祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の世の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ
・・・・
と、こう始まるから無常観ただよう
末法思想の物語のように思われるけど
違うんだよな~
これは日本の『戦争と平和』だよ!
抜群に面白い!
昔の言葉だからって難しく思うことはない。
読んでれば意味はつかめるよ。
・・・・・・
唐突に始まりましたが、
これは黒澤監督の台詞です。
覚えてる範囲で書いたので、
正確ではないけど
このような意味のことを言っておられました。
『乱』の製作前くらいの時期。
“平安・鎌倉の頃の鎧・甲冑ほど創作意欲を
かき立てる美しいものはない!
これで映画を撮ったら、世界中の人が
その美しさに度肝抜かれるよ!”
それで『平家物語』の映画を撮ろうと
考えていたらしいのですが
かかる予算のものすごさで実現
できなかったそうです。
それでも『乱』を観ると
色彩豊かな鎧をはじめ
物語もある意味『平家物語』のエキスが
充満してますね。
いやー、観たかった!!!!
黒澤監督作品『平家物語』!!!!!!
実現したらはたして上映時間はどの位になったのか?
あ、そうだ ある場面にしぼって撮ると考えておられたのです。
「義経の弓流し」だったはず。
「那須与一」のあまりにも有名な話の直後ですね。
しかしあの時代の装束を再現して多くの役者が
身に着ける。
特に鎧・甲冑の規模は戦国武者以上だもんなぁ~
機能性よりも華麗さ・美学を前面に出した時代。
予算確保は、やはり本当に難しかったのでしょう。
しかし、観たかった!!
『平家物語』
私は幼少のころに子供向け版を読み
夢中になった記憶があります。
今でも原文のみで読むのは大変だけど、
名場面のダイジェスト版でいい本がいくつか
あります。
読んでみると、いやぁ~ いいですねぇ!
とにかく味わい深い!
戦場場面のリアルさには本当に感動します。
いつかは全文を原文で・・・と思い続けてますが・・・
原文ダイジェスト版でもかなり楽しめます。
いいものはいい!
人間、そんなに今も昔も違うもんじゃない。
環境が違いすぎるだけ、と思います。
あ。そうそう「能」!
「能」の演目の出典ナンバーワンは
ダントツ『平家物語』なんですよね。
人間の栄枯盛衰が凝縮されてるからですよね。
デジタルな時代だからこそ
どアナログに浸りたくなる、そんな日もあります。
八幡太郎義家公