K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産を作った男

2015年10月13日 | 美術
こんばんは。名古屋から帰りの新幹線でポチポチしております。

今日はもう終わってしまいましたが、東京都現代美術館でやっていた「オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産を作った男」の感想を書こうと思います。建築家の展示なんてめったに行かないのでとても新鮮でした。

ブラジリアの主要建造物をひとりの建築家を中心に手がけるという、世界でも類をみない建築家です。今年はどうやら日伯外交樹立120周年にあたるそうで、それを機に日本初の大回顧展が開催されたんだとか。
なんとつらつら書いていても彼のスゴさは伝わらないと思うので、彼の代表する仕事をひとつ。それは、あの近代建築の父ル・コルビュジェとともに国連本部ビルを設計したのがほかならぬこの人なのです。安藤忠雄氏は彼のことを「彫刻と建築のギリギリの狭間を生きた建築家」と評しています。


国連本部ビル模型


国連本部ビル

彼の建築物で特徴的なのは、機能性を保ちつつ曲線を多用するという点です。展示内では多数の模型が展示されていましたが、どれもこれもうねりにうねる!こんなの構造的に大丈夫なの!?と訊きたくなるような構造の建物ばかりなのです。


うねる


うねるうねる!


うねるっ!!

特にブラジリア大聖堂は教会としては余りにもアヴァンギャルド。ニテロイ現代美術館もカップ麺の器のようで建物としての常識を逸脱した現代建築になっています。


ブラジリア大聖堂 外観


ブラジリア大聖堂 内側


ニテロイ現代美術館

こうした奇抜なデザイン、というか曲線へのこだわりの背景には、オスカー・ニーマイヤーの女性好きが関係しています。

「私が心惹かれるのは直角や柔軟性を欠く直線ではない。ただ自由で官能的な曲線だ。私はそれを故郷の山々や川の流れ海の波、そして愛する女の体に見出す。アインシュタインの宇宙も曲線から出来ているのだ」

女体の柔らかさが彼の建築には生きているのですね。ただ、上のように書くと高尚な感じがしますが「女が居なければ生きる意味はない。当然のことだ。女は人生の故郷であり、女王だ」と言われますと、なんだかただの女好きのようにも感じられますね…

リオのカーニバルもそうですが、女性美を信奉する傾向が南米にはあるのかもしれません。ボテロというコロンビアのアーティストを思い出すのでした。


ボテロ≪Torso≫

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