逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

解散前の卒業旅行?

2015年08月05日 | 政治
『あれほど強行していたのに・・・』9月9日まで辺野古の埋め立ての1ヶ月間の中止を宣言

6月23日全戦没者追悼式『沖縄の慰霊の日』の平和宣言で、翁長雄志知事は米軍基地の辺野古への移設作業の中止を求めるが、政府は粛々と進めると完全無視を決め込んでいた。
政府は沖縄県側の立ち入り検査さえ頑強に拒んでいたのである。
ところが君子豹変。8月4日午前、閣議後の記者会見で菅官房長官が、唐突に8月10日から1ヶ月間、辺野古新基地 建設の工事を一時中断すると発表した。(現在ボーリング調査を実施しており、9月にも本体工事に着手する既定方針だった)
地元の琉球新報などは号外を出して報道する。
今回の首相官邸の決断に対して、沖縄県側も埋め立て承認取り消し措置の中断を発表している。
(今回唐突に1ヶ月間中止を発表した菅官房長官ですが、2013年の辺野古沖埋め立ての承認手続きを県の第三者委員会が出した『法的瑕疵がある』との報告書を受けて翁長知事が8月内の『承認取り消し』を、記者会見で指摘していた)
本土の全国紙とは大きく違い沖縄の地元紙は、海上保安庁などの過剰警備(基地反対派市民に対する暴力)を連日詳しく報道していたが、突然風向きが変わり安倍晋三政府のイメージチェンジを行った模様である。
たぶん『選挙が近い』との観測で閣僚や自民党全体が浮き足立った(今までの強攻策に怖気づいた)のであろう。
60日ルールにより参議院の審議如何にかかわらず衆議院での強行採決で安倍晋三の『なんちゃって平和法案』が成立する日付が9月14日。その直後の抜き打ち衆議院解散・総選挙のスケジュールが考えられる。
(戦争でも選挙でも同じで、相手がまったく予想していない『不意打ち』のほうが勝つチャンスが生まれ有利になる)

『改造前の卒業旅行か 安保法案審議中に大臣ら「海外出張14件」 日刊ゲンダイ』

『現時点で8月中に14件の政務三役の海外出張が予定されています。国会開会中、しかも安倍政権が命運をかける安保法案の審議中なのにですよ』
野党からこんなブーイングが上がっている。
通常、8月は国会閉会中のため、衆参議員が委員会単位などでこぞって海外視察へ出かけるが、今年は会期延長のため行けない。
だが、政務三役は別らしい。
民主党政権時代の2012年、「消費税国会」で9月まで会期延長されたが、「野党だった自民党が難クセをつけ、政務三役は国会開会中は海外出張になかなか行かせてもらえなかった」(民主党関係者)という。政権が戻ったら、平気で海外なんて、虫がよすぎるというわけだ。
「現在、各省が大臣の海外出張の了承を得るため、国対や国会の関係する委員会を回って、行き先や内容について説明しているところです。『本当に必要なのか』『国会審議より大事なのか』など、厳しく問いただされています」(霞が関関係者)
外務省は仕方ない面もあるだろうが、確かに「なぜ今?」という出張もある。
例えば、石破大臣のオーストリア。チロル地方の風光明媚な小さな村で開かれる学生向けのフォーラムに出席、その機会を利用して大統領など要人と意見交換するのだとか。副大臣や政務官は、休みやすいからかお盆の時期の出張が目立つ。
「9月に自民党総裁選があるので、たとえ安倍さんが再選されたとしても内閣改造です。いまの政務三役もほとんどが交代。だから、『卒業旅行気分なんでしょう』なんて揶揄されていますよ」(民主党関係者)
もっとも、国会日程によっては出張断念もある。10日に、参院の予算委員会で新国立競技場についての集中審議が決まったため、太田国交相のフィリピン出張は延期せざるを得ない状況だ。
2015年8月4日日刊ゲンダイ

『終りが近づき里心がついた?安倍晋三(現職首相の度重なるお国入りの不思議)』

7月26日に山口県入りした安倍晋三首相ですが、1週間後の8月2日にも郷里の山口県に里帰りしている。(前回のお国入り1年前の8月だった。1ヵ月後の9月にも山口県への帰郷が予定に入っている)
誰でも秋風が吹き『終り』が近づくと、人情として里心がつき、懐かしい自分の郷里に帰りたくなる。
このために首相のお国入りは『政権末期』、『解散が近い』と周囲に思われるので縁起が悪い。(衆議院議員にとって、首相の『お国入り』は大問題なのである)
今までの第二次安倍内閣以前の、日本国の総理大臣がお国入りするのは任期中に1回限りとの不文律が有ったが、2012年12月に首相に返り咲いた安倍晋三だけは例外で、『お国入り』を半年毎に頻繁に繰り返していた。
異例な現職首相の頻繁な『お国入り』の目的ですが、自分が無理やりごり押しした『山口県の村おこし』のためのNHK大河ドラマ『花燃ゆ』が余りにも不振で、仕方なく番組宣伝で帰郷を繰り返していたと揶揄されていたが、それにしても今回のように日本国の首相が二週連続で帰郷するのはやりすぎである。
突然の辺野古の8月10日からの工事中止発表によるイメージチェンジや閣僚の国会会期中の卒業旅行と合わせて考えれば、『首相のお国入りは解散の前兆』との今までの政界のジンクスが、今回も矢張り生きている可能性が高いのである

『ガダル・カナル島に似ているNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の惨敗』

第二次世界大戦での日本軍が最大に膨張して10000キロ近くも離れた遠いガダル・カナル島に飛行場を建設してオーストラリアとアメリカを真っ二つに分断するとの気宇壮大な計画だった。
ところが苦心して物資を運び飛行場が出来た途端にアメリカ軍の海兵隊が島を占領し、奪還しようとした日本軍との間で壮絶な死闘を繰り返した。
このとき日本軍は悪名高い逐次投入をおこない完敗するが、連合艦隊が壊滅的損害を出した海軍のミッドウエー海戦とともに陸軍のガダルカナル争奪戦が戦局の一大転換点だった。
真珠湾奇襲攻撃から始まった第二次世界大戦ですが、ガダルカナルまでは日本軍は『向かうところ敵なし』状態で連戦連勝を続けていたので、多くの善良な一般市民は暢気に大喜びしていた。
日本人は『戦争反対』どころか、愚かにも拍手喝采していたのである。
しかし、そもそもガダルカナルは日本から遠すぎて補給出来なかったので勝利は最初から無理だった。
一番初めの出発点で『半年しか継戦能力が無い』と山本五十六元帥が指摘していたように、日本の大失敗は最初から予定されていた。
開戦から8ヵ月後のガダルカナルは『時間切れ』で、最初からアウトなのある。
敗戦から70年。最後の『禁じ手』のアベノミクスに浮かれて自民党や安倍内閣を支持した愚か過ぎる今の日本人と何から何まで失敗のパターンがそっくり同じなのですから呆れるやら腹がたつやら。
第二次安倍内閣の晋三君が、NHK大河ドラマを利用した山口県の『村おこし』ですが、兵庫県知事から『画面が汚い』とのクレームが付いた『平清盛』の史上最低の視聴率よりも低い、超低空飛行を続けている。
そもそも安倍首相が敬愛しているらしい吉田松陰は本物のテロリストであり、まともに歴史を描いたら誰も日本人が見なくなる。
それで『幕末男子の育て方』なる軽薄なおふざけキャッチコピーで誤魔化そうとしたが、日本軍の能力を超えた無理筋のガダル・カナル島と同じで、自分勝手な無謀な計画には最初から無理があったので大失敗は少しも不思議ではない。
NHK大河ドラマでは、通常は一番最初の仕事はドラマの主人公を決定することだが、『花燃ゆ』は安倍晋三の地盤である山口県の村おこしが目的なので『場所』だけが決まっていた。(メディアが報じるだけでは無く、なんと担当の女性脚本家自身が証言していた)
ドラマの主人公の吉田松陰の妹(文)は資料なし原作なし活動歴もなしの無い無い尽くし。仕方なく異例の二人の女性脚本家で出発した『花燃ゆ』は視聴率が低すぎるので、てこ入れに放送から半年後に籾井NHKが3人目の女性脚本家を投入するが、丸っきりガダル・カナルでの戦力の逐次投入の大失敗の二番煎じである。

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4 コメント

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今日の記事にというわけではなく (パンダ)
2015-08-05 21:21:56
コメントを・・って言われたけど、難しいです。およそコメントは賛同か批判か異論・疑問の提出であり、資料として読ませていただくのがほとんどの私には異論をはさむ知識はないからひたすら『吸収』のみです。ごく偶に「あれ?」と思う時がありますが、その時は遠慮なく書かせていただきます。
それにしても精密さといい論理性といい、「聞き応え」のある記事に感服しています。
コメントが付かないのは@コメントが付く余地がないほどまとまっている@と思って間違いなかろうと思います。今後も愛読させていただきます。どうぞよろしく。
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晋三教祖と信者達 (天野)
2015-08-06 00:33:54
安保改正法案で自民党安倍政権の支持率低下が止まらないようです。
世界情勢の変化に対応する安全保障の考え方を、様々な例え話にして国民に分かりやすく説明しました。と、自民党安倍政権は言いたいのでしょう。
しかしなかなか国民には分かってもらえない。当然でしょう。一連の例え話はその話自体が余りにバカバカしいもの。誰が聞いても、安倍晋三は馬鹿なのか?と思えるもの。或いは、これらの例え話で国民が納得すると思うなら、国民を馬鹿にした話。
支持率低下を止めたいなら提出した法案を廃止する事と、誰もが分かっているでしょう。与野党を問わずに政治家なら。多くの日本人なら。外国人でさえ、アメリカ大統領でさえも。
しかし、アメリカの上下両院の議会で演説までして約束した手前、この法案は絶対通すでしょう。
政治家一族という恵まれた環境なら、普通に東大へ行けるのに、悪くても其なりの大学へ行けるのに。といったコンプレックスがあると考えると、この阿呆らしい法案を何がなんでも通そうとする心理が理解出来ます。この法案成立でやっと政治家一族の中で名を上げられる。『ボクチャンもおんなじさ!』と。それがコンプレックスの払拭解消に。そしてそのツケは国民に。金はアメリカに。
安倍晋三教祖と議員信者を今流行りの例え話にすると。
《座禅姿でピョンピョン跳んで、「これこそ修行の成果、空中浮遊だ!」と言い張る麻原の言を真に受けて、それに感銘する高学歴のオウム真理教信者達》山本一太=青山弁護士の役所、みたいな。
支持率低下阻止に次の一手として(辺野古の埋め立て無期限延期)とか言い出しそうです。明日からも無期限の内ですし。
安倍晋三と小泉一家を語ると切りがありません。長々と失礼しました。
※コイツのせいで卒旅のイタリアが台湾になったとか…聞いた事があります。
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二重否定の共産党志位委員長の口癖 (宗純)
2015-08-07 15:02:59
パンダさん、コメント有難う御座います。

普通の政治家は簡単な話を難しく、難しい話ならもっと難しくして話すのですが、これでは誰にも分からない。
いまでも一般大衆の期待が高い、小泉純一郎とか橋下徹ですが、この二人は逆で、とんでもない難しい、答えが簡単には出せない種類の話を、無茶苦茶単純化して『・・・である』と断定する。
この二人ですが、改革者と勘違いしたお人好しのB層市民から圧倒的な支持を得たのもむべなるかな。
詐欺師の二人と反対なのが志位和夫で、『・・・だ』と断定するべきところを二重否定でを連発する。確かに否定を否定は肯定になるが、評論家とが学者なら許されても、これでは政治家としては失格である。
なんとかして『怖い共産党』とのイメージを払拭したかったのでしょうが、・・・
これでは人気が出るはずが無い。
この志位委員長に似た話が昔の『逝きし世の面影ブログ』の記事で、今の記事では『・・・である』が比較的良く出てくるが、以前は少なかった。
昔は『・・・ではないでしょうか』とか『・・・であるかも知れない』と語尾を濁したり最後の判断を読者に丸投げしていたのですよ。
語尾を断定形を避けるのは理由があって、内容が今までの常識に挑戦する過激なので、少しでもハードな印象を弱めようと、ソフトに見えるように努力していたのですが、・・・
コメント数が減ったのは矢張り問題で、自分が書いた記事が正しく伝わってるかがさっぱり分からない。
それでツイッターなどを時々覗くのですが、時々は話の趣旨が逆に伝わったり、一番問題と思っている部分が抜けていたり。人は自分自身の欠点はなかなか分からないのものなのです。些細なことで結構ですから小まめに感想をお聞かせ下さい。

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空気感染するアルツハイマーの恐怖 (宗純)
2015-08-07 15:33:01
天野さん、コメント有難うございます。

今回の『安倍なんちゃって平和法案』にしても少し前の『特定秘密保護法』にしても同じで、低脳の安倍晋三が一人で暴走している風に見えるが、実は自民党や公明党など与党全体で暴走しているし、
しかももっと不思議なのは、そもそもの出発点は日本国内では無くてアメリカ(オバマ政権)なのですよ。
何が秘密だかが秘密の特定秘密保護法でも、なんちゃって平和法案でも同じで、実は一番の問題点は法律の運用が出来ないところなのです。法律の適用範囲が一切不明なのですよ。
これでは自衛隊は戦争をしたくても出来ません。
軍隊とそれ以外の警察などの違いですが、軍が人を殺しても一切責任が生じない点なのですよ。今も法令のままでは、危険な状態になって発砲して相手が死ねば自衛官が殺人罪で訴追されてしまうのですよ。だから撃てない。
南スーダンに派遣されていた国連部隊ですが、韓国軍の弾薬が足りなくなって自衛隊がトラック一台分も融通した事件があったが、自衛隊とは大違いで韓国軍はバンバン撃ちまくるので弾が足りなくなった。
装備や見かけは同じでも日本の自衛隊員は撃たない(撃てない)ので丸々弾丸が余る。
もしも、誰かに当たったら困るので今の法令では撃ちたくても撃てないのです。

今回ですが低脳の安倍晋三の無茶苦茶を自民党全員で支えているのですから、これは空気伝染するアルツハイマーだとの話しになりますが、町村副総裁は弁護士資格があるし、立憲主義を知らない補佐官は東大法学部卒。
存立危機事態とか、安全保障環境の変化とか、嘘八百の口実に見えるが、実は本当であり、日本はフクシマの放射能被害で、土壇場まで追い込まれていると見たほうが辻褄が合います。
これから地球の反対側で自衛隊がアメリカ軍を助けるはなしでは無くて、
今の日本で真実を知って怒り狂う大勢の一般市民を自衛隊を使って押さえ込むとの切実な緊急を要する話なのです。
今回の話では、一番の問題点はトンデモナク慌てていることなのですよ。たぶん今の日本ですが、もう時間が無いのです。
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