K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

大江健三郎「死者の奢り」

2015年11月06日 | 文学
公約通り、大江の各短編の所感を書いていきます。全部書けるかはわかりませんが、とりあえず書けそうなものから。 【死者の奢り】 大学生である僕と女学生が、死体処理室に保管されていた遺体を新しい水槽に移し替える仕事に従事していく中で、死と生と身体の在り方に関する問いが繰り広げられていく非常に哲学的な小説です。 特に女性アルバイトが妊娠していたことが発覚するシーンでは、新しい生命を宿した妊婦が死体を扱う . . . Read more