近頃頭皮の色が気になる。
昔は髪の毛の分け目をどこから分けても青白い地肌が見えていたのに、最近は地肌の色が赤っぽい。
最初は「頭皮の異常だろうか」とも考えたのだが、地下鉄でよく見かけるご老人で、頭髪が全て白髪の方は地肌がピンク色。
それで気づいたのは、若い頃青白く見えた地肌は、毛根の黒い色が地肌に透けて青白く見えていたのではないだろうか。自分は髪を染めているので気付かなかったけれど、地肌がピンク色ということは、毛根にはすでにメラニンの黒い色素が無くなってしまったということだ。髪を染めなければ、完全に全部白髪だということではないか。ちょっと、悲しいなー。
「何歳まで髪を染めるか」ということも悩むけれど、せめて70歳になるまでは、まだ若作り路線で行きたいなぁ。
子供の頃よく少年漫画雑誌を読んでいたのだが、漫画をすべて読み終えてしまうと、最後に漫画ではない読み物のページが残る。やがて、暇にまかせてそれらの記事を読むのだが、その中に頭髪に関する記事があった。
その記事は、少年たちの“将来の関心事”として取り上げたのか、頭がハゲる事に関するものだった。
要約すると「将来ハゲるかどうかは、地肌の状態でわかる。頭皮をつまめたらハゲないが、頭皮をつまめず、皮膚のすぐ下に頭蓋骨を感じるようならハゲる」と、そんなことが書いてあった。
小学生だった私は、読んで直ぐに頭皮をつまんでみて、つまめたので安心した覚えがある。
少年誌に書かれていたその記事が私にとって忘れられない記事になっているのは、子供ながらにとても気になる話題であったからだろう。
髪の毛が育つには、皮膚と頭蓋骨の間に毛が育つべき“肥沃な大地”が存在しなければならないということが、「頭皮がつまめる、つまめない」ということからイメージされ、説得力のある内容として記憶された。
頭皮に良さそうなヘッドスパが随分前から注目されている。
誰しも施術されると眠ってしまうというドライヘッドスパのお店がテレビで紹介され、予約が取れないほどの人気だという。
ヘッドスパはリラクゼーションのひとつで、施術される頭皮だけでなく、全身に効果があり、心身にも良い影響があるらしい。
一度は受けてみたいものだが、今はお風呂でシャンプーするついでに行う自己流のヘッドマッサージで済ませている。
年齢と共に、男性だけでなく女性にとっても髪の毛は悩みのタネだ。
髪のハリツヤが無くなり、毛も細くなる。全体の毛量も明らかに減っている。
地肌に触れてみると、お手入れをする前は、硬く突っ張っていることも多い。これを放っておいては頭皮も髪の状況も悪くなる一方だ。少なくとも現状維持の為に自分の頭皮をもみほぐし、血行を良くしていたわってあげたい。
重力に負けて下方に引っ張られている頭皮を持ち上げ、「頭皮だけでなく顔のたるみも上がってくれ!」と念じながらマッサージ。その効果が出ているのかどうかは疑問だが、お手入れをする事、それ自体が大切なことだ。
少し前から、夫の頭頂部の毛量が明らかに減ってきたので、お手入れの大事さを伝えておいた。
今日、夫が思い出したようにパーソナルチェアに座ったまま頭を軽くパッティングしていたので、聞いて見ると最近はマッサージもお風呂でちゃんとやっているという。私のアドパイスを聞いてくれたことが何よりうれしかった。
それで頭皮がどんな状況か知りたくなって「頭皮つまめる?」と聞いてみた。夫は頭皮を触っているが、いまいちよくわからないみたいなので、私が触ってみると、見事に皮膚の下が直で頭蓋骨だった。
私の頭皮を触らせてみると、そのあまりの違いに驚いていた。やがてあきらめの「どうせ年だし…」などと言っていたが、私は丁寧に手入れするとどの程度の変化が起こるのか、実験結果を確認したい気持ちでワクワクだった。
最後に夫は「でも、やるよ。ちゃんとマッサージ」と言っていたので、今後の頭髪の変化が楽しみでしょうがない。
増毛研究所の研究員の気分だ。