Taga_castillo

アマ無線、電子工作、歴史(古代)、ゴルフ、スペイン語、他

3.5MHz受信機の製作(11)

2013-03-18 23:10:34 | Ham(RX,TX,Ant)
(3.製作(組立))
[基板C]
基板A、基板Bは、RF、IFと高周波関連でしたが、基板Cは低周波(音声)と直流なのでベークの基板を使ってます。
内容は、Mute、AF-Amp、AGC-Amp、S-Meter、それに電源(PS)で、回路は以下の通りです。



なお、手持ちの部品を利用するため、Tr、C、R等の品名や値を変えているところがあります。
また、電源電圧ですが、当初5Vでの動作を考えていたもののOP-Ampは(半分の)±2.5Vとなってしまうため、電圧を6Vとし±3.0Vで動作させることにします。これは、GB値が少し上がりそうだと言うことと、他の部品(R等)の値を再度考えなくても良い範囲の電圧上昇ではないか、と思ったからです。

そして、実際に組んでみた基板Cは以下の通りです。



基板Cは、上側が右からMute、そしてAF-Ampで、下側の左からAGC-Amp、S-Meter、そしてPS(6V定電圧)となります。基板の外、左には1kΩのVRとイアホンジャック、そして右の上はAF入力、右の下は直流電源の入力(8V以上必要)で、今回はAF-Ampの動作確認だけを行ないました。この他に、Mute、AGC、S-Meter、LEDへの配線が必要ですが、これらはケースに入れて全体の動作確認と調整を行なう時に実施したいと思います。

ケースはタカチの"YM-180"を使う予定でおり、穴あけを行なって、基板、VR、アンテナ(BNC)端子等を取り付けてから結線することになるので、若干の時間がかかると思います。

3.5MHz受信機の製作(10)

2013-03-13 13:41:54 | Ham(RX,TX,Ant)
(3.製作(組立))
[基板B]
基板AにはRF-Amp,Mixer,L-OSCを入れたので、基板BにはIF-Amp,DET,BFO、そしてMuteも入れたかったのですが、スペースが足りずMuteは基板Cに入れることにしました。
IF-Ampの部分はOP-Ampを使った回路を見よう見まねで作ってみましたが、この回路は「非反転増幅回路」となるので増幅率は前回の値(A=Rf/Rg)ではなく以下のようになるようです。
A=1+Rf/Rg=1+1200/62≒20.4
∴ 20Log20.4≒26dB
このOP-AmpにはGB(GBW)積と呼ばれ、ゲイン(G)とバンド幅(B/BW)の積で示される値があり、SS-40で使われているLT1253は供給電圧が±5Vで90MHzと書かれているようです。今回手に入れたLT1364の場合はGB=70MHzと書かれており、使用する周波数が6.4MHzなので単純に計算すると10.9倍(+20.6dB)となります。ただ、供給電圧が低いので、ここまでのゲインはないと思いますので、秋月電子からNJM2137D(GB=200MHz)を購入し、比較してみたいと思っています。

回路ですが、以下の通りです。



以前の回路に修正を加えたところがあります。
1)FCZ5で6.4MHzに同調させるためのCを89pF(82+7pF)としました。これは、82pFあるいは100pFだとコアが入り切ったところか抜け切ったところで同調するので、これを避けるためです。
2)(どのくらい差があるか分かりませんが)DETの3SK63のSのバイパスCに0.01μFとともに22μFを追加し、低い周波数(AF)にも配慮しました。
3)OP-Ampの非反転端子(端子の3,5)から100Ωで供給電圧が半分の分圧点に接続していますが、ここに1μFのセラミックCを追加しました(詳細は後述します)。
4)Mute回路が入らないためDET出力に直流電圧が加わったままなので、直流をカットしAFだけをモニタするため0.01μFを付け加えています。

そして、実際に組んでみた基板Bは以下の通りです。



左側の線は基板AのMixer出力からのものです。

基板Bは、写真の上側がX-talフィルタとOP-Ampで、下側左半分がBFO、右側がDETとなっています。
修正3)に書きましたが、OP-Ampの上部に1μFのC(青色)が見えます。実は、当初0.1μFだけでバイパスしていたのですが、発振してしまいました。回路は見よう見まねで作成したので、あるいは思い違いもあるかも知れないな等と考えましたが、手をこまねいていてもしょうがないので、まず誤配線がないかチェックしたもののミスはありません。そこでオシロを取り出してOP-Ampの端子を見てみたら見事に山形の三角形が見えます。良く分からないまま、「回り込み」を起こしているかも知れないなと、非反転端子(3,5)から100Ωで接続されている分圧点にプローブを当てたら、なんとOP-Ampの端子と同じような波形が見えました。つまりバイパスがうまく行っていないことが分ったので0.33μFを追加してみましたが発振が収まりません。半分あきらめかけて、1μFのセラミックCを入れたら見事に発振が止まりました。
6.4MHzにおけるリアクタンス(Xc)を計算してみると、0.1μFでは約0.25Ω、1μFではこの1/10になりますが、Rf=1.2kΩ,Rg=62Ωという低い値だからでしょうか。あるいは今回は100Ω対0.25Ω(1/400)で不足だったと言うことかも知れません。

どうにか発振も止まったので、アンテナを基板Aに接続し、基板Aの出力を基板Bに繋ぎ、AFのモニタ点に手持ちの簡易アンプを接続してみたところ、3.5MHzのCWが聞こえました。これでなんとか基板Bの動作も確認できたことになります。
ただ、受信周波数を上げて行くとSSBが入感しますが内容が聞きとれません。単に3.5MHzはLSBということが頭にあったのですが、良く考えてみるとRF(3.5MHz)からIF(6.4MHz)に変換する時、L-OSC(9.9MHz)からRF(3.5MHz)を引算することになるので上下のサイドが変わってしまうようです。

基板Bの動作はなんとか確認できましたが、若干手直しが必要なようです。次いで基板Cを作りますので、その時に手直し分も記述することにしたいと思います。

3.5MHz受信機の製作(9)

2013-03-07 16:42:40 | Ham(RX,TX,Ant)
3.製作(組立)
各ブロックの回路の検討が終わったので、実際の製作(組立)を行ないたいと思います。
まず、プリント基板ですが、以前大きい基板に全回路を組み立てて手直しをするのが大変だった記憶があったので、今回は小さめの基板を複数枚使うことにします。RF部分には片面がベタグラウンド(ベタアース)のものを使いたいと思って探したところ、サンハヤトの"ICB-88SEG"という47.0x72.0mmの大きさのものが見つかりました。
さっそく配置を考えてみましたが、RF-Amp,Mixer,L-OSCで1枚("基板A"と呼ぶことにします)、IF-Amp,DET,BFOで1枚(基板B)で収まりそうです。また、AF-Amp,AGC,S-Meter等はベタグランドのものは必要ないので、手持ちで同じ大きさの"IC-301-70"(基板C)を使おうと思います。

他のパーツも手持ちのものを使うつもりで在庫の確認したところ、袋で買ったので残っていると思っていたC(0.015μF)やTr(2SC945)は残りが少ないことが分かり、回路図上の品名等を変更してあります。
また、FCZコイルもハムバンドのものは入手が難しく、やっとFCZ5やFCZ9が入手できるようです。今後は代替品か自作する必要がありそうです。

[基板A]
RF-Amp,Mixer,L-OSCの回路ですが、以下の通りです。



検討時と若干の違いがあります。
1)アンテナからの過大入力を抑えるため端子間に1N60を入れました。
2)RF-Amp(2SK168)のソース(S)にAGC用の2SC945を入れてあります。
3)基板Aを単独で動作させるため、上記2)のTrのコレクタ(C)とエミッタ(E)の間、またAGC信号を受ける2SC945のCと+6V電源の間に、それぞれJMP1とJMP2のジャンパピンを入れました。つまり基板Aの単独動作の場合はJMP1をショートし、受信機全体として動作させる時はJMP2をショートさせます。
3)基板への配置スペースの都合から、L-OSC用のX-talとコイルの位置を入れ替えました。
4)RFとMixerの動作の最良点を得るため、それぞれのFETのSに470ΩのVRを入れGバイアスを変えられるようにしました。
5)Mixerへ供給するL-OSCの発振出力レベルを変えられるように、L-OSCのバッファ(2SC1815)のEに470ΩのVRを入れてあります。
6)3.5MHz用のFCZ3R5が手に入らなかったので、FCZ5を使っています。

そして、実際に組んでみた基板Aは以下の通りです。



基板Aの単独動作確認のため、アンテナ用のBNCコネクタ、L-OSCの周波数可変用のVR、そして負荷として100ΩのRを付け加えてあります。

基板Aは、写真の上側半分がRF-AmpとMixerで、下側半分がL-OSCとなります。基板に載せることはできましたが、結構込み入ってしまいました。
配線等を再チェック後、電源+6Vを供給しL-OSCの発振周波数のチェックを行なったところ、9,900.0kHz前後から約50kHzの周波数変化が得られ、3.5MHzのCW用には十分な変化幅となりました。
そしてアンテナをつなぎ、トリマコンデンサで3.5MHzに合わせ、出力側の100Ωの両端から他の受信機につないだところ、6,400kHz付近で3.5MHzの信号を受信することができたので、一応基板Aの動作を確認することができたことになります。

3.5MHz受信機の製作(8)

2013-03-01 18:38:06 | Ham(RX,TX,Ant)
(2.各ブロックの回路の検討)
D.中間周波増幅(IF-Amp)_その2
X-talフィルタについては第5回目に書きましたので、今回はOP-Ampの増幅回路になります。本やHPを見ていますが、まだOP-Ampについて良く分かっておりません。ただ、実際に使用するためにはあるパターンがあるようなので、本やHPを参考にして回路を組み立ててみました。



[a]は前にも示していますが"SS-40"のIF-Ampで、X-talフィルタを挟んでOP-Ampが入っています。
OP-Ampを使う時はプラスとマイナスの電源を使うようですが、抵抗(1kΩ)2個で10Vの電圧を分圧し半分の5Vを作っており、ここを基準にして+5V(アースから見て+10V)と-5V(アースなので0V)としているようです。

[b]は、手に入れたLT1364というOP-Ampで、X-talフィルタに続き2段続けて増幅させようと思っています。一応、入出力インピーダンスは100Ωに設定してマッチングをとったつもりです。
OP-Ampの増幅は1.2kΩと62Ωの比で決まるとのことで、計算上では1200/62≒19.4倍で25dB程となり、2段では約50dBになります。
もっとも、出力側はインピーダンスのマッチングをとるため100Ωと100Ωの中間から取り出しているので、2段でも40dB弱となります。また、OP-Ampが6.4MHzでどの位利得が取れるかはOP-Ampの性能によるので、データシートを見る限りLT1364でこの利得を得るのは難しいようです。
また、電源電圧が低いと利得が取れず、ある程度電圧を上げないと利得が上がらないようです。当初、電源を5Vにしようとしていましたが、電圧を上げる必要がありそうです。
これらを踏まえたうえで実際に組んでみて、結果がどうなるか見てみたいと思っています。


3.5MHz受信機の製作(7)

2013-03-01 13:40:54 | Ham(RX,TX,Ant)
(2.各ブロックの回路の検討)
G.低周波増幅(AF-Amp) 及び H.自動利得調整(AGC)、ミュート回路(Mute)
Mute回路については前回記述したので、今回はAF-Amp、AGCそれにS-Meterとなります。音声域や直流レベルなので、あまり気を使わなくても良くなりました。回路図は以下の通りです。



[a]の"SS-40"のAF-AmpはLM386を使ったものですが、一般的に入力側にある音量ボリューム(VR)がAF-Ampの出力側にあります。音声出力からAGC電圧を取り出すので、このような構成になっていると思います。
また、RF-AmpのところでAGCについてあまり触れませんでしたが、"SS-40"のRF-Amp(J310)のソース(S)がアースに落ちる直前でTrを直列に入れて、そのTrのペース(B)にAGC電圧を入れるようになっています。

[b]は"SS-40"を参考にしているのでほぼ同じ構成となっており、AGC電圧もRF-Amp(2SK168)のSに入れたTrに供給してみたいと思います。ただ、RやCは手持ちのものを使うので値は適当に変更しています。
また、"SS-40"にはS-Meterが付いていませんでしたが、JH0CCK(広井さん)がCQ誌(2012年3月号)で紹介した時にS-Meterを追加されていたので、回路は違いますがS-Meterを付けることにしました。ただ、針が振れるだけで正確な"S"を示すわけではありません。