これは先々週のことなんですが。
9月30日に雲井雅人サックス四重奏団の第10回定期演奏会に足を運んできました!
とにかくプログラムがアツすぎる!!
プログラム
J.S.バッハ(D.マスランカ編)
サクソフォーン四重奏のための"アリアと30の変奏"(ゴルドベルク変奏曲) BWV988 [世界初演]
アリア-第1変奏~第30変奏-アリア
D.マスランカ
来たるべき日への歌 [世界初演]
1.今この時に
2.息吹き
3.目覚め
4.死者へ
5.過去との決別
6.世界は新しい
7.愛のないとき、僕は朝を待ちわびる
8.魂はここに、自らの喜びのために
9.来たるべき日への歌
enc.
D.マスランカ
Peace
ゴルドベルクとマスランカの新作だけ!!
ししししししかもマスランカ氏本人が来日してるだとー!!!
こ、これは雲カル(雲井雅人サクソフォーンカルテット)の本気が見れるに違いない!!
と、もうたぎりまくってました。
まずは、マスランカ編曲のゴルドベルク!
7、16、19,26、30は、先に the Blue Aurora Saxophone Quartet の演奏するゴルドベルクは聞いてたので、それを念頭に置きながら。
当たり前ですが、めちゃめちゃ正統派www
まあ、BASQが遊びすぎていた感は否めませんが・・・
とにかく正統派の編曲。かつ、サックスの良さを最大限に活かしていて、マスランカ氏に流石の一言。
加えて、雲井雅人SQの類まれなるバッハの表現力!
雲井さんと雲井さんが指導してきた3人の奏者。音の調和感は圧倒的にこのカルテットですね。
この調和感があったからこそ、バッハの大作をここまでクオリティの高い演奏で仕上げることが出来たのだと思います。
他のバッハ作品も同様で、ここまでの調和力をもってようやく完成と言えるのかもしれませんね・・・
※自分の演奏と比較しつつ(比較対象にならない
ピアノだったら、シフが弾いたゴルドベルクに近いかもしれません。
華やかな音色と広いダイナミクスレンジ、豊かな響きなど、シフのピアノにそっくりです。
アリアの音色が美しすぎてとろけそうでした。
あまりの美しさに冒頭から涙目になっていたのは秘密。
良い芸術に出会うと涙が出るんですよ!!
そして第1変奏。
アリアから突如躍動感あふれる変奏に移ります。
で、前から言ってるのですが、重くて強い低音から始まるんですよ。
ピアノだとグールドがものすごい良い演奏をしてくれていますが、雲カルも低音をブンと鳴らして第1変奏をスタートさせましたね!
そう、ここに宇宙の広がりを感じるんです!(宗教
ダリの絵画にフェルメールの「レースを編む女」という絵を批判的に再構築した絵があってですね。
その絵について、ダリ本人が、「針先から宇宙が広がる」とコメントしてるわけです。
それと同じ宇宙の広がりが、このアリア~第1変奏の間にはあると思うんですよ!(宗教
アリアというプロトタイプが変奏する瞬間のエネルギー!それがまさにビッグバンとなってry
Oh....我ながらきもい...
流石!というか、多分こんなきもいことは全く彼らは考えてはいなかったと思いますが。
とにかく、自分好みの第1変奏のスタートでした。
あとは、第4変奏がすごく華やかでしたね!やはり想像通りサックスだと映える。
第5変奏、第8変奏の超絶技巧はピアノほどのインパクトはありませんでしたが、プロの指回しに感動してました。
そして第10変奏!低音から始まるフーガ形式!!西尾さんのバリトンで一気に引き込まれました。
そしてやはりサックスによるフーガの演奏効果は絶大ですね!
第14変奏の高音から低音に向けての受け渡しが素晴らしくスムーズで、まさに四位一体の演奏。
そして、神がかった編曲の第16変奏!華やかな序曲風の変奏ですね。
BASQやCloverSQもかなり華やかに見せようとはしてましたが、これには及ばない!
これは演奏技術の問題とかではなくて、完全に編曲の問題だと思いますが。
とにかく、これでもかこれでもかという感じで鳴らしてくる!
雲カル本気のトゥッティかよ!と思うくらいの鳴り具合。。
この楽章は鳥肌立ちっぱなしでした。と同時に、うとうとしていた観客もここで目覚めるという笑
あー・・・もう一回聞きたい・・・
そして第20変奏だったと思うんですが、この楽章はソプラノとバリトンがタチェット(全休み)で内声2人による超絶技巧。
う・・・うますぎる・・・純粋に技術だけで感動しました。指回しといい、かけあいといい・・・
第29、30変奏は個人的にも好きな変奏で、もう最後のアリア・ダ・カーポに向けてエネルギーを使いきろうとする感じがたまらなく好きです。
第29,30変奏で鳴らしまくったにも関わらず、アリアに戻ってきた時の静謐具合。
ここまで音色を変えられるのか!という感動。
そして、30変奏してくたくたなはずなのに最初のアリアよりも上手かったという衝撃。
もう、文句なしの名演でございました。
後半はマスランカ氏の新作「来たるべき日への歌」。
9楽章構成という大作です。
が!ゴルドベルクで耳を酷使したせいか、少し寝てしまいました(^q^)死
3楽章で1セット、×3みたいな構成だったような気がします。
実際、第3、6、9楽章において、キリスト教の讃美歌が使用されているらしいです。
確かに雰囲気違ったような・・・
基本静寂で綺麗な雰囲気の曲なんですが、エネルギーを発散する箇所が3か所ぐらいあって、それが来る度に眼を覚ましてました。
レシテーションブックで言うと、第1楽章の盛り上がりが2つと第5楽章というエネルギッシュな楽章が1つ(第8楽章)という感じでしたね。
実際第8楽章「魂はここに、自らの喜びのために」は「レシテーションブック」の第5楽章「ファンファーレ」にそっくりでした。内声の感じとか特に。
で、最終楽章は静かなコラールで終わります。
「レシテーションブック」のような展開をして、「マウンテンロード」のように終わる曲でしたね。
しかし、ますます精神的な曲になってきましたな・・・
きっと近日中にCDが出ると思うので、そっちでじっくりと聞いてみたいと思います!
そしてアンコールはこれまた世界初演のマスランカ作品「Peace」
綺麗なコラールでした。「来たるべき日への歌」の中に入っていてもおかしくない感じの曲。
全体としてはこんな感じですね。
とにかくゴルドベルク厨なので、そこばっかりになっちゃいましたが笑
とても満足の演奏会でした。
そして、特筆すべきはマスランカ氏との信頼関係。
マスランカ氏の作品・編曲をここまで具体的に表現できるのは、やはり雲カルだけだなーと感じました。
お互いを信頼し合っているからこそ、ここまでの演奏が可能なんでしょうね。
作曲家が奏者の特性を考えながら作曲して、その期待に奏者が応える。
なんて美しい関係でしょうか!!
マスランカ×雲井雅人サック四重奏団
このコラボレーション、今後も期待しています。
※腐女子ではありませぬ
hona-☆
9月30日に雲井雅人サックス四重奏団の第10回定期演奏会に足を運んできました!
とにかくプログラムがアツすぎる!!
プログラム
J.S.バッハ(D.マスランカ編)
サクソフォーン四重奏のための"アリアと30の変奏"(ゴルドベルク変奏曲) BWV988 [世界初演]
アリア-第1変奏~第30変奏-アリア
D.マスランカ
来たるべき日への歌 [世界初演]
1.今この時に
2.息吹き
3.目覚め
4.死者へ
5.過去との決別
6.世界は新しい
7.愛のないとき、僕は朝を待ちわびる
8.魂はここに、自らの喜びのために
9.来たるべき日への歌
enc.
D.マスランカ
Peace
ゴルドベルクとマスランカの新作だけ!!
ししししししかもマスランカ氏本人が来日してるだとー!!!
こ、これは雲カル(雲井雅人サクソフォーンカルテット)の本気が見れるに違いない!!
と、もうたぎりまくってました。
まずは、マスランカ編曲のゴルドベルク!
7、16、19,26、30は、先に the Blue Aurora Saxophone Quartet の演奏するゴルドベルクは聞いてたので、それを念頭に置きながら。
当たり前ですが、めちゃめちゃ正統派www
まあ、BASQが遊びすぎていた感は否めませんが・・・
とにかく正統派の編曲。かつ、サックスの良さを最大限に活かしていて、マスランカ氏に流石の一言。
加えて、雲井雅人SQの類まれなるバッハの表現力!
雲井さんと雲井さんが指導してきた3人の奏者。音の調和感は圧倒的にこのカルテットですね。
この調和感があったからこそ、バッハの大作をここまでクオリティの高い演奏で仕上げることが出来たのだと思います。
他のバッハ作品も同様で、ここまでの調和力をもってようやく完成と言えるのかもしれませんね・・・
※自分の演奏と比較しつつ(比較対象にならない
ピアノだったら、シフが弾いたゴルドベルクに近いかもしれません。
華やかな音色と広いダイナミクスレンジ、豊かな響きなど、シフのピアノにそっくりです。
アリアの音色が美しすぎてとろけそうでした。
あまりの美しさに冒頭から涙目になっていたのは秘密。
良い芸術に出会うと涙が出るんですよ!!
そして第1変奏。
アリアから突如躍動感あふれる変奏に移ります。
で、前から言ってるのですが、重くて強い低音から始まるんですよ。
ピアノだとグールドがものすごい良い演奏をしてくれていますが、雲カルも低音をブンと鳴らして第1変奏をスタートさせましたね!
そう、ここに宇宙の広がりを感じるんです!(宗教
ダリの絵画にフェルメールの「レースを編む女」という絵を批判的に再構築した絵があってですね。
その絵について、ダリ本人が、「針先から宇宙が広がる」とコメントしてるわけです。
それと同じ宇宙の広がりが、このアリア~第1変奏の間にはあると思うんですよ!(宗教
アリアというプロトタイプが変奏する瞬間のエネルギー!それがまさにビッグバンとなってry
Oh....我ながらきもい...
流石!というか、多分こんなきもいことは全く彼らは考えてはいなかったと思いますが。
とにかく、自分好みの第1変奏のスタートでした。
あとは、第4変奏がすごく華やかでしたね!やはり想像通りサックスだと映える。
第5変奏、第8変奏の超絶技巧はピアノほどのインパクトはありませんでしたが、プロの指回しに感動してました。
そして第10変奏!低音から始まるフーガ形式!!西尾さんのバリトンで一気に引き込まれました。
そしてやはりサックスによるフーガの演奏効果は絶大ですね!
第14変奏の高音から低音に向けての受け渡しが素晴らしくスムーズで、まさに四位一体の演奏。
そして、神がかった編曲の第16変奏!華やかな序曲風の変奏ですね。
BASQやCloverSQもかなり華やかに見せようとはしてましたが、これには及ばない!
これは演奏技術の問題とかではなくて、完全に編曲の問題だと思いますが。
とにかく、これでもかこれでもかという感じで鳴らしてくる!
雲カル本気のトゥッティかよ!と思うくらいの鳴り具合。。
この楽章は鳥肌立ちっぱなしでした。と同時に、うとうとしていた観客もここで目覚めるという笑
あー・・・もう一回聞きたい・・・
そして第20変奏だったと思うんですが、この楽章はソプラノとバリトンがタチェット(全休み)で内声2人による超絶技巧。
う・・・うますぎる・・・純粋に技術だけで感動しました。指回しといい、かけあいといい・・・
第29、30変奏は個人的にも好きな変奏で、もう最後のアリア・ダ・カーポに向けてエネルギーを使いきろうとする感じがたまらなく好きです。
第29,30変奏で鳴らしまくったにも関わらず、アリアに戻ってきた時の静謐具合。
ここまで音色を変えられるのか!という感動。
そして、30変奏してくたくたなはずなのに最初のアリアよりも上手かったという衝撃。
もう、文句なしの名演でございました。
後半はマスランカ氏の新作「来たるべき日への歌」。
9楽章構成という大作です。
が!ゴルドベルクで耳を酷使したせいか、少し寝てしまいました(^q^)死
3楽章で1セット、×3みたいな構成だったような気がします。
実際、第3、6、9楽章において、キリスト教の讃美歌が使用されているらしいです。
確かに雰囲気違ったような・・・
基本静寂で綺麗な雰囲気の曲なんですが、エネルギーを発散する箇所が3か所ぐらいあって、それが来る度に眼を覚ましてました。
レシテーションブックで言うと、第1楽章の盛り上がりが2つと第5楽章というエネルギッシュな楽章が1つ(第8楽章)という感じでしたね。
実際第8楽章「魂はここに、自らの喜びのために」は「レシテーションブック」の第5楽章「ファンファーレ」にそっくりでした。内声の感じとか特に。
で、最終楽章は静かなコラールで終わります。
「レシテーションブック」のような展開をして、「マウンテンロード」のように終わる曲でしたね。
しかし、ますます精神的な曲になってきましたな・・・
きっと近日中にCDが出ると思うので、そっちでじっくりと聞いてみたいと思います!
そしてアンコールはこれまた世界初演のマスランカ作品「Peace」
綺麗なコラールでした。「来たるべき日への歌」の中に入っていてもおかしくない感じの曲。
全体としてはこんな感じですね。
とにかくゴルドベルク厨なので、そこばっかりになっちゃいましたが笑
とても満足の演奏会でした。
そして、特筆すべきはマスランカ氏との信頼関係。
マスランカ氏の作品・編曲をここまで具体的に表現できるのは、やはり雲カルだけだなーと感じました。
お互いを信頼し合っているからこそ、ここまでの演奏が可能なんでしょうね。
作曲家が奏者の特性を考えながら作曲して、その期待に奏者が応える。
なんて美しい関係でしょうか!!
マスランカ×雲井雅人サック四重奏団
このコラボレーション、今後も期待しています。
※腐女子ではありませぬ
hona-☆
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます