『隠蔽されたSPEEDIの放射能汚染物質の拡散予測図』
3ヶ月が経って段々と福島第一原発事故時の政府や東電など関係者の動きが明らかになりつつありますが、この国の上部エスタブリッシュメントの精神構造は長年の属国暮らしが祟って、根本が蝕まれ腐っています。
今度の原発事故の住民避難対応から明らかになった事実から、日本は残念ながら独立国でも民主国家でもないことが判明した。
原発から放射能汚染物質がどの方向に拡散するかを予測して日本国民を放射能汚染から守る為の文科省のSPEEDIの予測ですが、一部の上の者が情報を独占して仕舞い、そもそもの目的であった肝心の国民には『風評被害を引き起こす』との不真面目な理由で伏せられていたのです。
被害を被ったのは一般市民だった。
原発に隣接していた浪江町では大震災翌日の12日早朝、政府からの『10キロ圏外に退避』との方針で町民21000人に対して福島第一原発から北西へ29キロ以上離れている浪江町津島地区に避難するよう指示している。
この為に浪江町民8500~10000人が放射能汚染濃度が一番高い津島地域に3日間も留まることになったしまった。
10キロ圏外の南相馬市では『原発の被害は及ばない』として一切の防災計画もいざという時の備えも無く勿論訓練も無い。
原発事故後に浪江町など隣接する町からの避難民を当初受け入れたのは南相馬市で一番汚染濃度が高い(原発から北西方向)山側の小高地区だった。
これは有る意味では当然で、当時は大津波の影響で海岸部は壊滅状態なのですから、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報を知らされていないで避難する人々は、必ず放射能汚染がより高い山側に逃げることになってしまったのです。
『主権を持たない属国、倍加する階層社会の害毒』
3ヶ月後の6月になってからTVタックルで自民党の石原伸晃幹事長は、3月の原発事故発生直後の時点で、SPEEDIのデータについて『我々も知っていたけど、黙っていた』と恥ずかしげも無く発言している。
少しは恥を知れ。この大馬鹿者が。
政治家が職務上予め『危険性』を知っていて、その『危険情報』を一般市民に黙っていれば過失ではなく故意犯であり、その罪は桁違いに重いのである。
時事通信6月14日によれば、この石原伸晃自民党幹事長は政治家としての自分の考え方は、『「原発推進なのか、反対なのか。」という問いがあるが、簡単な話ではない』と賛否を曖昧にして答えない一方で、市民の反原発の動きについて『集団ヒステリー状態』と安全神話にどっぷりと首までつかった邪まな原発推進の方針だけは明解である。
毎日新聞6月10日付け特集記事『国の避難指示 被災地を翻弄』で、3月13日の欄には、なんと『福島県にSPEEDIのデーターがファックスで届く』と報じるが、これは地元福島の地方紙『福島民報』(2011/05/07) の情報と思われる。
地元の福島県当局は、放射性汚染物質が飯舘村など原発から北西方向に流れると予測したSPEEDIの『広報』を何故さぼったのか。
原発爆発後にSPEEDIの予想は知らされることはなく、逆に防災無線で北西に向かって逃げるよう誘導され、あえて汚染の酷い方向へ多数の住民が車で避難し、結果何時間も大渋滞して、わざわざ一番高濃度の放射性物質を不必要に浴びて仕舞ったのである。
政府や福島県の行為は、過失でも許される限度を超えているし、自民党の石原伸晃幹事長などが『パニックになる』として故意に隠蔽したのであれば犯罪性は際立っている。
また、NHKのETV特集『ネットワークで作る放射能汚染地図』(4/3放送)では、文科省は浪江町赤宇木地区(原発から北西31キロ)を計測しホットスポットの実態を掴んでいたが『風評被害を避けるため』として赤宇木地区に避難していた一般住民に隠していた。
これ等の避難民は政府の強制退避勧告で、避難場所より低濃度汚染地域の相馬町や二葉町の海岸部から、わざわざ放射性物質に高濃度に汚染されていた山間の赤宇木地区に逃げていたのですから救われない話である。
『責任者に責任感が無い日本の不幸』
石原伸晃幹事長の様な、地震列島の日本に危険な原発を造り続けた前与党、自民党幹部や福島県当局、文部科学省(政府)なと、無責任な悪党どもが日本の責任ある立場に今も座り続けている事実に唖然とするばかり。
彼等には、一般の多くの日本人の命と健康を守るのは『自分達の責任である。』との考え方が病的なほど欠如していて、指導的立場の者として持っていて当然であり義務でもある、それらの責任感が『まったく無い。』可能性さえある。
折角、放射能汚染を測定しても、そこに避難している何も知らない一般市民には知らされることは無かったのです。
数百億円もの膨大な国費を使って造られたSPEEDIのデーターは事故当時とうとう公開されること無く、極一部の限られた人数にだけ知らされていた。
放射能汚染から、自分の身を自分が守る為には絶対に必要な、SPEEDIの貴重な情報が上の一部の特権階級に独占されていたのです。
これでは限られた救命ボート数の為に、助かったのは僅かの上流階級の1等船客だけで、普通の一般船室の乗客はほとんどが助からなかった99年前(1912年)のタイタニック号の悲劇の再来である。
『ノブレス・オブリージュとは無縁の日本』
政府はSPEEDIのデータを非公開にする一方で、1~4号機まで全てが爆発した直後の3月15日正午から、国土交通省は原発から半径30キロ圏の飛行禁止を行ったのですが何と!!国交省は飛行高度に無関係な前代未聞の無制限全面禁止にする。
避難する人々に緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報を、わざと知らせ無かった文部科学省の非人道的かつ無責任極まる情報公開の態度から推察されることは、この世界に例が無い高度無制限の無茶苦茶なこの国交省の飛行禁止の目的が『航空機の安全運行』とは何の関係も無く、原発事故に対する国民の目を奪うこと(ジャーナリストの取材禁止)であったことが明らかである。
逆に、この国交省判断が『正しい』と仮定すればですが、
3月15日から現在に至るまで常時、原子炉の冷却に少しでも失敗すれば、日本の福島第一原発は9000メートルまで放射性汚染物質を吹き上げたチェルノブイリ級の大爆発を起こす危険性があると国交省が判断しているとの、とんでもない身の毛もよだつ『恐るべき破滅を予測』をしていた話に成ってしまう。
ですから、最初の予測の方の『全面飛行禁止にした』のは国民の目を奪う目的であり、『日本政府が救い様がないほど無責任で無能だったからだ』との判断の方が、我々一般の日本人にとっては結果が余程ましなのです。
『主権を持たない自治州か属国並の日本国』
Voice2011年6月12日(日)原発対処 日米協力の舞台裏
日本の政治家の中で一番質の悪い松下政経塾出身の民主党衆議院議員の長島昭久が、原発事故当時にアメリカの露骨な干渉があったことが、恥知らずにもアメリカの温情として喋るが、対米従属命の醜い姿が暴露されている。
『率直にいって、事故当初の数日間で日米関係は深刻な危機に直面していた。』として、『米側は拒否されたと受け止め、あの温和なルース(駐日米)大使も相当強い言葉で首相官邸にいろいろ言った』と、露骨な圧力を認めているのです。
『いずれにせよ、私は米側の懸念を適宜、枝野官房長官や仙谷官房副長官に伝えたが、必ずしも事態の改善はみられず、歯がゆい思いもしていた』と、明け透けに対米従属命の売国奴振りを発揮。
『米側からは米大使館公使をはじめ在日米軍やNRC、エネルギー省の幹部が参加・・・日米協議を中心に日常的な作業が進められることとなった』
『アメリカ側からルース大使、ウォルシュ太平洋艦隊司令官、ヤツコNRC委員長が出席・・・日本の官邸からホワイトハウスをつなぐ、日米の意思決定にとって非常に重要』と、まあ、日本の首相とはアメリカの州知事よりも格下の扱いで、首相官邸の決定が日本人専門家ではなくてもっと上部のアメリカ軍(GHQ?)から出ていたことを窺わす記述ですね。
『米太平洋軍を代表して初回から調整会議に出席していた空母ニミッツ機動艦隊のロウデン司令官・・・突然の命令でサンディエゴから派遣されることになった』など、米軍の指揮命令系統の下に首相官邸が組み入れられていたらしいのです。
よく言われる、有りのままを伝えるとパニックが起きるというやつですが、実際の事例を見ると、パニックを恐れて言わなかったせいで、余計に被害が拡大した例が多い。そもそも、正しい情報がなく、ばらばらに行動するのでパニックになるのですよ。
研究では、そのようなパニックになり、収拾がつかなくなることは起きない。むしろ、パニックを恐れるあまり隠蔽に走る方が問題と言われているのですが。
2003年韓国大邱市で起きた地下鉄火災では200人もの人が焼け死んだのですが、当時の車内を撮影した写真は実に衝撃的でした。
もうもうと地下鉄車内に煙が立ちこめている。
ところが人々は慌てる様子も無く騒ぐことも無く不思議なことに誰一人も逃げ出さなかったのです。
だから大勢が焼け死んだのですが、乗客はみんな気が付いていたらしいのですよ。
煙が充満しつつある車内に乗客が座席で押し黙って座っていたのです。
『なぜ逃げようとしないのだろうか』と冷静に判断すれば誰をも疑問に思いますが、『これは不味い』、とは気が付いているのだが他の誰もが騒がないから自分も黙って座っていたのですね。
これは『多数派同調バイアス』と『正常性バイアス』によって災害などの非日常の状況が発生したときの『無思考状態』なのか、
それとも急ぎすぎて、優先事項が混乱する緊急時非常呪縛なのか、冷静な日常では考えられない実に不思議な事が起きてしまうのですね。
過去に経験したことのない突発的な異常な出来事が起きた時、自分で考えず(考えを放棄して)周りの多数の人の行動に左右されてしまうのです。
どうして良いか分からない迷ったときは周囲の人の動きを探りながら同じ行動をとることが安全と考える『多数派同調バイアス』(集団同調性バイアス)に支配されてしまう。
『最初は、まさかこんな大変な火災が発生していたとは思わなかった』、『みんながじっとしているので自分もじっとしていた』のですが、
『その後、誰かが火事だと言ったので、慌ててガラスを割って逃げて助かった、ほかの人のことは分からない』とのことでした。このように集団の場合ほど『非常呪縛』に陥りやすく逃げ遅れる可能性が高い。
同じような例では少し前の北海道の特急列車がトンネルでの車両火災で丸焼けになっていますが幸いにも火のまわりが遅く全員が助かっている。
煙のたちこめる車内で30分も乗客は我慢していたが乗務員の誘導無しに自主的に線路に下りて歩いて脱出。
その後この特急列車は丸焼けになっていたのですから自主避難が行われていなかったら韓国の地下鉄火災と同じ大惨事になっていたところです。
今の政府の方針らしいこの『隠蔽してパニックにならないようにする』ですが、これは正に韓国の地下鉄の大惨事の原因だった『多数派同調バイアス』や『正常性バイアス』、『緊急時における非常呪縛』を意識的に作り出す不思議なやり方であり、大惨事を起き易くしているのですね。
何とも不思議なやりかたですが、無責任にも程があります。
バトル・ロワイアルを風刺小説として読むことが出来れば、確かに『名作中の名作』に思えるかもしれませんが・・・・あれは駄目でしょう。
アメリカンスプラッターコミックの世界ですね。
アメリカ人は首が落ちるとか腕が飛ぶとかの場面で笑うのですが、あの笑いは日本人的には良くわかりません。
私は子供が暴力を振るう段階で拒否反応を起こして生理的に受け付けません。
アドルフ・ヒットラーの我が闘争の中身も読み方によってはなかなかの『名作中の名作』で、『わが闘争』の第10章の主張など当ブログ記事で何回も指摘している記事と同じです。
大昔の86年も前の記述なのですが、これが驚くほどの『現実性』を持っています。
今のマスコミ論と同じで少しも間違っていないのですよ。
作る会の新しい歴史教科書なんかでも歴史に疎い子供達に学ばせるのは反対だが我々大人なら日本の右翼思想のイロハが良くわかり十分に勉強になりますよ。
日本の右翼ですかが平和憲法に反対しているくせに頭の中では完璧に影響されていて情けない有様です。
世界征服を企て当時の世界帝国アメリカに挑んだ威光の歴史を『民主主義』で判断しようとしているのですから如何使用も無い。今の憲法の範囲でしか判断出来ないことは、あの教科書を読めば良くわかります。