2ヶ月と17日目で遂に3万円を超えた!取り敢えず当初の目標を達成出来て、一安心。今年一年かけるつもりでいたけれど、意外と早かった。
その後も、ぽつぽつと少しずつ売れている。
つい先日も、何回目かの片付けに友人宅に集まった。その時に、温泉旅行をどこにしようかと話し合ったのだが、この日の片付けでも不用品が多数出てきた。それで、まだまだ温泉資金が増え続ける事を考えて、みんな欲が出てきた。高級な温泉宿に泊まろう!という事になって、目標額は3万円から倍の6万円になった。温泉は6万円達成までおあずけだ。
今回の片付けは、地下室だった。階段を降りて地下室は、様々なものに溢れていた。
友人のIさんが、果敢に片付けながら奥へ奥へと進み、瞬く間に整頓していく。片付けの達人である。
棚に無造作に置いてあったヨレヨレの薄汚れたバッグをIさんが手にとって、「あっ、これプ◯ダのバッグだよ」と言った。
ブランドに疎い私でも知っている、イタリアの有名ブランドだ。
「売れるかなぁ?」「売れるんじゃない?」等と話しながら、片付けを続けた。
今回の不用品を自宅に持ち帰った私は、早速出品の準備にとりかかった。
やはり目玉はあの有名ブランドバッグだ。
一般的にはいくらぐらいで販売されているのかリサーチすると、数十万から数万まで様々だ。とはいえ、手元にあるのはブランドの名がついていても、薄汚れたボロバッグ。どうせ誰も買わないだろうから、高めに値段を付けておいて、少しずつ値下げでもしようと考えた。値段をつけるなら…4,000円。それは罪だわーと、自分でツッコミを入れながら、結局、私としては少し攻めた値段3,800円に決めた。
いつもの様に撮影をして、バッグの説明を書いた。これは特に痛みの激しいバッグなので、タイトルに「ジャンク品」と念の為入れておいた。
全てを入力し終えて、スマホで「出品」のボタンを押した。すると、驚いた事に、ものの数秒もしないうちに売れたのである。文字通り、秒で売れた!
あまりにも驚いて、こんなボロバッグが即座に売れた事を、トレジャー計画のグループラインに「やっぱり高級ブランドバッグは“腐っても鯛”だね」と送った。
すると直ぐにIさんから反応があって、「ホント、腐っても鯛だ」と喜び合った。
しかし、こんなに容易に売れると知っていたならば、ああ、もっと高い値を付けたら良かったな等と、卑しい後悔もした。
それでも、手数料と送料を除いて、利益は2,500円ほどに上るのだから、めでたしめでたしと思っていた。
数日が過ぎて、購入者へ品物が到着したのだが、思わぬ事態が待ち受けていた。
購入者の方からコメントが入っていた。何だろうと思って確認してみると、何とあの高級ブランドバッグが偽物だったと言うのだ。返品するから住所と名前等を教えて欲しいとの事だった。
偽物か、そんな事1ミリも考えてなかったな。ブランドのロゴが付いていたから、そのまま鵜呑みにしたのだった。こんな事もあるのだなと、初めて知った。
元々の持ち主のTさんは、友人からもらったバッグだと言っていた。それは結局、本物じゃなかったからなんだと、Iさんとラインを通じて、納得し合ったのだった。
さて、偽物であった事実がわかり、私は頭の中で最もトラブルの無い方法を模索した。
返品してもらうと、必然的に送料がかかる。それをどっちが負担するかという事が発生する。
商品をアップする時に、ジャンク品と記載した。当初の認識では「真正品のジャンク品」という事になるから、偽物であった以上、知らなかったとはいえ、私側の落ち度になるだろう。すると、送料は私側の負担になるか…。しかし、偽物とわかった以上、あのボロバッグはゴミ同然、価値はゼロ。返品してもらっても、売ってはいけない物だし、売れない物だ。そう考えて、購入者の方には、返品はしなくて良いと伝え、偽物とは知らなかった事を伝え謝罪した。
結局取引はキャンセルされ、無かった事になった。有り難いことに、双方に何の損失も発生しなかった。送った時にかかった当初の送料についても、フリマアプリからの請求はなかった。
高級ブランド品には偽物が存在するという事は知ってはいた。知ってはいたのだが、ブランド物を身に着けず、ブランド物に疎いという事で、自分事として捉えていなかった。それが引き起こした出来事だった。始まりから慎重に扱うべきだったと反省した。
今では「腐っても鯛」等とヌカ喜びした自分が滑稽であるが、多分購入者の方も、当初はあのボロバッグをビンテージ品だと思って即買いしたのだろう。
ブランド品には、大抵洗浄や、修理の専門の部門等がある。それを請け負う業者もいる。本物ならどんなボロでもビンテージ品として洗浄、修理をして、高価な値段で取引も可能なのだろう。
購入者の方は偽物であることの根拠、エンブレムの見分け方を簡単に記載してくれていたので、ちょっとユーチューブなどでブランド物の真贋の見分け方というのを見てみた。確かに購入者の方の指摘通りのチェック方法が説明されていた。
それを知って私は、にわか鑑定士としてネット上に販売されている同じブランドの商品を抜き打ちでチェックしてみた。すると何と!数万円で売っているものの中に、偽物が見受けられたのである。おまけにフリマアプリでは、偽のエンブレムだけを1,000円ちょっとの値段で売ってたりするのだ。そこら辺の安いバッグにエンブレムを取り付けるだけで、はた目にはブランドバッグに見える。これは個人で“なんちゃってブランド”で愉しめば良いけれど、魔が差して悪用などすれば、犯罪行為だ。
いやはや、知れば知るほど、ブランド沼は深い、腐海…。
ルイヴィトンのバッグが好きなIさんにこの話をしたら、自分の持っているバッグが真正品かどうか、不安になって調べていた。結果はホンモノだった様で、ホッとしていた。
今回得た教訓は、やはり高価なブランド品は、然るべき業者さんに鑑定してもらうのが一番だと思った。そうする事で、無用のトラブルが防げるとつくづく思う。
購入者の方にはご迷惑をおかけしたけれど、私にとっては良い学びの機会だったと思っている。
いくつになっても、知らない事は多く、学ぶ事も多い。一生勉強だ。