花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

八月尽く

2011年08月31日 | Weblog
八月尽く茜の空を鳥の影
秋夕焼け遠くの空はみずいろに
金風ややがて黄金に播磨の野

こんがりときつねのかみそり咲いており

おにやんま

2011年08月30日 | Weblog
準備よしよーしよーしと法師蝉
秋の朝雲なだらかに北の山
水平を大きく飛ばしおにやんま

稔りゆく田のかたわらの土蔵かな

露草

2011年08月29日 | Weblog
優嵐スケッチブック


えのころのころころ光り道の辺に
露草に揃えて置ける草刈機
むくげ咲くいずこより蟻の行列が

旭日はまず秋雲を金色に

稲妻

2011年08月28日 | Weblog
雷の去り虫の音に包まれる
稲妻や黄金色連れ田の上に
秋めきて川面に映る山の影

めしべみな天を指したり花芙蓉

秋海棠

2011年08月27日 | Weblog
秋涼し旭日金の雲を出ず
指先のほのかに赤し秋海棠
狂おしきものすでに去り萩の花

朝顔は折り目正しき花なりき

秋空

2011年08月26日 | Weblog
秋空へ再び雲の奔騰す
雨あがりすでに秋めく空の色
見ゆるものみな新涼の影を持つ

鰯雲夜明けの空を泳ぎおり

秋の蓮

2011年08月25日 | Weblog
秋の蓮最後の花となりにけり
あずまやの軒に挿されて捨団扇
黄を加え日毎に熟れし稲田かな

山路来て露草と風に吹かれおり

西瓜

2011年08月24日 | Weblog
大西瓜どっと一座の真ん中へ
花終えて初秋のひかり蓮の葉に
ばった跳ぶ突拍子もなき方向へ

稜線のかなたは遥か雲の峰

処暑

2011年08月23日 | Weblog
高空を帰る日近き燕飛ぶ
色づきし桜につくつくぼうしかな
美人画を見ている処暑の午後の雨

ベランダに小さき守宮秋の朝

ピーマン

2011年08月22日 | Weblog
陽を受ける山の草木の秋めける
去ればまた寂しきものに残暑かな
ピーマンを運転席に置いてます

高砂百合すらり立ちたる清しさよ