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上級テクニック ~ 孫の手コーナー その1

2009年07月12日 | 上級テクニック
 2009年7月4日の上級です。すこし蒸しましたが天気がよく気持ちよく走れました。担当はIZMさんとI塚さん。上図は午後1のレイアウトです。バリアブルとしては比較的高速で、アクセルを開け、強めのブレーキ、ないしはバンク中からのブレーキングと切り増しなどのテクニックが求められるコースです。

 コーナーの数は多くないのですが、速く走ろうとすると難しくなります。特に図の左下⑧から⑨につながる複合コーナーは面白いものです。最近私はこのようなコーナーを「孫の手コーナー」と呼んでいて、テーマにしています。IZMさんが、バリアブルで作ってくれることが多いセクションです。

 孫の手コーナーは、例えば鈴鹿にあるスプーンコーナーに似た複合コーナーで、以下のように定義されます。
a)比較的高速の直線からしっかりとしたブレーキングでコーナーにアプローチする。
b)コーナーは旋回半径が広めに制約されていて(概ね半径3メートル以上)パイロンコースの場合は2本のパイロンで旋回ラインを拡張している。
c)折り返した後、180度以上の旋回角度になるように出口の方向が規制されている。
 ざっくり言い換えると、出口が規制されたやや大きめのUターンという類です。

 図に示すとこんなパイロン配置になります。上段の(A)が基本的なパイロン配置で、下段の(B)は、コーナーの特徴をより強く現したバリエーションです。



 パイロン①と②がUターンのボトムを作っていて、かつ旋回半径を広めにしています。③が無い普通のUターンの場合は1)のあたりの直前でブレーキをリリースして舵角をつくり②のパイロンまで回り込んでそこからスロットルオープンにします。孫の手コーナーの場合には②からさらに回り込んで行かなければなりません。そのため、①を回る旋回の前半の旋回半径を、①を回る後半ではもっと小さくしていく必要があります。つまり大きいRから小さいRにつながる複合コーナーとして処理するのです。



 旋回円①と旋回円②は比較的連続的に半径が詰まっていくイメージで、向き変えを行った後、パイロン②の横を過ぎても我慢してエンブレでスピードが落ちていくに従ってバンク角を深くして多少切り増されていく切れ角に委ねて旋回半径が徐々に小さくなっていくような操作になります。
 下図の上段は、その時のブレーキ開始ポイントとブレーキリリース&向き変えのポイントをそれぞれ青矢印マークと赤矢印マークで示しました。



 ただ、この基本のパターンに対する走り方は、特にパイロン②の手前あたりからひたすらバイクの向きが変るのを待っていなければなりません。途中でパーシャルを作ろうとして不用意にアクセルを開けるとラインが膨らんでパイロン③に突っかかってしまいます。あるいはピッチングでギクシャクすることになります。
 ひたすらスロットル全閉のまま、勢いで③をクリアしたところでアクセルを開けドンと加速することになります。スムーズにつなぐ方法としては、まずは進入の速度を高めるという発想になります。そのため、①のパイロンに対して大外(左側、図では下方)から大きな旋回半径で回り込んで②の時点でのスピードを高めるようにします。ただこの方法ではかなりのロスが出ることになります。
 また、その方法では、孫の手コーナーのバリエーションに対処することが極めて困難になってしまいます。

 例えば図下段(B)のパターンです。これは①のパイロンが手前に引かれて配置され、②のパイロンをより鋭角的に回るパターンです。これを大外から入ろうとするとラインの大きなロスが出ることになります。(A)のラインを赤の細線で残してみました。
 これをもっとスマートに通れるようにしたいわけです。

 図(B)の矢印記号に示すように、ブレーキング開始ポイントは(A)と同じか少し遅らせるようにします。(ただし、手前の直線が長くスピードが上がっていて、強いブレーキングになってしまう時や、この方法を初めて練習する時には、逆に早めに弱めのブレーキングを始めるようにします。強いブレーキだとその後バイクが寝てくれなくなってしまうからです。)
 そして前後ともブレーキをかけたままバイクを倒し込んでいきます。初期の減速段階ではバイクは倒れにくくなっていますが、そのまま減速し、①を回れるスピードまで落ちたらすぐにブレーキを弱めます。ブレーキを弱めるとバンク角が増すのでそのまま前後ブレーキを引き摺ったまま、コーナー奥に向かいます。ここまでの段階ではハンドルは積極的には切りにいきません。無理に切ろうとすると切れ込んでハイサイドになる危険性があります。
 コーナーのエイペックスに向かって徐々にスピードが落ち、バンク角が増し、消極的ながらも旋回半径が小さくなったところが赤矢印記号のところで、向き変えの動作に入ります。残ったブレーキをリリースしながら、さらにバンクさせ、ハンドルを切ります。そして②に対して必要な旋回半径を作ります。
 パイロン③をクリアする方向まで回り切ったらパーシャルをつくり、切り返して加速します。
 

(その2に続く)

P.S.
 頭の中では、「孫」と書いたつもりだったのですが、実際に書いたものを見ると「猫の手」になっていました。猫は猫でも招き猫の手です(笑)
 本物の猫の手の形状は私はよくわからないのですが、「招き猫の手」コーナーと呼んでも構わないと思います。しかし図の方で「孫の手コーナー」と書いてあるので訂正しました。

 ところで、このテクニックはかなり難しいものです。コーナー旋回中にブレーキをかけられるスキルがないと危ないことになるかもしれません。いわゆる「よい子はマネしないでね!」的な範疇に入ります。中級のクラスで練習するのではなく、上級に来てから練習してくださいね(笑:でも結構マジなお願いとして)


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
②の半径は? (イチロー)
2010-09-27 18:39:20
どのくらいで回るのでしょうか?

鈴鹿にあるスプーンコーナーは上級用でしょうか?一度上級の見学に行きたいのですが、来月末しかないようで、浜名湖に見学に行こうかなぁ。
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桶川のすくーるで (イチロー)
2010-09-27 20:50:05
スペシャル(CBR)とありますが、CBRの車種専用でしょうか?コースも違うのでしょうか?
聞いてばかりですみません・・・
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>イチローさん、 (@sushi)
2010-09-28 00:31:41
こんばんは。

1)「鈴鹿のスプーンコーナー」ですが、本文中のこれは、鈴鹿サーキットのコーナーの一つを指したもので、HMSとは関係ありません。悪しからず。。。。

2)②の旋回半径ですが、全体のバランスによって異なります。一般に①と②の間隔は3m~8m、そして②と③の間隔は3m~6m程度と考えられます。この両者の間隔の組合せでアプローチが変ります。もし②と③の間隔が狭くて3mくらいだとすると、②はフルロックで回ることになります。また、①と②の間隔が狭く殆ど小さなUターンに近い形であれば、同様にスピードが落ちるのでやはりフルロックの小さな旋回になる可能性があります。逆に①が緩くて②へのアプローチが余裕があり、③に対してゆとりがあれば、旋回半径は大きくなります。

3)桶川でCBRと冠してあれば、それはCBR600もしくはCBR1000に限定したセパハン専用のスクールです。コースもセパハンで楽しめるように工夫されていると聞いています。

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ありがとうございます。 (イチロー)
2010-09-28 07:14:35
なるほど・・・3m+3mだと、絶対回れないだろうと思います。(私)
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>イチローさん、 (@sushi)
2010-09-28 18:17:48
ちなみに、スーパー上級http://blog.goo.ne.jp/sushi306/e/f7689d40b2dbc494617b332c7edc5c77
の孫の手コーナー⑮は、3.7m+2.4mです。。。

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何とか動画に納めてみたいです (イチロー)
2010-09-28 20:06:01
いつか、撮影に行きたいです。
滅多にないのでしょうね。
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