Toshiが行く

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恨みの川

2024-06-16 09:37:49 | エッセイ

 

今朝は薄曇り。8時過ぎ、陽射しはほとんどない。

それでも熱中症の心配を多少しつつ、水筒に冷たいお茶を入れ、

いつものように、近くの御笠川へウオーキングに出かけた。

風もほとんどないから川面に揺れはない。

時折、魚がパシャと跳ね波紋を作る。何とものどかな風情である。

 

だが、この川には恨みがある。

あれは今でもよく覚えているが、2003年7月19日のことだった。

御笠川は当家マンションから直線距離にして300㍍ほどの近くを流れている。

太宰府市にある宝満山を源流にし、太宰府から大野城市、

さらに福岡市へと辿って博多湾に注ぐ全長20㌔ほどの2級河川である。

その川が前日からの豪雨により明け方、不意を打つように氾濫したのだ。

堤防道路を越えた濁流がたちまち周辺一帯を水浸しにし、

マンション一階の当家もそれから逃れることが出来なかった。

 

 

床上10㌢ほどの浸水だったから、命を脅かされるほどではなかったが、

それでも床はもちろん床下まで泥が流れ込んでいた。

改修を頼んだ大工さんは、「壁もだめですな。乾かせばそのまま使える、

というわけにはいきませんよ。どんなに乾かしたつもりでも、

湿気は残り、やがて壁を傷めることになります」

となれば、全面改修せざるを得ない。

結局、改修工事に一カ月かかった。

また駐車場に止めていた車も車体の半分ほどが浸かり、

結局、廃車処分となってしまった。

 

全国的に梅雨入りが遅れているが、間もなく梅雨入りしそうだ。

雨の強弱にかかわらず、降ればトラウマのようにあの日の事を思い出す。

その後も全国で毎年のように豪雨による水害が起きている

水害被害は、当家の床上浸水をあざ笑うほどけた違いの大きさだが、

そんな季節が今年もやってくる。

御笠川に対しても国や市がその対策をいろいろと講じているから、

以前ほどの危険性は減っているかもしれない。

だが、絶対に気を許してはいけない。

自然の力は、しばしば人間の知恵をあざ笑い、牙をむくことがある。

 

 

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