しく過ごしている。ありがたい。




日々是好日・日々新に生きるのに

役立っているなぁーと思うことがある。

それは日本の四季。

四季が巡ることで、いつも懐かしさと共に、

新鮮な気持ちが沸き起こる。そのおかげで、

私達もデザインが自然に浮かぶのではないか、

とも思う。(・・勿論捻り出す時も度々ある。)

四季がある国で良かったなぁ。



さて、上の写真は春の新作、ピンクオパールシリーズです。

素材を見た途端、春風がそよそよ~と鼻先を通り過ぎました。

石の効力を謳うのはなんか胡散臭い気がしてあまり好きではないのですが、

自分好みの石だったのでちょっと調べてみました。

オパールは人の創造力を刺激し、内面の美を引き出す

”アーティストの石”と言われているとのこと。

不覚にも・・ますます気に入ってしまった。




布花

2006-03-02 | アトリエ日記



2006 S&Sコサージュ&ウッドネックレス




ここ何シーズンか布花を使った作品を製作しています。

春も近づき、そろそろ店頭に並ぶ頃です。

シルクの布を裁断し、染め、一枚づつコテをあて、一輪の花を形作ります。

布花は特別習ったことはありませんが、母が昔製作していて、

作品が家の中に溢れていたので、身近なものでした。

道具も一通り揃っていて、参考になる本もありました。

その本の中で、母が習っていた先生の作品集が何冊かあります。

山上るいと言う作家の方で、残念ながら既にお亡くなりになっています。

その作品集は装丁から写真一枚一枚の構成、その中に写る調度品、

何から何まで本当に素晴らしいもので、その世界観に圧倒されます。

どちらかと言うと作品の色味は枯れかけ、色褪せた雰囲気です。

人が、花の一番美しい時期だと感じ、切り取り取って置きたい、

と思う時期とは少しずれているかもしれません。

しかし本の中の木々花々は、もの凄い生命力が溢れています。

実際にある植物を細部までとても良く観察し、製作されているようですが、

どこにもないもののようです。

本物にいくら似せてもそれは本物に近いだけで越えることは出来ません。

でもそこに独自の世界観が加わることで、それは本物を越え、

本物以上にリアリティと存在感を放ち、忘れがたいものとなって

印象に残ります。そんな作品です。

布花は身近なつもりで取り入れた訳ですが、うーん、そうではなかったみたい。

この本を見ていると、簡単に利用するのはおこがましいなぁ・・

なんて気持ちが起こり、真摯に取り組んでおります!(自分達なりに!)

今後も作品の表現方法の一つとして

続けて行きたいなぁと思っています。