逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

「臨界」の残像

2019年09月30日 | 政治
 
JCO臨界事故について語る前川和彦医師=川崎市麻生区で2019年9月10日、梅村直承撮影

日本の原子力産業で、初めて被ばくによる死者が出たのが、1999年に起こったJCO臨界事故だった。この20年の間に、福島第1原発事故も発生。二つの原子力災害から浮かび上がる課題を追った。
「バシッ」。99年9月30日、核燃料を加工していた「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所(茨城県東海村)で異音とともに青い閃光(せんこう)が放たれた。その瞬間、放射性物質のウラン溶液を扱う作業中だった社員の大内久さんと篠原理人(まさと)さんの体を、強烈な放射線が通過した。
核分裂が連鎖的に続く「臨界」状態が生じ、放射線を遮るものがない「裸の原子炉」ができあがっていた。
被爆した大内さんらを治療したのが、東京大病院で救急部・集中治療部長を務めていた前川和彦さん(78)だった。

急性の大量被曝で大内さんの体は新たな細胞を作れなく無くなった。日焼けしたような肌は徐々に皮がむけて水ぶくれの様になって行った。『やけどの専門家の私でさえ驚くような変化で、治療は海図の無い航路だった』。大内さんは12月に当時35歳で、篠原さんは翌年4月に同40歳で亡くなった。

臨界事故前、『被ばく医療』の言葉は安全神話の中でタブーだった。95年の阪神大震災を機に原子力災害が議論された時も『緊急時医療』と呼ばれた。事故を受け政府は99年、原子力対策特別処置法を制定、急性被曝患者を受け入れる医療機関を、原発周辺地域に指定している。急性被曝を念頭に、こうした医療機関のスタッフや自治体、消防の職員らが、公益財団法人「原子力安全研究会」の講習などを定期的に参加。事故に備えた。
ところが、2011年の東京電力福島第一原発事故では放射性物質が広範囲に飛散。これらの医療機関も避難指示区域に含まれ、機能を果たせなくなった。避難区域外でも除染設備が無いため、住民の診療を断った災害対応の病院があった。
(以下省略)

「臨界」の残像―JCO事故20年―

茨城県東海村のJCO臨界事故から20年。2人の死者を出した教訓は生かされているのか。課題を追う

  • 「臨界」の残像
     

    /下 長期避難、なお課題 教訓、十分指針に生きず

     1999年9月30日午前10時35分ごろ、茨城県東海村で臨界事故が起きた。「情報が乏しく、どうしていいか分からなかった」。村の市街地で旅館を営む坂場誠さん(5…(2019年09月27日 02:57)

  • 「臨界」の残像
     

    /中 教育不足、今なお 無知・手順省略、事故要因に

     「放射線から身を守る方法を教えてもらっておらず、その怖さを理解しきれていなかった」 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)で下請け作業をし、東京電力福島第1原発(福…(2019年09月26日 16:54)

  • 「臨界」の残像
     

    /中 怖さ届かぬ現場指導 「遮蔽服着ず、こっそり」

     「放射線から正しく身を守る方法を教えてもらっておらず、その怖さを理解しきれていなかった」 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)で下請け作業をし、東京電力福島第1原…(2019年09月26日 03:00)

  • 「臨界」の残像
     

    /上 進まぬ「被ばく医療」 当時の医師、人材不足に危機感

     「バシッ」。1999年9月30日、核燃料を加工していた「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所(茨城県東海村)で異音とともに青い閃光(せんこう)が放たれた。…(2019年09月25日 02:58)

  • 「臨界」の残像
     

    (下)「そんなにやばいことが」情報なく 住民避難 福島事故でも浮かぶ課題

     1999年9月30日午前10時35分ごろ、茨城県東海村で臨界事故が起きた。「情報が乏しく、どうしていいか分からなかった」。原子力関連施設が並ぶ海沿いから内陸へ…(2019年09月23日 14:00)

  • 「臨界」の残像
     

    (中)変わらない原子力の現場 元作業員「放射線の怖さ 教えてもらえなかった」

     「放射線から正しく身を守る方法について、誰かに教えてもらったことはなかった。現場ではそれが普通のことで、その怖さを理解しきれていなかった」 九州電力玄海原発(…(2019年09月22日 14:00)

  • 「臨界」の残像
     

    (上)タブーだった被ばく医療 当時の医師「人命軽視だった」 教訓生かされたか

     日本の原子力産業で、初めて被ばくによる死者が出たのが、1999年に起こったJCO臨界事故だった。この20年の間に、福島第1原発事故も発生。二つの原子力災害から…(2019年09月21日 14:19)

 ★注、
毎日新聞の不定期連載記事「臨界」の残像 ですが、有料記事に指定されているので毎日新聞読者でもWeb記事が読めない仕組みになっているのですが、実は全文を詳しく読んでも意味がよくわからないのである。
20年前の1999年9月30日「バシッ」と異音とともに青い閃光が放たれ、その瞬間、核分裂が連鎖的に続く「臨界」状態が生じた。
数キロのウラン溶液を金属製バケツで加工していたジェー・シー・オー(JCO)社員2名が致死量を大きく超える急性被曝で、大内久さんは3か月後に、篠原理人さんは7カ月後に死亡している。他の毒物とは大きく違い放射能は目の前の臨界事故で致死量を浴びても『すぐに死なない』と言いたいのだろうか。それとも数キロのウラン原料があれば臨界する事実を言いたいのだろうか。(フクシマの核事故でメルトダウンしたウラン燃料が100トンも地下に溶け落ちたまま放置している)
そもそも毎日新聞紙面はWeb記事のタイトル)
「臨界」の残像ーJCO事故から20年ーではなくて、単に『「臨界」の残像』になっている。(なぜか、『-JCO事故から20年ー』の部分が「見出し」から抜けている)
20年前のジェー・シー・オー(JCO)社員2名が死亡した東海村臨界事故では1ミリシーベルト以上の放射線汚染地域の全住民は一生涯の健康診断を保障されているのですが、東京電力の福島第一原発事故で政府は非常事態宣言で20ミリシーベルトにまで拡大して、現在も数百万人を放置したまま。

 
1945年8月10日ボツダム宣言受諾を隠し、翌11日下村宏情報局総裁『一億困苦を克服』、阿南惟幾陸相『全軍将兵に告ぐ』を掲載。それとなく日本の敗戦を報じる。(パニックにならないことだけを優先) 

 


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「地球温暖化」を叫ぶアスペ... | トップ | 「消費税5%」に方針転換し... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ローレライ)
2019-09-30 15:14:55
バケツで核実験するカミカゼ原発村!
返信する
臨界 (ちくわ)
2019-10-03 02:03:13
福島の地下で臨界が今も続いているとすれば
(というかほぼ確定的にしていますが)
確率はわかりませんが、いつ何が起こっておかしくない・・・
時限核爆弾が埋まっているようなモノ
小規模な爆発でも、東日本を壊滅的に汚染するくらいは可能でしょう
返信する
臨界 (物理学科卒業者)
2019-10-03 06:03:44
>>福島の地下で臨界が今も続いているとすれば
(というかほぼ確定的にしていますが)


稼働中の原発は臨界中。

臨界の意味をよく理解しなさい。
返信する
上から目線の腹立たしいi「東大話法」、典型的な悪しき見本 (宗純)
2019-10-03 14:13:14
それにしても、レベルが低いB層向けの工作員もどき。
まさに子供だましの珍論である。
これは『東大話法』ならぬ腹立たしい東大付属小中学校話法ですね。

>稼働中の原発は臨界中。

臨界の意味をよく理解しなさい。<

物理学科卒業者と名乗る、この、高学歴の大馬鹿者ですが、このHNが事実なら、阪大の菊池誠の様な原子力ムラの工作員もどき(お馬鹿なエアー御用学者)
2011年3月11日の東日本大震災の揺れで、即座に東京電力第一原発が、自動停止(安全に臨界が止まった)になり、今の核燃料デブリの冷却は、崩壊熱だけだという事実を誤魔化している姑息な悪党。
あるいは知らないのか。(知らないなら中学生から勉強をやり直す必要がある)

営業運転中の臨界熱は一定でも、崩壊熱は一定では無い。
原発の運転(臨界)が止まっても臨界熱の数%の崩壊熱を冷やさないと数時間でメルトダウンする。これが8年半前に現実に起きて環境に膨大な放射能をまき散らす。
しかし、崩壊熱は臨界が止まった後は幾何級数的に低下する。
それなら、原子炉に注入する冷却水の総量も、比例して減っていくはずが、なぜか最近まで1日当たり400トンもの膨大な量を注ぎ込み、同量の高濃度放射能汚染水を貯めこんでいた。
それなら、①今現在、フクシマの地下深くで臨界しているので冷やしているが、それとも、②臨界する危険性があると心配して冷やしているか。
あるいは③フクシマの現状が臨界を含めてて何一つ分からない。(良いのか悪いのか判断出来ないが)とりあえず8年半後の今も冷やし続けているのか。
何れが真実なのかは不明だが、何れが正しい真実であったとしても完全にアウトなのです。残念ながら日本は終わっている。

だから政府やマスコミ、有識者、共産党を含む野党など、全員が挙国一致で、汚染水と冷却水が同じだとの、決して隠せない真実を死に物狂いで必死になって隠している。



返信する

コメントを投稿

政治」カテゴリの最新記事