出演は杉咲花さん、藤原季節さん、森山未來さん他。杉咲花さん目当てで、見始めた。
内容はLGBTQに関わる人間関係が根底にある少し複雑な恋愛物語。
杉咲花さん(役名 前島皐月)の父親役は、青春ドラマで一時人気を博していた吉田栄作さんが出演していて懐かしかった。母親役は若村麻由美さん。
父親の浮気で両親は離婚。浮気の相手というのが、男性だったことで皐月も母親もなかなか理解することが出来ずに苦しんでいる。父親はその男性パートナーと同居している。
この状況も、現実に無くはないことだと思うが、驚きと共に興味をそそられる導入部のエピソードだった。
主人公の皐月は声優を夢見てルームシェアする友人と努力を続けるが、オーディションにいち早く受かったのは友人で活躍し始める。
皐月は、声優をあきらめてガーデンデザイナーの藤原季節さん演じる森下陸と出会い、仕事を通じて絆を深めていくのだが、ガーデンデザインのプロジェクトに参加した白石悠麿(森山未來)と陸が過去に深い関わりがあったことを知る。と、いった複雑な三角関係。
中心となる3人の物語が展開すると共に、それぞれの家族とのすんなり行かない関わり、様々な出来事により少しずつ関係性が変わっていく様子も丁寧に描かれていて、良い脚本だった。
皆、芸達者な俳優さんばかりなのだが、特に森山未來さんの存在感が際立っていた。身につけている服装も個性的で、人物像もとても魅力的だった。
皐月にふられる幼馴染み役の寛一郎さんも良かったし、皐月、陸を取り巻く家族の関係性もそれぞれに複雑で、毎回見ごたえがあり、面白かった。
最終回、何気なくスタッフのクレジットを眺めていると、「脚本 ねじめ彩木」とある。もしや、ねじめ正一さんの娘かな?と思って調べるとやはりそうだった。ということは、ねじめ正一さんの詩集にある、あの「あーちゃん」だろうか。
かつて、テレビでねじめ正一さんが自作の詩「あーちゃん」を朗読したのを見た。
あーちゃんは、ねじめさんの5歳になる娘さんだ。
詩の中では、あーちゃんはお母さんの真似をしてお化粧をしているうちに、どんどんお母さんになった気になって、お母さんのすることを始めるのだ。それが、面白おかしい。
テレビで一度、作者のねじめ正一さんが、「あーちゃん」を、汗をかきながら、早口でまくし立てるように読み上げる姿を見た。
「詩のボクシング」でだったろうか。ねじめ正一さんのその姿も、詩の内容も面白く、詩集を購入したのだった。
脚本家ねじめ彩木を最初「ねじめあやき」と読み、これは、「あーちゃん」本人に違いないと思ったのだが、「ねじめさえき」と読むのが正しいらしい。脚本家としてのペンネームなのだろうか。
ウィキペディアによると、ねじめ正一さんには女のお子さんは彼女だけらしいので、きっとあーちゃんじゃないなかなーと思っている。
「あーちゃん」の詩は、「かあさんになったあーちゃん」という絵本にもなっていることを知った。教科書にも掲載されたらしい。
「かあさんになったあーちゃん」は今、大人になって脚本家になったのだなー。