STUDIO T・S・A-のんびり双子の仕事ぶり

ジュエリー&アクセサリーのデザインを生業とする双子の日常。

柘榴-ざくろ

2008-01-30 | アトリエ日記

Mano Pigra /蜂の2wayブローチ 素材:プラチナ、ルビー


もうすぐ1月も終わり。既に十分寒いのに、来月はやっぱりもっと寒くなるのでしょうか。ぶるっ。。

終わりかけに今月の誕生石ガーネットの話です。

ガーネットは別名-柘榴石(ざくろいし)と言います。

柘榴は去年かなりお世話になっていた果物です。

これならゆっくり眺めながら食べられるので太らずに済む。。。

という、なんとも色気の無い動機で食しておりました。

ざくっと割ってみると・・・ほんとにほんとに美しい果物。感動~!

外は渋みのある皮革細工のような雰囲気、中は半透明の深紅色。

おおっ、これはまさしく宝石だ!

こぼれた汁は布花を染めるローダミンのような鮮やかさ。

中には800粒もの種が入っているらしいのですが、食べるのがもったいない。

まだまだあるからいいじゃないか、と言い聞かせ、それでもひと粒づつ大事に食べてみたりして。

正直、”この味が最高で~!”という果物ではありませんが、それ以上にこの果物からは与えられるものは多い気がします。

ざくろ、ざくろ・・名前も不思議な響きを持っていて惹かれます。


さて、なんで誕生石がガーネットの月にこの作品なのかと申しますと、蜂のお尻の縞模様に秘密があります。

この艶消し部分の仕上げは、『梨地仕上げ』という加工なのですが、これにガーネットが使われているのです。

ガーネットの原石を砂粒の様に細かく砕いたものを金剛砂(こんごうさ)と言いますが、

それを水と共に如雨露のような物で上の方から地金部分に向けて、ざらざらざら~っと何度も丁寧にかけることで、

金属の表面を柔らかく削り、梨の皮の様な質感の『梨地仕上げ』を生み出します。

どことなく”和”なテイストを醸し出しますが、それもそのはず、

なんでも万葉集の時代から使われていた技法だそうで、にっぽんチャチャチャ~!の筋金入りなのです。

ちなみにこのブローチは、ネックレスとしても使用出来る2wayタイプになっています。

長めのチェーンでタートルの上からシンプルに身に着けても素敵です。




かっこいいからと飾っといたら一個シワシワになってしまった・・・