午後10時になって、「寝るからね」という夫の声で目覚めた。
眠っていたのは1時間かそこら。
それから起きて、テレビを見たり、ゲームをしたりして午前2時になったので、そろそろ寝ようかと思い、床についた。
こんな日は、先ほどのうたた寝が影響して全く眠れないのはわかっていた。
ほぼ寝付けないまま、布団の中で午前3時を迎えた。
最近になって、妙なことに気づいた。
午前3時過ぎに結構大きな音で2回ノックの音が聞こえるのである。
うたた寝をしたりして寝付けなかったり、ブログの絵を書いていて午前3時まで起きていることがよくあるので、気づいたのだ。私の知る限り、ほぼ毎回3時過ぎに聞こえるのだ。
最初は、新聞配達など早朝に仕事に出かける人を誰かが起こすために、部屋をノックしている音かと思った。けれどもそれにしては音が大きすぎる。未明のシンとした時間帯ではあるけれど、どこから聞こえてくるのか、とても大きな音なのだ。
今朝も寝付けぬまま時間を確認すると、午前3時10分だった。今日は音がしない日なのかな、と思っていたら3時16分にノックの音が2回聞こえた。
いつもは居間で聞いていたので場所が特定できなかったが、布団に入っていたので音はより大きくハッキリと聞こえた。それでわかったのだが、音源は間違いなく和室の天井の上からだ。ちょっとギョッとした。
我が家の天井の上は、上の階の人のルーフバルコニーなのだ。
この間、私だけ関東圏に旅行して帰宅後、コロナの心配から息子の部屋に寝た日があった。息子の部屋でもやはり午前3時過ぎにノックが聞こえたのだが、いつも居間で聞くよりも大きな音で聞こえたので驚いたが、ルーフバルコニーが音源だとすると納得がいく。
ノックの音のなる時間は午前3時10分前後が多いが一定していない。早くなることもあれば、遅くなることもある。
いつも寝ているこの和室で、過去に2度ほどちょっとした事があった。
あれは10年以上前の事になると思うが、その日は激しい雷雨だった。夫は出張で不在。息子も友達の家に泊まりに行っていたのか、いない日だった。
当時中学生だった娘と二人で布団を並べて寝ようとしていたのだが、激しい雷に娘は「怖い」を連発していた。
かつて雷がなると、光ったあとに友人が「1234」とカウントを始め、ドンと音がなるまでの時間を計っていた。それで、光と音の間が短いと雷が近いことを知ったので、その夜も結構雷が近づいていることは感じていた。
そう思っていたところ、ものすごい光がベランダで光るや、ドーンと建物に衝撃が走り、点いていた豆電球が「バチッ」という音とともに、消えて真っ暗になった。娘と「今、絶対雷が天井(ルーフバルコニー)に落ちたよね」と確認しあい、寝室の電気はスイッチを入れても点かなくなってしまったのだった。
この建物には避雷針があると聞いてたのだが、機能しなかったのだろうか。
後日、電気の修理の方が来たのだが、事情を説明すると「雷のせいで電気がつかなくなることはない」と言って、原因を否定した。電気のプロが違うというのだから、違うのだろうが納得がいかなかった。
ではあの衝撃と豆電球がショートしたのはなぜなのか…。結局、分からずじまいだった。
2つ目の出来事は、今からほぼ4年前のこと。
その日和室には私一人が寝ていた。
和室の真ん中に布団を引き、広々とした空間に満足しながら眠りについたのだった。
季節は8月下旬。ベランダの二枚戸を一枚にしていたが、戸は開けていなかったので、外気は入らない状態だった。
グッスリ眠っていたのだが、タオルケットからはみ出た左足に、ものすごい冷気を感じて目覚めた。夏なのに冷気というのも不思議だったし、私は一度眠ると、滅多に目覚めたりしないたちなのだが…。
目を開けると、いつも見ている天井までの空間がキラキラと光に満ちていた。その時の記憶では、まるで虹色に輝くシャボン玉の様な色合いで、それがプリズムのように空間一体を覆っているのだった。
見た瞬間「一体これは?」と思ったが、よく臨死体験の人たちが「光につつまれる」と聞くけれど、これかしらなどと思った。しかし、まさかこれが現実ではあるまいと思い、寝ぼけているのか、目の調子が悪いのかと、一度目をつぶり仕切り直して再度目を開けてみたが、状況は全く変わらなかった。
ベランダから外も見えるが、キラキラした空間に変わりはなく、時刻を確認すると午前3時過ぎだった。
「これは現実なのか?」としばらく空間をしげしげ眺めていると、次第にキラキラが薄れて、いつもの景色になったのだった。寝ぼけていたとも思えない。あれも、一体何だったのか。
そんな出来事があった和室。
そして今回の午前3時過ぎのノック。
私が早寝早起きの人だったら、生涯気づかぬままだっただろうけど、気づいてしまった。まさか心霊現象とも思えないが、あのノックは何なのか。
気になってしょうがないのである。
「ノックの音が」という星新一の本を読んだことがあるが、あれには女性が現れる。
どうか我が家には何も現れませんように…。