地震のような衝撃の後、電車の1両のみが別の場所へ移動してしまうという“SF的”な始まり。周囲に人家のない荒れ地での“サバイバル”。どちらも物語の要素としては、魅力的だ。
普通なら、朝の通勤電車に乗り合わせた人々は、素性を知ることもなく、目的地に着けば別れるのが常だ。しかし、このドラマの中ではそんな人々と、一つの目的に向かって、協力して生きて行かなければならない運命となる。
老若男女クセのある人も多い。
混乱した状況下では、人間は素が出るものだ。勝手なことを言う人、文句を言う人等など。
「こういうオジサン知ってる」とか「いるいるこんな子」と思いながら、見るのもドラマだから楽しい。
そんな中で、赤楚衛二さん演じる若い消防士がリーダー的な役割を持って集団をまとめていく。彼に好意を寄せる上白石萌歌さん演じる高校の体育教師が、サブ的なサポートをしていく。また、そこへ山田裕貴さん演じる美容師も絡んでいく。
最近目覚ましい活躍の山田さんがいるだけで、ドラマ全体ががしまるような感じがする。味のある俳優さんだ。
元々、縁もゆかりも無い個性的な数十人の集団をまとめるのは一筋縄では行かない。
それぞれの人々の背景にある諸事情も、少しずつ明かされていくのもこれからの見どころだ。
勝手な大人たちに愛想をつかした高校生カップルが集団を抜け出してしまった跡を追い、赤楚衛二さんが説得するシーンがクライマックスだった。
胸に響いた言葉。
「やれるだけやってみよう!」
ドラマを離れ、自分の人生にかけられた言葉のように感じられた。そうだ、まだまだ。頑張ってみよう。そんな気になった。
色んな意味で、誰の胸にも響いた言葉だったんじゃないだろうか?
これからの展開、サバイバル生活は一体どうなるんだろう?元の場所に戻れるのかどうなのか。
第2話への期待が膨らむばかりだ。