花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

春近し

2009年01月31日 | Weblog
寒の沖晴れて明るき海の色
春近し竹林風を集めけり
冬終わる小舟の白き航跡に

霜夜

2009年01月29日 | Weblog
遠ざかる列車の音の霜夜かな
お茶どうぞ勧められて寒の縁側に
晩冬や切られし檜の香りけり

寒暁

2009年01月28日 | Weblog
寒暁の闇の深さへ耳を澄ます
新婚子少し太って春隣
枯桜見上げる両手はポケットに

白息

2009年01月27日 | Weblog
白息を重ねて行きし通学路
九十九折曲がれば紅き梅早し
姿勢よき人こそ黒きタートルネック

2009年01月26日 | Weblog
うっすらと雪ある朝や旧正月
寒鴉あわあわあわと谷渡る
外套が大きく隠す少女の手

霜柱

2009年01月25日 | Weblog
さくり霜柱崩れて新しき
雲の色今朝は変わりし冬深し
水底に日差し溜めたる冬の泉

寒晴れ

2009年01月24日 | Weblog
寒晴れやほどきし髪に櫛を入れ
遠山も田もくっきりと春近し
春を急ぐ風は明るく強く吹く

一月

2009年01月22日 | Weblog
冬の雨降り初めし空見上げけり
冬の夜のどちらの足より歩むべし
一月や届く荷を待ちポストを見る