K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

松井冬子展

2012年01月15日 | 美術
こんばんはー。
今日は夕方5時まで寝てました。
健康優良児すぎて世間から浮いてきそうです、ただけーまです。

昨日は松井冬子展に行って参りましたっ!
日曜美術館でピックアップされてて、観に行きたいと思っていたのですが。
いかんせん横浜美術館・・・これは就活やら勉強やらで忙しいから難しいかなあと思ったのですが。
丁度横浜にいく用事ができたので行ってきました!

偶然って素敵ね^^

日本画家、松井冬子の初の大きな展覧会だそうで。
<世界中の子と友達になれる>というテーマで、幻想性のある作品を多数展示してありました。
彼女の代表作は大体そろっていたのではないでしょうか。

松井冬子は子供の頃、多数の友人を作り「世界中の子と友達になれる」と確信したようで、
そのときの感覚を覚えているそうです。
しかし、成長していくにつれその言葉が幻想だということに気づくわけですが、
その言葉の持つ幻想性が彼女の創作活動に大きな影響を与えていたようです。

子供の頃「確信」だったものが大人になって「幻想」になる。
それは幽霊も同じですよね。
幼いころはその存在を信じていたのに、大人になると幽霊なんていないと思っている。
サンタクロースもそうだよね笑
じゃあ今度はサンタクロースの絵とか書いてくれないかな←
日本画家やっちゅうねん。

彼女の絵のテーマは大きく分けて「葛藤」と「死」ですね。
「葛藤」というのは複雑な精神活動という意味で捉えてください。
彼女は人間の複雑な心の動きを絵画に表そうとしているように感じました。
<終極にある異体の散在>に関しては、裸で走る女が多くの取りにつつかれている描写なのですが、
これは自己同一性にまつわるもので、他人の視線が自己を同定するフラストレーションを表しています。
それ以外にも入水自殺を図る象の絵があったんですが。
あれは他人と理解し合えない孤独さを象徴している絵だった気が・・・(記憶曖昧)
タイトル難しかったんで覚えてないです笑(←あほ
象が鎖で縛られ、水に沈んでいこうとしている。そしてこちらをまっすぐに見つめる静かな瞳。
これから死にゆく孤独だけでなく、ひそやかな怒りも感じられます。
理解してくれない他人、自分など歯牙にもかけない他人への怒り。
象は一度怒ると手がつけられない動物と言いますが、あの鎖は自身を制御する理性の代替となっているのかもしれません。

うーん・・・画集買えばよかったかもなー。
作品目録ももらえなかったし・・・
ぐはー、少し後悔・・・;;
しかも気に入った絵のポストカードが売り切れと言うね^q^

んでー。
「死」についてなんですが、彼女の絵には生きている人間が少ないです笑
内臓をぶちまけた死体や幽霊など、みんな死んでます^^
挙句は九相図まで描いてしまう始末・・・
ちなみに九相図というのは、人間が死んでからなくなるまでを段階的に描いた絵です。
元は仏教絵画のテーマの1つ。日本画家ならではのテーマですね。
うじが沸いている絵なんかは結構気持ち悪かったですね;

しかし、彼女がここで示しているのは単なる消失点としてでの死ではないように思います。
循環、というのも少し違う気もしますが、幼児期への回帰の可能性、追憶の可能性をはらんでいるように感じます。
まず、彼女の死体の多くには胎児を包んだ子宮が描かれています。
そして死体は恍惚とした表情でこちらを見据える。
キャプションには女性の優位性を訴えているという説明書きが加えてありましたが、
本当にそんな古いジェンダーチックな表現なのかは疑問です・・・
でも松井さん自身、女性しか描かなかったみたいなので、確かに女性に対するこだわりはあるかもしれないですけど。

女性の私にしか描けない存在として女性を取り上げているわけですから、
ある種自身の投影にも似たプロセスを経ているのかもしれません。

<喪の寄り道>は女性の死体の近くに生命を象徴するかのような桜が咲いているので、
単純に女性が生産力を有していることの優位性を象徴しているのではないと思います。
黒い瘴気も絡まって、余計に生と死の近さを感じさせるような絵でした。

ジェンダー的な見方もありかもしれませんが、やはり九相図を取り上げているくらいですから、
仏教の死生観に通じさせても良いと思うんですよねー・・・
まあ、本人がジェンダー的に語っているのかもしれないですけれど苦笑

とまあ、かなり難しい展示でした。
流石は現代アーティストですね。コンセプチュアルよりもわかりづらかった・・・;
今年はエルミタージュ、メトロポリタン、ベルリンなど世界的な美術館の展覧会があるので楽しみですね!
特にエルミタージュではマティスの「赤い部屋」が来るそうで。
本当に楽しみ・・・!!!
そして、DOMANI・明日展がもうやってるんですね・・・
行かねばあああぁぁぁ・・・!!!

でも時間がああぁ!!;;


で、美術館の後は中華街を散策して、
横浜の友人の家で宅飲みを開催しましたとさ^^
ちゃんちゃん!


では、本日はこれにて。


hona-☆

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