2012年6月3日の上級コースレイアウトの続きです。
新コースの図の右側のセクションは二本差しオフセットパイロンを複雑に組み合わせたものになっています。
二本差しオフセットの面白さとはどういうことなのかを説明します。
通常の一本立てのオフセットパイロンの場合は、余程きついセクションでない限りラインの選択には自由度があります。(a)は一般的なパイロンを回り終わってパイロンの裏に付けるラインです。ライダーの好みやその時の状況によって(b)のようにコーナーの頂点でパイロンに最も近づくようなラインで旋回速度を維持するような走り方もありますし、(c)のようなスピードを落としてパイロンに接近し小さく回るという走り方もあります。三つのラインは単純なオフセットの場合、その人にとってベストな走り方というものはありますが、熟達してしまえばタイムの差は意外とつかないものです。 大回りをするということも許されますが、これはタイムロスになりますので、除外しましょう。また、このようなオフセットでは、パイロンとパイロンの間に直線ができますので、そこで態勢を立て直すということも可能です。
二本差しオフセットになると、コーナーの入口と出口が決まってしまうので、ラインの自由度は小さくなります。他方で旋回半径は大きくなるのでコーナーの種類としては緩いコーナーとなります。ただし最小回転半径よりも大きいRですから、何らかの理由で失速してしまうと苦しくなります。上図のような浅いコーナーの場合はそういうリスクはほとんどありません。
で、自由度は小さくなるのですが、それでも実際には1本目のパイロン③に近いところで向き変えする(b)のラインや、2本目のパイロン④に近いところで向き替えをする(c)のラインも可能です。(b)の狙いは加速の開始のポイントを早くすること、(c)の狙いはブレーキングポイントを遅らせて進入速度を高めることです。
ただ、このような二本差しオフセットの旋回角度は90度から120度位で難度は低いものです。
3日のコースはこのような二本差しオフセットで角度が深いものの組み合わせになっています。基本は180度以上の旋回角度があります。
こうなると、セクションの中に直線がなくなります。バンクさせて旋回する、切り返す、旋回し出口のアングルを定め脱出するという動きをパイロンから離れることなくスムーズに行う必要があります。パイロンに合わせてラインを正確にトレースするということです。そのためには先行するパイロンの位置を考えてアプローチを決めなければなりません。実際には4,5本先のパイロンから逆算していくことになります。
この図は5本目のパイロンの位置によってラインがどのように変わるかを示しています。5本目のパイロンが(a)の位置にあると、4本目のパイロンを脱出するときにその方向を向いていなければならないわけで、そのためには4本目のパイロンの裏に回ることを目指します。その分、3本目と4本目を深く回り込むことになり、それがやり易いように2本目の回り方を決めるわけです。
もしも5本目が(b)の位置にあると4本目の脱出のアングルが変わるので3本目と4本目のコーナーも、もっと浅く回ることができるようになります。
(c)の場合は、4本目のパイロンは事実上無視できるようになります。3本目を回るときに若干ラインを脹らませれば5本目に対してまっすぐ進むことができます。
これらのパイロンの配置は様々な組み合わせがあり、一つ一つのコーナーごとに先々のラインを考え、2本差しの組み合わせの2本目の脱出アングルを決めていくのです。さらに、スピードを追求すると、単にスムーズにラインをつなぐだけでなく、走り方を変えていくという技術もあります。
仮に4本目のパイロンの位置がこのように変わったとすると、さっきのスムーズなラインで考えると黒実線(a)のようなラインになります。これでも良いのですが、3本目と4本目に対してラインが深くなり大回りになることに不満があります。
そこでその部分の旋回を浅くして、距離を短縮し、4本目のパイロンに向かってブレーキをかけながら寄って行き、最後に強めにリアブレーキを使ってリアタイヤのスピードを落とし、その分フロントを振り出して小さく回ります。この(b)のラインは4本目と5本目の間に直線を作り易くなるというメリットもあります。ただしこのラインから4本目の脱出で膨らんでしまうと台無しになってしまうので、注意してください。
冒頭の3日のレイアウトで言うと、このように回った方がよいコーナーは1番、3番、6番のパイロンです。11番も同様にしても良いのですが、6番と比べると次のパイロンへの距離が長いので脹らんでもそんなに違いは出ません。他は16番までスムーズにつないでいくとよいでしょう。
新コースの図の右側のセクションは二本差しオフセットパイロンを複雑に組み合わせたものになっています。
二本差しオフセットの面白さとはどういうことなのかを説明します。
通常の一本立てのオフセットパイロンの場合は、余程きついセクションでない限りラインの選択には自由度があります。(a)は一般的なパイロンを回り終わってパイロンの裏に付けるラインです。ライダーの好みやその時の状況によって(b)のようにコーナーの頂点でパイロンに最も近づくようなラインで旋回速度を維持するような走り方もありますし、(c)のようなスピードを落としてパイロンに接近し小さく回るという走り方もあります。三つのラインは単純なオフセットの場合、その人にとってベストな走り方というものはありますが、熟達してしまえばタイムの差は意外とつかないものです。 大回りをするということも許されますが、これはタイムロスになりますので、除外しましょう。また、このようなオフセットでは、パイロンとパイロンの間に直線ができますので、そこで態勢を立て直すということも可能です。
二本差しオフセットになると、コーナーの入口と出口が決まってしまうので、ラインの自由度は小さくなります。他方で旋回半径は大きくなるのでコーナーの種類としては緩いコーナーとなります。ただし最小回転半径よりも大きいRですから、何らかの理由で失速してしまうと苦しくなります。上図のような浅いコーナーの場合はそういうリスクはほとんどありません。
で、自由度は小さくなるのですが、それでも実際には1本目のパイロン③に近いところで向き変えする(b)のラインや、2本目のパイロン④に近いところで向き替えをする(c)のラインも可能です。(b)の狙いは加速の開始のポイントを早くすること、(c)の狙いはブレーキングポイントを遅らせて進入速度を高めることです。
ただ、このような二本差しオフセットの旋回角度は90度から120度位で難度は低いものです。
3日のコースはこのような二本差しオフセットで角度が深いものの組み合わせになっています。基本は180度以上の旋回角度があります。
こうなると、セクションの中に直線がなくなります。バンクさせて旋回する、切り返す、旋回し出口のアングルを定め脱出するという動きをパイロンから離れることなくスムーズに行う必要があります。パイロンに合わせてラインを正確にトレースするということです。そのためには先行するパイロンの位置を考えてアプローチを決めなければなりません。実際には4,5本先のパイロンから逆算していくことになります。
この図は5本目のパイロンの位置によってラインがどのように変わるかを示しています。5本目のパイロンが(a)の位置にあると、4本目のパイロンを脱出するときにその方向を向いていなければならないわけで、そのためには4本目のパイロンの裏に回ることを目指します。その分、3本目と4本目を深く回り込むことになり、それがやり易いように2本目の回り方を決めるわけです。
もしも5本目が(b)の位置にあると4本目の脱出のアングルが変わるので3本目と4本目のコーナーも、もっと浅く回ることができるようになります。
(c)の場合は、4本目のパイロンは事実上無視できるようになります。3本目を回るときに若干ラインを脹らませれば5本目に対してまっすぐ進むことができます。
これらのパイロンの配置は様々な組み合わせがあり、一つ一つのコーナーごとに先々のラインを考え、2本差しの組み合わせの2本目の脱出アングルを決めていくのです。さらに、スピードを追求すると、単にスムーズにラインをつなぐだけでなく、走り方を変えていくという技術もあります。
仮に4本目のパイロンの位置がこのように変わったとすると、さっきのスムーズなラインで考えると黒実線(a)のようなラインになります。これでも良いのですが、3本目と4本目に対してラインが深くなり大回りになることに不満があります。
そこでその部分の旋回を浅くして、距離を短縮し、4本目のパイロンに向かってブレーキをかけながら寄って行き、最後に強めにリアブレーキを使ってリアタイヤのスピードを落とし、その分フロントを振り出して小さく回ります。この(b)のラインは4本目と5本目の間に直線を作り易くなるというメリットもあります。ただしこのラインから4本目の脱出で膨らんでしまうと台無しになってしまうので、注意してください。
冒頭の3日のレイアウトで言うと、このように回った方がよいコーナーは1番、3番、6番のパイロンです。11番も同様にしても良いのですが、6番と比べると次のパイロンへの距離が長いので脹らんでもそんなに違いは出ません。他は16番までスムーズにつないでいくとよいでしょう。
バンク角,ハンドルの切り足し,腰のひねりの不足,進入ラインがパイロンに近すぎるなどが原因として考えられます。
明日はこの辺を中心に頑張ります。
天気は何とか持ちそうなので明日は楽しみです。
ではお休みなさい。
私の場合はリアブレーキを強めに使うこととハンドルを意識的に切り増しすることの二点がポイントでした。
では、次回もよろしくお願いします。
この一年間はバイブルのように読ませていただいていました。ありがとうございました。
最近、さぼってましたがまた初級に戻って参考にさせていただいています。まだいろいろ理解できてないところがありますが長くなるのでまたの機会にお願いします。
上級コースの方と一緒の日になったときはお声掛けさせていただくかもわかりませんが何卒よろしくお願いします。
私は、だいたい上級先頭グループにいるでっかいおっさんですからすぐにわかりますよ。お気軽に声をかけてください。
楽しみにしております♪
よろしくお願いしますm(__)m
上級の方の走りを見て「さすが上級は違うなあ」と、思いましたがこういう研究に裏付けされたものなのですね。よく「感覚で走ってる」と注意される身としてはこれほど参考になるものはございません!もしお見かけすることがあれば(めがねをかけていらっしゃいますか?)是非お声掛けさせていただきたいと思います。
コメントありがとうございます。
私はメガネをかけているでっかいおっさんです。上級の先頭付近におります。私は確かに上級でも最も理屈っぽく走っていると思いますが、一般的ではありません(笑)
まあ、お気づきになりましたらお気軽にお声がけください。