こんばんは、みなさま花金いかがお過ごしですか。この土日は阪大で宇宙関係の仕事があるただけーまです。
さて、ということで(?)、ただいま森美術館で開催中の「宇宙と芸術展 かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」に行ってまいりましたので、早速感想を投稿したいと思います。『六本木に「宇宙の入り口」できました。』という安易なキャッチフレーズの中、果たしてどんなものを見せてくれるんでしょうか!

本展は探査衛星のオーソリティNECが協賛している展示会で、いきなり入口に置かれているのがはやぶさの1/2模型。はやぶさ帰還は映画が何本も作られるなど、かなり話題になりましたからね、一般の方の知名度も抜群です。やはり、健気に帰ってきたっていうのが、日本人の好きな擬人化に当てはまるんでしょうか。
展示会自体は四つのセクションに分かれていて、宇宙に対する人類の歴史的な取組みから、これからの宇宙開発の展望まで、宇宙開発と人類の考え方の変遷を包括的に見れるバランスの良い展示でした。
Section1 人は宇宙をどう見てきたか?
Section2 宇宙という時空間
Section3 新しい生命観ーー宇宙人はいるのか?
Section4 宇宙飛行と人間の未来
Section1 人は宇宙をどう見てきたか?
このセクションでは仏教曼荼羅やガリレオ望遠鏡、日時計などなど、過去における宇宙観や宇宙に対する取組みを紹介。
日本初の天文方に任命された渋川春海の墨の星空描写が印象的でした。なぜかぼくの中の星空のイメージは西欧的なので、墨で描かれた精緻な星空はそれそのもので芸術作品であるかのようです。
ローラン・グラッソの≪過去についてのスタディ≫作品群は、敢えて古いタッチで描いた過去のモチーフ内に宇宙船などを登場させる興味深い作風。「宇宙=近未来的」という認識が共有される中、一際目を引く作品群でした。



ローラン・グラッソ ≪過去についてのスタディ≫(3作品とも)
Section2 宇宙という時空間
ここでは超紐理論や大銀河団が構成する宇宙の姿などをイメージした、宇宙そのものを取り扱った作品を展示。あの有名なアンドレア・グルスキーの≪カミオカンデ≫が展示してありました。あー、人生で一度でいいからスーパーカミオカンデに入りたいですね!

森万里子 ≪エキピロティック・ストリングⅡ≫

ビョーン・ダーレム ≪ブラックホール(M - 領域)≫
Section3 新しい生命観ーー宇宙人はいるのか?
セクション3は古代生命から宇宙人まで、生命全般に触れる内容。ダヴィンチ「種の起源」の初版本や杉山博司さんの作品なんかが展示されていました。戦前のSF雑誌「ファンタスティック・アドヴェンチャーズ」では、異星人のイメージがすべて動物的に描写されており、当時の人類の傲慢さが伺えます。
ピッチニーニの≪ザ・ルーキー≫は地球に居そうでありながら居ない、遺伝子操作を非難するような作品。地球の原生種が広義の「地球人」だと考えるのであれば、こうした遺伝子操作による新種はある意味「宇宙人」と捉えることもできるでしょう。
大型望遠鏡によって、宇宙には生命が存在可能なハビタブルゾーンが複数見つかっており、生命の源でもあるアミノ酸も発見されています。そういう意味では、人類は近未来の技術で太古を目指していると言えるでしょう。

杉山博司 ≪石炭紀≫

パトリシア・ピッチニーニ ≪ザ・ルーキー≫
Section4 宇宙飛行と人間の未来
最後は現在構想中の新宇宙ステーションや月での住居建設など、将来の宇宙開発の展望を示すセクション。
チームラボのとんでもない作品≪追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく — Light in Space 2016≫が衝撃的でした。四方を動く宇宙の映像に取り囲まれ、まるで宇宙空間に放り出されてしまったかのような感覚を体験できます。感覚が鋭い人は酔ってしまうかもしれません…っていうぐらいすごい作品でした。

サーチ/クラウズ・アオ≪マーズ・アイス・ハウス≫
最後は世界初の月面レース「Google Lunar X Prize」に出場する唯一の日本チームHAKUTOのローバーで終了。実はこの前ご厚意で、このローバー操作しせてもらったことがあるんです!実際の機体を見ずに操作することの難しさを学びました…日本チームがんばってほしいですね!

HAKUTO ≪月面探査ローバー HAKUTO PFM3≫
「宇宙と芸術展 かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」は1月9日まで開催中です。これから天体観測イベントもあるようなので、宜しければぜひ足をお運びください。
さて、ということで(?)、ただいま森美術館で開催中の「宇宙と芸術展 かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」に行ってまいりましたので、早速感想を投稿したいと思います。『六本木に「宇宙の入り口」できました。』という安易なキャッチフレーズの中、果たしてどんなものを見せてくれるんでしょうか!

本展は探査衛星のオーソリティNECが協賛している展示会で、いきなり入口に置かれているのがはやぶさの1/2模型。はやぶさ帰還は映画が何本も作られるなど、かなり話題になりましたからね、一般の方の知名度も抜群です。やはり、健気に帰ってきたっていうのが、日本人の好きな擬人化に当てはまるんでしょうか。
展示会自体は四つのセクションに分かれていて、宇宙に対する人類の歴史的な取組みから、これからの宇宙開発の展望まで、宇宙開発と人類の考え方の変遷を包括的に見れるバランスの良い展示でした。
Section1 人は宇宙をどう見てきたか?
Section2 宇宙という時空間
Section3 新しい生命観ーー宇宙人はいるのか?
Section4 宇宙飛行と人間の未来
Section1 人は宇宙をどう見てきたか?
このセクションでは仏教曼荼羅やガリレオ望遠鏡、日時計などなど、過去における宇宙観や宇宙に対する取組みを紹介。
日本初の天文方に任命された渋川春海の墨の星空描写が印象的でした。なぜかぼくの中の星空のイメージは西欧的なので、墨で描かれた精緻な星空はそれそのもので芸術作品であるかのようです。
ローラン・グラッソの≪過去についてのスタディ≫作品群は、敢えて古いタッチで描いた過去のモチーフ内に宇宙船などを登場させる興味深い作風。「宇宙=近未来的」という認識が共有される中、一際目を引く作品群でした。



ローラン・グラッソ ≪過去についてのスタディ≫(3作品とも)
Section2 宇宙という時空間
ここでは超紐理論や大銀河団が構成する宇宙の姿などをイメージした、宇宙そのものを取り扱った作品を展示。あの有名なアンドレア・グルスキーの≪カミオカンデ≫が展示してありました。あー、人生で一度でいいからスーパーカミオカンデに入りたいですね!

森万里子 ≪エキピロティック・ストリングⅡ≫

ビョーン・ダーレム ≪ブラックホール(M - 領域)≫
Section3 新しい生命観ーー宇宙人はいるのか?
セクション3は古代生命から宇宙人まで、生命全般に触れる内容。ダヴィンチ「種の起源」の初版本や杉山博司さんの作品なんかが展示されていました。戦前のSF雑誌「ファンタスティック・アドヴェンチャーズ」では、異星人のイメージがすべて動物的に描写されており、当時の人類の傲慢さが伺えます。
ピッチニーニの≪ザ・ルーキー≫は地球に居そうでありながら居ない、遺伝子操作を非難するような作品。地球の原生種が広義の「地球人」だと考えるのであれば、こうした遺伝子操作による新種はある意味「宇宙人」と捉えることもできるでしょう。
大型望遠鏡によって、宇宙には生命が存在可能なハビタブルゾーンが複数見つかっており、生命の源でもあるアミノ酸も発見されています。そういう意味では、人類は近未来の技術で太古を目指していると言えるでしょう。

杉山博司 ≪石炭紀≫

パトリシア・ピッチニーニ ≪ザ・ルーキー≫
Section4 宇宙飛行と人間の未来
最後は現在構想中の新宇宙ステーションや月での住居建設など、将来の宇宙開発の展望を示すセクション。
チームラボのとんでもない作品≪追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく — Light in Space 2016≫が衝撃的でした。四方を動く宇宙の映像に取り囲まれ、まるで宇宙空間に放り出されてしまったかのような感覚を体験できます。感覚が鋭い人は酔ってしまうかもしれません…っていうぐらいすごい作品でした。

サーチ/クラウズ・アオ≪マーズ・アイス・ハウス≫
最後は世界初の月面レース「Google Lunar X Prize」に出場する唯一の日本チームHAKUTOのローバーで終了。実はこの前ご厚意で、このローバー操作しせてもらったことがあるんです!実際の機体を見ずに操作することの難しさを学びました…日本チームがんばってほしいですね!

HAKUTO ≪月面探査ローバー HAKUTO PFM3≫
「宇宙と芸術展 かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」は1月9日まで開催中です。これから天体観測イベントもあるようなので、宜しければぜひ足をお運びください。
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