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5月13日HMS上級 PM

2006年05月17日 | 上級レイアウト
たこくんさんからのコメントをいただきましたので、それにお答えします。

>13日に最後尾で走っていた者です。こんな素晴らしいブログが
>あることを初めて知りました。今後も参考にさせていただきます。

>さて、午後の逆走で、最後のS字を抜けてUターンした後に
>街区(?)へ入っていくライン取りなんですが、他の人の走り
>を見ると進入時に左へ小さく切り返しています。私はターンを
>やや大きくして外側から脱出し、そのまま最後の右コーナーまで
>つなげて走ったのですが、結果としてどちらが正解なのでしょう。
>車両はCB400です。

ライン取りには正解というのは無いですし、また、たこくんさんが実際に走っている姿を観察していないので、いくつかの前提を置きます。
1)当日のぐしゃぐしゃの雨のコンディションではライン取りの思想が変わってくる可能性があります。雨の日は一般に車体が寝ている時間を短くしようとすることが多いかと思います。
2)車両特性とその人の操縦スタイルによって、例えば「シケインの切り返しで前後の荷重がギクシャクするよりは、スムーズに走れるコーナーを走りたい」とか、「この回転半径が一番アクセルコントロールがスムーズなので、意識的にそういう回転半径を作りに行く」ということが考えられます。
3)たこくんさんの実際のラインを見ていないので、これはあくまでも、こういうラインで走る人がいたとしたら、という想定で対比するラインを引きます。

上の条件をふまえて、黒い線で描いたラインと赤の点線で描いたラインを比べてみましょう。
黒い線のラインが描いているのは①から⑤のコーナーに対して、なるべく直線を作り、かつ、各コーナーの角のぎりぎりを舐めるようなラインになっています。これに対して赤い点線のラインは、左右に大きく振りながら相対的に高いコーナリングスピードを作って切り返していくという考え方です。
結論から言えば、上の条件のような特別な要因がない限り、黒い線のラインの方が「正解」でしょう。といいますか、実際のところ濡れた路面に残ったタイヤの後を見るとたこくんさんが言うとおり、多くの人が黒い線のラインを通っていたと思います。赤い点線のラインは、必要以上に大回りして距離が長いことと、バイクを寝かせて走っている時間が長いことが好まれない理由であると考えられます。雨の日の上級だと、走行ラインの後が残り、それは幅30cmから50cmの範囲内に収まっています。それは前輪と後輪の通るラインの違いやSSとネイキッドのラインの違いはあっても、それ位の間隔に収まっているというのが不思議なところです。

なぜ、そういうラインの違いが起こるのかについて考えてみたのですが、二つの要因が考えられそうです。

第一に、③④の切り返しをどうするかという考え方で、第二には⑥⑦のコーナーに対する考え方です。

③④について、コーナーにしないで、切り返しで済ませたいというのが黒線の考え方です。スロットルを開けたままブレーキや体重の前後移動で切り返しができればスピードを維持したまま⑤に向かうことができます。

⑥⑦については、なるべく小さく回るということを考えます。⑥と⑦の角を後輪が舐めて通過するラインが理想です。小さく回ることで、出口で気持ちよく加速することができます。またここを小さく回れるということは⑤も角ぎりぎりを通過できるので⑤から⑥へのアプローチの角度を小さくすることが出来ます。
⑤から⑥に向かって大きく回るために右に寄ると回転半径が大きくなります。この回転半径が大きいと赤点線のラインに見るように180度のUターンになり、また寝かせて回る距離が長くなります。黒線のラインでは140度位のターンで済むわけです。その分、寝かせている時間が短くて済みます。

さて、次になぜ、赤点線のようなラインになるのかという分析です。
(あくまで、これは仮想の話です)
⑥⑦で小さく回れないと、⑦で外側に膨らむので、それを避けるために⑥を右側に振ってから回ろうとします。⑥を右に振ってからアプローチしようとすると、⑤を左に回るときに回り終わってすぐに右に寄せたいと考えるわけです。そうしようとすると⑤に向かう時に、なるべく左に寄ってから右に倒したいと考えるので④を曲がった後、左に寄せたいと思うわけです。

ということで、最後のコーナーから逆算したときに、そのラインを作るためにアプローチが順々に遡って変わってくるのです。

最後に、②から③に向かうラインですが、もし③で右に振りたいのであれば赤点線のラインを作ります。そうすると①から②については①で回りきって②から外側に膨らんでそこから右に回っていくラインになります。
ここでもう一つの考え方で、③④がシケインで浅く入りたいのであれば、②から③で外側(画面下側)に膨らむ理由はないので②から③はなるべく直線的に走りたいと考えます。そうしようとすると①から②に向かうコーナリング・ラインはアペックス(頂点)を②に近いところにもってくるようなライン取りになります。その違いも観察してください。

長文になりました。お付き合いありがとうございました。


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