画材は小学5年生から使っている24色の色鉛筆だが、ただでさえ50年以上使っているので、さらにチビてきた。よく使う色はもうチビチビ。
新しい色鉛筆買おうかなと思って、Ama○onをのぞいてみたら、手頃でとても安い色鉛筆があった。
買っちゃおうかなと思って、レビューを読んでみたら、ほぼ8割の人が
「鉛筆は良いが、付いてくるカバーがものすごく臭い」
「あまりにも臭いので、隣の部屋に置いておいたら、部屋がニオイで充満した」と言うようなことが書いてある。
いくら安くても、臭気が有害物質だったら嫌だなと思って、やめた。
色鉛筆は意外と高いものである事もわかり、もうしばらくは我慢しようと思った。
ブログの見出し画像に載せる絵で、写真を見ながら花の絵を描こうとしたのだが、花びらの色が色鉛筆の中に無い色で、様々な色を重ね塗りして結構苦労した。24色じゃ限界があるなと思い、やっぱり新しい色鉛筆が欲しくなった。
先日、会社の帰りにふと思い立って、近くの大型の文房具を扱う店に寄ってみた。
久しぶりの画材売り場にワクワクしながら色鉛筆のコーナーを見てみると、やはり高価だ。
様々なメーカーの物を見てみるが、60色で税込み13,200円もする。
欲しいけど、ちょっと手が出ない。
諦めて帰ろうとしたところ、少し離れた所にワゴンセールがあった。
ワゴンを見ると素通り出来ないたちである。
のぞいてみると、何と60色の色鉛筆が半額近い金額で売っていた。
税込み6,980円。安い!でも、高い買い物には変わり無い。だけどこんなチャンス、そうそう無いよな。買ってしまおうか、どうしようか。
私はしばらく逡巡しながら、画材売り場を、ウロウロした。別メーカーの色鉛筆の色の種類を確認してみた。
よく使う「肌色」…現在は「うすだいだい」と呼ばなければいけないのだった…が入っていない60色セットもあり、色々見て回ったところ、ワゴンの中の60色の色揃えが一番良い。
あと何年生きられるのかわからないけれど、退職後は絵を描こうと思っているのだから、7,000円の出費位いいじゃないの。
私の死後も家族の誰かが使うかも知れないし。孫がお絵かきに使うかもしれないじゃない?まだ、子供達は誰も結婚してないけど。まあ、そう、自分に言い聞かせて、レジへ向かった。
家に帰り、夫に見せた所、60色と言う色に魅せられたのか、「すごいねー」と言いながら、見とれている。その後も何度も眺め直していた。
私もうれしかった。
さすがに60色の色は壮観で美しく、眺めていても飽きることが無い。そして色を見ているだけで楽しい。
安く買えて良かったな。
そこで止めておけばよいものを…。
「同じ商品、Ama○onならいくらだったろう?」と、この時は今回のお買い物が、どれだけお得であったかを確認しようと思って調べたつもりだった。
調べてみると…えーっ!。
Ama○onでは、さらに1,000円安い税込み5,980円で売ってるじゃないのー。
あー1000円損したー。ざんね~ん。
教訓「買う前に、Ama○onチェックを必ずね。」
まあ、買ってしまったものは、仕方がない。
いざ使おうと思うと、何だかもったいなくて使えない。昭和生まれの貧乏性。
でも今日は、意を決して(大げさ)使ってみた。
ヴァン・ゴッホ色鉛筆の名にちなんで、ゴッホの自画像を模写してみた。
ゴッホの自画像は沢山の色が使われているので、色鉛筆を沢山使える!これは良いと思い使い始めてみたが、実際に使ったのは60色のうち10数本だった。
もっと使えよ、と自分に突っ込んだ。
子供の頃最初に好きになった画家は、ダリだった。
美術の教科書に載っていた、あの枝にひっ掛けられたフニャリとした時計や、写実的でありながら奇妙な世界感の絵が面白くて惹きつけられた。
ゴッホの絵も教科書に載っていたが、糸杉の絵は強烈なエネルギーを感じるが、不気味な絵に感じられ、好きでは無かった。
ゴッホの作品よりも、彼の波瀾に満ちた人生の方に、より興味を持った。
特に有名な、自分の耳を切って女性にプレゼントしたと言うエピソードは、強烈だ。
感性が鋭く、激しい気性の持ち主だったゴッホは、不遇のまま、結局麦畑で自らの命を絶ってしまう。
カーク・ダグラス主演の映画「炎の人ゴッホ」に描かれていた。
生涯自画像を多く描いた画家だが、今回私が模写した絵は、眼光鋭く睨みつけるような眼差し。絵を描く意欲の塊の様なエネルギーを感じる。
死後に作品が認められ、彼の作品「ひまわり」には莫大な価値がついたのは、日本人なら大方の人がご存知だと思う。
ゴッホ本人が現在の彼の作品の価値を知ったなら、何と言うだろう。
画家の作品の価値とは?どこで、誰が付けるのだろうか。
生前と死後のあまりの落差に本人ならずとも、複雑な思いが込み上げる。
すでにこの世にいない画家の名声が、彼が魂を込めて生み出した子供たち、すなわち作品によって高められていく。不遇であった今生が少しずつかすみ、有名な画家としてその名前は永遠に生き続けていく。
芸術の秋にちなみに、ちょっと浸ってみた。