※見出し画像は息子が写してくれた。自分が取った写真を載せようとしたが、息子の写真の方が美味しそうに写っていたので採用!
その一つがスコンだ。
娘が帰省すると、必ず作る娘の好物。
焼き上がったスコンの膨れ上がった層の割れ目を上下2つに分けて、たっぷりのブルーベリージャムと生クリームをかけて食べると、えもいわれぬ幸福を感じる。
その幸福の大部分は、娘と一緒に食べている喜びそのものだが。
このスコンのレシピは、私の頼りない記憶によると、確か「イギリスはおいしい」のエッセイがベストセラーとなった林望氏のレシピだ。
すっかりリンボー先生の世界にハマってしまった私は、その頃出版された本を追いかけるように買っていた。
改めて「イギリスはおいしい」を紐解いてみると、スコンのレシピは載っていたが、こっちの方ではない。
リンボー先生は当時ひっぱりダコだった。メディアに登場することも増え、ある時NHKに出演し自らスコン作りを実演したことがあった。その時のスコンレシピなのだ。
もしかしたら長い時間を経て、分量は私のアレンジが入っているかも知れないが、そのスコンが一番美味しい(と思っている)。
気になる方の為に分量を表示する。
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二人で1回に食べ切れる量として(中くらいの抜き型〈直径6cm〉で4個分位)
ボウル一つを用意して、下の材料を順番に入れていくと楽ちん。
小麦粉 100グラム
ベーキングパウダー小さじ1(5グラム)
砂糖 小さじ3
バター 20グラム
牛乳 65cc
強力粉(打ち粉として)適量
①小麦粉、ベーキングパウダー、砂糖をボウルに入れたらざっくり混ぜ、そこへ1センチ角に切ったバターを入れ、粉をまぶしながら手早くバターを潰して、サラサラの粉の状態になるようにする。
②そこへ牛乳を入れ、練らないようにザックリ混ぜる。この時、生地はベタベタの状態。
③強力粉を多めに広げた台に、ベタベタの生地の塊をドーンと粉の上に置き、その上からも強力粉を多めに振りかける。
④生地を少し平らにしながら二つ折りにする。二つ折りを3~4回位繰り返し、生地が扱いやすい状態になったら、好きな型で抜く。
⑤天板に生地をあまり隙間を開けないように並べ、生地のてっぺんに牛乳を刷毛で塗る。
⑥200度のオーブンで15分ほど焼いて出来上がり。
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リンボー先生の指南で一番わかりやすかったのは、多めの強力粉の打ち粉の上に生地をのせた後の作業。
確か「布団をたたむように、生地をたたんで」という表現が、今も忘れられない。
打ち粉というと、少量の粉を広げる感じだが、リンボー先生の打ち粉はドッサリだ。そのドッサリの粉が、ゆるい生地に馴染んで最後には、無くなっていく。
粉にまみれたスコンの生地は、ほんとに布団みたいだ。生地を“のす”というよりは、ふんわりたたむ事が美味しく出来るコツかも知れない。
この作業を英語でニード(knead)というらしい。
あと、抜いた型を並べる時も、出来るだけ寄せて並べて焼くのも、リンボー先生のこだわりだった。
それらを私は今も忠実に守って作っている。そうすることで、外はカリッと、中はシットリ焼き上がる気がする。
型抜きの際余った少量の生地は、小麦粉を振った型の内側に、押し込んで最後の型を抜くと無駄にならず、私はこれを味見用にしている。
いつも使っている抜き型。今回は真ん中の型を使った。
型が無かったら、好きな大きさに包丁で切って作るのも良し。
息子が帰って来た日に、少し多めに作ってみた。分量は表示した量の2倍で8個。
今回は薄力粉が足りなかったので、強力粉と混ぜて焼いたところ、いつもよりモチッとしたスコンとなった。
息子の好物ではないけれど、今回は美味しく食べてくれたようだ。
写真を取る時「ジャムの照りを入れたほうが美味しそうに写る」と工夫して写してくれた。
確かに、実物より美味しそうに写ったみたい。
主食にもおやつにもなり、作り方も簡単。何もつけなくても、ほんのり甘い小麦の滋味。美味しいですよー。