皆さん、ご無沙汰しております。
今日は、貸切からのご報告です。天気予報にも裏切られ、一日ウェットなコンディションになってしまいました。上のコースレイアウトは午前中、中級クラスが走っていたコースとほぼ同じで、若干手を入れて午後は貸切グループに引き渡されました。
このレイアウトはまさしく「二本差しパイロンオフセット」の典型的な組み合わせになります。後で聞いた参加者の皆さんの声では、「リアタイヤが滑るので怖くて何もできなかった」という話が多く聞かれました。
ウェットコンディションでは、このコースは実はとても難しいレイアウトです。パイロンに向かって行ってはうまく走れません。ウェットな時には、バンク角が不足し、ブレーキングも難しいためにコーナーへの進入速度が失われやすくなります。その結果、このような二本差しの大きくて深いRのコーナーを回りきれず、回り終わる前に失速してしまうのです。エンジン回転が落ちるためにアイドリング状態になり、そこでスロットルを開けてもエンジン回転がついてこない。で、もっと大きく開けるとリアタイヤが滑ってしまうという状況に追い込まれるのです。
本質的に、これを解決するためには、そのスロットルを開ける時点でのスピードを高める必要があります。スピードが高ければ、回転が維持されるので開けてもドンとは来ません。また、その開け始めの時に、すでにフロントタイヤが次のパイロンに向かっていなければなりません。
それ以前に開けても、ラインが膨らむだけです。止むを得ず、コーナーを二つに分けて、ブレーキングして向き変えしようとすると荷重がフロントに移るので、そこからスロットルを開けることでやはりリアが滑りやすくなるわけです。
それではどうしたらよいのでしょうか。旋回の進入速度を高めるためには、例によって、その手前のコーナーの通り方から変えていかなければなりません。
図(4)のコーナーで考えてみます。(4)を一発で回りきって(4-2)[(4)のコーナーの2本目のパイロンという意味です]のウラにつける[図画面ではパイロンのすぐ左(北側)を通り、フロントタイヤが(5)のパイロンに向かうラインに乗るという意味です]ことを目指します。そのためには(4-1)に対して浅く進入し[旋回半径Rを大きくとる]たいのと、進入速度を高くしたいので、(3)の右ターンをなるべく浅くする必要があります。(3)を直角に近いイメージで曲がったりすると、もう(4)に対する進入速度は足らなくなってしまいます。
(3)を150度位の浅いターンとして回るためには(2)を小さく回ってパイロンの裏につける必要があります。もしくは旋回を図画面の下方向にずらして[進入ラインを膨らませて]脱出速度を残して(3)に向かうことになります。従って、(4)のコーナーをうまくスピードに乗せて回りきれるかということは(1)を回って(2)に向かう時にどのようなアプローチラインを取るかという判断にかかってくるわけです。
ちゃんと手順を踏んで、(4-2)ウラでスロットルを開け始めた時にギクシャクせずスムーズに加速することができると、かなり気持ち良いです。
そこまでスピードに乗せられない時には、リアブレーキで抑えながらアクセルを開けていくという操作が必要かもしれません。ないしは、もしもドライな路面であれば、ここまで考えることなく、容易に回り切ることができたでしょう。
(6)のコーナーも考え方は一緒です。ただ、こちらは(5)のUターンで一度切れています。もちろん(5)のコーナリングの後半で膨らんでしまうとまずいのですが、それよりも(6-1)のパイロンの位置が重要でした。地面に書かれた白線の区画の角の位置から図画面左(北方向)に80cmほどずれていたのです。そこでウェットではありますが、白線を踏むことを恐れず(6-1)に目一杯近づいて、そこから倒し込むという作戦をとります。そうするとギリギリで(6-2)を回り切ることが可能でした。もしも(6-1)が正しく角位置に置かれていたとしたら、(6-1)と(6-2)の間でコーナーを分けて、加速し減速して二回の向き替えを行うとようにせざるを得なかったと思われます。私自身も5周に1回位は速度不足に陥りましたから、かなり微妙な、このコースでは一番難しいセクションだったろうと思います。
スピード不足に陥った時には、対処方法は三つあります。一つは、先ほどの説明にもあったようにリアブレーキで抑えながらアクセルを開けてバイクを前に進める方法です。二番目は、浅めに回ることでスピードを維持しつつコーナリングの最後にこれ以上は膨らんでしまうという位置でリアブレーキを使ってフロントタイヤを振って車体の向きを合わせるという方法です。これは図に示された走行ラインのイメージそのもので釣り針状の最後にRが小さくなるようなラインになります。三番目は、ものすごく微妙なスロットルワークで速度を回復させるのです。ただし、どれほど絶妙にやっても多少はラインが膨らんでしまうので次のコーナーでお釣りを精算します。
ですから、このコースは(4)と(6)の二つのコーナーで性格付けが決まってしまったように思えます。以下、(7)(8)(11)、(16)(17)(20)(21)と多くの二本差しの深いコーナーが続きました。
雨模様ゆえにテクニカルな部分が表出して面白い1日になりました。改めて、幹事様に開催の御礼を申し上げます。
今日は、貸切からのご報告です。天気予報にも裏切られ、一日ウェットなコンディションになってしまいました。上のコースレイアウトは午前中、中級クラスが走っていたコースとほぼ同じで、若干手を入れて午後は貸切グループに引き渡されました。
このレイアウトはまさしく「二本差しパイロンオフセット」の典型的な組み合わせになります。後で聞いた参加者の皆さんの声では、「リアタイヤが滑るので怖くて何もできなかった」という話が多く聞かれました。
ウェットコンディションでは、このコースは実はとても難しいレイアウトです。パイロンに向かって行ってはうまく走れません。ウェットな時には、バンク角が不足し、ブレーキングも難しいためにコーナーへの進入速度が失われやすくなります。その結果、このような二本差しの大きくて深いRのコーナーを回りきれず、回り終わる前に失速してしまうのです。エンジン回転が落ちるためにアイドリング状態になり、そこでスロットルを開けてもエンジン回転がついてこない。で、もっと大きく開けるとリアタイヤが滑ってしまうという状況に追い込まれるのです。
本質的に、これを解決するためには、そのスロットルを開ける時点でのスピードを高める必要があります。スピードが高ければ、回転が維持されるので開けてもドンとは来ません。また、その開け始めの時に、すでにフロントタイヤが次のパイロンに向かっていなければなりません。
それ以前に開けても、ラインが膨らむだけです。止むを得ず、コーナーを二つに分けて、ブレーキングして向き変えしようとすると荷重がフロントに移るので、そこからスロットルを開けることでやはりリアが滑りやすくなるわけです。
それではどうしたらよいのでしょうか。旋回の進入速度を高めるためには、例によって、その手前のコーナーの通り方から変えていかなければなりません。
図(4)のコーナーで考えてみます。(4)を一発で回りきって(4-2)[(4)のコーナーの2本目のパイロンという意味です]のウラにつける[図画面ではパイロンのすぐ左(北側)を通り、フロントタイヤが(5)のパイロンに向かうラインに乗るという意味です]ことを目指します。そのためには(4-1)に対して浅く進入し[旋回半径Rを大きくとる]たいのと、進入速度を高くしたいので、(3)の右ターンをなるべく浅くする必要があります。(3)を直角に近いイメージで曲がったりすると、もう(4)に対する進入速度は足らなくなってしまいます。
(3)を150度位の浅いターンとして回るためには(2)を小さく回ってパイロンの裏につける必要があります。もしくは旋回を図画面の下方向にずらして[進入ラインを膨らませて]脱出速度を残して(3)に向かうことになります。従って、(4)のコーナーをうまくスピードに乗せて回りきれるかということは(1)を回って(2)に向かう時にどのようなアプローチラインを取るかという判断にかかってくるわけです。
ちゃんと手順を踏んで、(4-2)ウラでスロットルを開け始めた時にギクシャクせずスムーズに加速することができると、かなり気持ち良いです。
そこまでスピードに乗せられない時には、リアブレーキで抑えながらアクセルを開けていくという操作が必要かもしれません。ないしは、もしもドライな路面であれば、ここまで考えることなく、容易に回り切ることができたでしょう。
(6)のコーナーも考え方は一緒です。ただ、こちらは(5)のUターンで一度切れています。もちろん(5)のコーナリングの後半で膨らんでしまうとまずいのですが、それよりも(6-1)のパイロンの位置が重要でした。地面に書かれた白線の区画の角の位置から図画面左(北方向)に80cmほどずれていたのです。そこでウェットではありますが、白線を踏むことを恐れず(6-1)に目一杯近づいて、そこから倒し込むという作戦をとります。そうするとギリギリで(6-2)を回り切ることが可能でした。もしも(6-1)が正しく角位置に置かれていたとしたら、(6-1)と(6-2)の間でコーナーを分けて、加速し減速して二回の向き替えを行うとようにせざるを得なかったと思われます。私自身も5周に1回位は速度不足に陥りましたから、かなり微妙な、このコースでは一番難しいセクションだったろうと思います。
スピード不足に陥った時には、対処方法は三つあります。一つは、先ほどの説明にもあったようにリアブレーキで抑えながらアクセルを開けてバイクを前に進める方法です。二番目は、浅めに回ることでスピードを維持しつつコーナリングの最後にこれ以上は膨らんでしまうという位置でリアブレーキを使ってフロントタイヤを振って車体の向きを合わせるという方法です。これは図に示された走行ラインのイメージそのもので釣り針状の最後にRが小さくなるようなラインになります。三番目は、ものすごく微妙なスロットルワークで速度を回復させるのです。ただし、どれほど絶妙にやっても多少はラインが膨らんでしまうので次のコーナーでお釣りを精算します。
ですから、このコースは(4)と(6)の二つのコーナーで性格付けが決まってしまったように思えます。以下、(7)(8)(11)、(16)(17)(20)(21)と多くの二本差しの深いコーナーが続きました。
雨模様ゆえにテクニカルな部分が表出して面白い1日になりました。改めて、幹事様に開催の御礼を申し上げます。
このコース、自分が苦手としている大きいコーナーが織り込まれたコースでどうしても繋ぎが上手く行かずコーナー中の姿勢を保つのにリアブレーキを併用しないと安定しないんです。アクセルコントロールが下手なんですね。今後の最大の課題です。
貸切集客、安定してきましたね(笑)
寒かったですが、楽しい一日でした。
次回もよろしくお願いします。
本日はありがとうございましたm(__)m
お会いできてほんと良かったです!
またお昼休みにはご指導いただきありがとうございました。釣り針型のコーナー、@sushiさんのブログの中で見たような・・・と思いながら見直してましたが、なるとコーナーに似ているような・・・じっくり復習します。
本日のコースは以前から興味がありまして、この一年間の成果と今後の目標の指標にと参加させていただきました。私の技量では非常に難しいと思いましたが、たくさんの課題を持ち帰ることができとても貴重な体験をさせていただいたと思っています。
また、バイク好き&HMS好きの仲間たちと参加できとても楽しい時間でした。またお会いできる日を楽しみにしております!
今後ともよろしくお願いします。
失礼します。
丁寧なコメントいただきありがとうございます。
S中級も、メンバーが濃いですね。雰囲気良さそうにしていましたね。
例のコーナーは「孫の手コーナー」として扱っています。
http://blog.goo.ne.jp/sushi306/e/d0a858f5d117f6702b2154f2067e2189
http://blog.goo.ne.jp/sushi306/e/49e87f3be1a6e45557b04b0ef0059f09
http://blog.goo.ne.jp/sushi306/e/19b5b77e2b97f6e8142e74d857941d80
などをご覧下さい。
次にお目にかかる機会を楽しみにしております。
はい、そうでしたね。孫の手コーナーの名前は記憶にありましたが、再度読んで内容に記憶がなく、最後に「招き猫の手」を見て思い出しました(汗
@sushiさんが仰られるとおり非常に難しいと思っています。
私のスキルではまだまだですので、まずは普段の練習で進入速度を高めることから見直したいと思います。
二日続けてイントラさんに「もっと進入速度を高めましょう!」とご指導賜りました。
昨日、@sushさんにご指導いただいた旋回後半のリアブレーキについても忘れないようにします。
「うまく走ると気持ちよい達成感が得られます」
ほんとそうでしょうね!じっくり見直して今後の練習に生かしたいと思います。
S上級の記事も見つけました。コースを再確認できてよかったです!中盤以降、中級よりさらに厳しいコース設定のようですね。
いろいろ疑問点がありますがまたの機会に質問させていただきます。
どうもありがとうございました。
楽しく練習して気持ちよさを味わいましょう!