一月逝く

★明け初めし紺青の空月冴ゆる
★一月の逝くや明るき光充つ
★日脚伸ぶ夕空紫紺のグラデーション

縄跳び

★竹林を飛び立つ鳥や春隣
★六甲も淡路も隠し寒霞
★門先で大縄跳びの家族かな

霜の朝

★遠山にかかる雪雲寒日和
★ナビの声確認しつつ日脚伸ぶ
★霜の朝通学の列の短さよ

★カトレアや温室の外は銀世界

雪

★追儺会の支度に竹を伐り出しぬ
★寒の陽を浴びつオープンカーを駆る
★しずしずと車の進む雪の朝

寒風

★寒風に応えて揺れし竹百幹
★幹直立寒の日差しを受け止めて
★風やめば寒暁さらに深まりぬ

冬深し

優嵐ギャラリー


★冬深しノンカフェイン茶の身につきぬ
★陽はさらに明るし寒風つのれども
★ぎいぎいと木々を軋ませ北風つのる

寒朝日

★寒朝日まず照らしおり丘の家
★霜踏んで今日の工事の始まりぬ
★身の内に綻ぶものや寒ぬくし

寒の水

★湯あがりに一息に飲む寒の水
★寒茜ホットケーキにキウイジャム
★詰め物がとれて歯医者へ寒の内

★寒日和八幡社には鳥の声

冬帽子

★梅が枝のまっすぐに指す寒の空
★冬帽子その下にあるつけまつげ
★寒禽の羽根の散らばる森の道

★寒の陽を窓辺いっぱいシクラメン

大寒

★大寒の空へ立ちたり時計塔
★大寒の街へ電車は影落とし
★大寒の河川敷を走る人