兵庫県知事のパワーハラスメントを告発した県の元局長が自殺──
またまたこんなニュースである。
国会議員に市・町長、次から次にハラスメントが告発されている。
行政機関だけでなく民間企業でも同様なことが起きており、
ハラスメントを受けた社員が退職に追い込まれたり、
さらには自らの命を絶つという不幸な事件も続いている。
そもそもハラスメントとは、
「相手の嫌がることをして不快感を覚えさせる行為全般」を意味する。
このうち「パワハラ」というのは、職場における優位性や立場を利用して
適正範囲を超えた叱責や嫌がらせを行うものだ。
ハラスメントは、このパワハラだけではない。
以前からよく言われていた「セクハラ」「モラハラ」「マタハラ」
「ケアハラ」などのほか、最近は「ジェンハラ」「アルハラ」など
といったものも加わり、現在その種類は50を超えているらしい。
人権意識の高まりと言えばそうなのだろうが、
これほどハラスメントと言われるものが溢れていると、少々息苦しくなってくる。
職場においても迂闊にものが言えず、気軽な会話さえためらわれる。
ハラスメントを容認する気は決してないが、
あの冗談交じりの和やかなやり取りが懐かしくなってくる。
60を少し過ぎた女性社員。彼女とは30数年職場を同じにしてきた。
だから気安くものが言える。
その彼女がお茶を入れている後ろ姿を見ると、背が丸くなっている。
それで「おい、おい、背中が丸くなっているぞ。
それじゃ、お婆さんになってしまうじゃないか。はい、背中をピッと伸ばして」
そう言った。そんなこと、いつも交わしている会話に過ぎない、そう思っていた。
ところが、返ってきたのは「それって、セクハラですよ」だった。
「ええっ」思いもしない返答に少々慌てた。
でも、振り返った彼女の顔には笑みが……。
すかさず「あっそう、すまんすまん」笑顔には笑顔で返した。
すると、「セクハラ」は苦笑いしながらどこかに姿を消して行ったのである。
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