花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

四月尽

2008年04月30日 | Weblog
チャレンジに手ごたえのあり四月尽
尺取虫身をいっぱいに伸ばしけり
夏近し一息に飲む発泡酒

山藤

2008年04月29日 | Weblog
山藤の川面に影を映しけり
清楚なるもののひとつに白つつじ
遠くなれば懐かしくもなり昭和の日

たんぽぽ

2008年04月26日 | Weblog
たんぽぽのはや旅立ちの綿毛かな
こんにちは言葉交わして春の森
静かなるうしろで椿の落ちる音

しゃが

2008年04月25日 | Weblog
春闌けてがまずみの咲く散歩道
しゃが咲くやあがりし雨を宿しつつ
桜蘂降る静かなる境内に

春筍

2008年04月24日 | Weblog
春筍掘られて遺す穴ひとつ
白壁の庭の上にも躑躅燃ゆ
竹の秋静かに午後の日の過ぎる

菜の花

2008年04月22日 | Weblog
菜の花や川の曲がりに沿いて咲き
春風に出会う明るき森抜けて
春暑し小さきグラスの食前酒

春満月

2008年04月21日 | Weblog
隈なきを眺むる今宵春満月
うつし世にまた戻りけり木の芽山
光りつつ沖に向かいて吹きし風

青柳

2008年04月20日 | Weblog
青柳へさらに朝日のあざやかに
巨樹大樹なれど小さく芽吹きけり
暁はまず鶯に迎えられ