「人の不幸は蜜の味」という。何の注釈もいらないだろう。
最近は同じ意味で、「他人の不幸で今日も飯がうまい」──
“メシウマ”と言うのだそうだから恐れ入る。
なぜ、こんなことを言い出したのか。
それは覚えたての「シャーデンフロイデ」という言葉が、
ひっきりなしに頭をよぎるからだ。
これは、他人を引きずり下した時に得られる快感のことだ。
さらに言えば、正義を振りかざして人を叩くと得られる快感であり、
攻撃すればするほど、ドーパミンによる快楽が得られるという。
何事にも意見を異にする人たちがいる。そして、互いを批判する。
民主国家であれば、当然のことだ。
だが最近、批判を通り越して誹謗中傷の類が多いように思う。
特にSNS上で、そんなことが横行しているようだ。
そういう人たちは、間違いなく「自分こそが正義」だと固く信じ、
自分の正義の基準にそぐわない人を、正義を壊す悪人として叩く。
攻撃して、相手が弱れば「してやったり」の快感を得るであろう。
こうしたことは個人対個人だけではない。
政治の世界では与党対野党、さらに国対国などということもある。
それぞれが、自らを正義として相手を攻撃する。
韓国を“くず”呼ばわりする北朝鮮。
北朝鮮にすれば、自らを正義だと決めつけてのことだろう。
だが、事はそう単純なことではあるまい。
韓国をこれほど攻め立てている北朝鮮だが、
「今日も飯がうまいわい」─そう、ほくそ笑んでいるとは思えない。
独りよがりの攻撃で得られる快感なぞ、そんなものだろう。
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