「もう、ポケモンで遊ばないの?」
すると娘が
「もう、要らない」
と答える。
その顔を見つめていると、娘が
「ごめ~ん、たくさんフィギュア買わせちゃってー」
と言って、私に抱きついてきた。
「みんなもそうだったんだから、良いんだよー。お兄ちゃんもー、お母さんだってー」
と言って、そばにいた息子も巻きこんで笑いあった。
そこで目が覚めた。
娘はポケモンのフィギュアを集め、息子はミニカーだった。何百台買っただろう。
そういう私は、動物のフィギュア。それも海洋堂のフィギュアが市場に出回る遥か以前の昭和40年前後。デパートのショーケースに飾られた動物の精巧なフィギュアを父にねだって集めたのだった。当時の父の安月給ではかなりの痛手だったのではないか。
何れにしてもはるか昔の事だ。
現実には子供たちはもう大人だし、私は今月誕生日を迎えれば、前期高齢者だ。
楽しい夢を見て、目覚めがちょっぴり寂しい朝となった。
今頃遅れてやってきた、空の巣症候群だろうか。