K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

『バードマン (あるいは)無知がもたらす予期せぬ奇跡』

2015年10月21日 | 映画
最近急に仕事が忙しくなってきた気がするただけーまです。おちんぎん嬉しいです、はい。

ちょっと前にはなりますが、ギンレイシネマでウディ・アレンの『マジック・イン・ムーンライト』と一緒に『バードマン (あるいは)無知がもたらす予期せぬ奇跡』を鑑賞してきたのでその感想でも。

うーん、特撮じみた予告とは異なりかなり精神的な映画でした。感覚としては「ブラックスワン」とか「Perfect Blue」に近い?物語をざっとなぞりますと、嘗て「バードマン」という特撮映画で活躍していた俳優リーガン・トムソンがブロードウェイの舞台で再起をかけようと奮闘する話です。
ドラムスと一緒に展開されるタイトルクレジットが稀に見るクールなかっこよさで、冒頭から期待が高まります。

自分の第二の人生をかけて舞台に取り組むトムソンは基本的には公私ともに荒んでいます。妻とは離縁し、そのせいもあってかひとり娘はすれている(が、しかし娘に扮するエマ・ストーンはかわいい)それに加えて、企画中の舞台でも突如俳優の降板が決まり、新しい代役が台本を書き換えたりなどてんやわんや…
そうした彼の苦悩を暗示するかのように、どこからともなくバードマンの声が聞こえてきます。また、その精神の迷走を暗示するかのように、劇場の回廊めいた廊下をぐるぐる回ったり、焦る心情を表現するようにBGMのドラムスが煽ります。



最終的に彼の舞台は成功したのか。というところがストーリーとしての終着点になるわけですが、結果としては大成功。有名な批評家からも評価され、トムソンは舞台史に名を残すことになります。
では、何故彼の舞台は成功したのか。バードマンに何を囁かれて、彼はあのような行動を取ったのか。精神世界と交錯した映像の中で、鑑賞者は何がフィクションで何がフィクションでないのかという境界を曖昧にするでしょう。

正直、当初鑑賞した際に最後の部分はよくわからなかった(何故あの行動をとったのか)のですが、構造的に考えるとものすごく深いメッセージが込められているのだと色んな考察サイトから教えられました。

うーん、しかしどちらにせよ、映画業界的なコンセプトであったのはそこまでグッとは来なかったです。映画のコアなファンからしたら傑作なのかもしれませんが、知識の浅いにわかファンからすると過大評価ではないかというのが正直な感想です。

最後の「結局どっちなの!?」感はインセプションに通ずるものがありますね。

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