シェンヤン(瀋陽SHENYANG)生活体験記

中国東北部の瀋陽(昔の奉天、満州)。冬には-30度になる土地での驚きや感動を「初めて」の視線でおしゃべりしています。

瀋陽は田舎ではありません! 基準はどこ?

2011年05月20日 | 瀋陽に住み始めて。。
瀋陽は、田舎ではありませんよ。

瀋陽に住み始めて、至る所で、
   「瀋陽は田舎だから」「大連とかに出て、息抜きをしないと、、」
という言葉を耳にしたものです。
今も。

大震災の後、乳飲み子を抱えて、たまたまその時期に瀋陽に住み始めた若夫婦。
日本では乳幼児の水も懸念されていた、ちょうどその時期だったので、
   「赤ちゃんを抱えて、今の時期、日本を離れてよかったんじゃない?」
と声を掛けたら、思いがけず、少々息が上がった反応がありました。

   「こっちだって、食材には問題があったりで、ここに来たからって
    何もよくありませんよ!」

私、初めての御挨拶だったのですが。
何か、言い過ぎました?

ふと思いました。
人間の生活の基準って、どこにあるんだろう。

以前、ある土地に長く暮らす日本人に言われました。
   「この土地の生活を低く言うことは、
    その土地に暮らす人達に大変失礼だ」

失礼、失礼、失礼、、。
私もそう思います。

だって、このマイナス30度を超える世界で、実際に生活している
その土地の人達や、海外の人達がいるのです。

補習校だって、3月末で生徒は14人。
   色々な苦労があると思いますが、
   私がいた他の名の知れた国で、土地の名であっても 20人。
   同じようにリゾート地と名を馳せている土地でも
   日本人学校でも10人を切りそうな時があって大変だったところも。

そんな話をすると、大変な土地もあるんだ、
   瀋陽だけが、大変なんじゃない、、、と。

確かに、物欲からみれば、日本には何でもある。
   格安店も多いし!
   店員さんだって、皆、教育されているし。。

瀋陽では、どうにもうまくすすまないことだってある。
でも、それは、名の知れた海外の国でも同じことがあります。

自分が、あこがれの国に住むことに比べて、卑下したくなる土地だったとしても、、
それは、しょうがないじゃない!
   「こんなところに赴任するなんて、、、」
と口にしちゃうおくさまも、、いる。

縁があった土地ですから、その土地を良くても悪くても、
新たな発見を持って暮らすことが、必要じゃないかなあと思います。

どうせ海外だったら、アメリカだ! イギリスだ! なんて思うかもしれないけれど、
子供達にとっても、とにかく縁があった海外の土地で、日本と違った価値観の世界に
身を置くことは、将来も、頭の中は日本だけではなく、世界の中の日本の感覚を
身につけることが出来て、貴重なひとときだ、、、という生活を親がしないと、
子供達もマイナス思考をもって生活してしまうと思う。

いやあ、私も「田舎瀋陽」とか、「大連で命の洗濯をする」ということを
耳にすると、、なんか嫌な気分になっちゃう。
   大連は行ったことがないけれど、
     英国の地方から、ロンドンをみる!
     フランスの地方から、パリを見る!
   といった感覚かなあ。

私自身、あこがれの国のような名前の地方都市で結構不便に暮らしてきたので、
瀋陽の生活は、大都会!
   きゅうり や 茄子 の 皮をむいて 料理する土地でも。
   だって、そのきゅうりや茄子、日本と似た品物です。
   海外では、大きすぎて水っぽすぎて、日本の料理が出来ない食材もあります。
   日本の生活用品は、ちょっと値がはっても、存在するし。
   IKEA も 無印も カルフールも ウォールマートも 伊勢丹もある!
   ヤマダ電気も出来たし。
   日本への物欲がある私でも、ここは満足。

   だって、納豆が手に入らないから、自分で作らなくてもいいでしょ。
   ヨーグルトを、ヨーグルト菌を譲ってもらって作らなくてもいいでしょ。
       我が子が幼児の時、作りました。
   ヤオハンがあった時代でも、味噌やマヨネーズや赤ちゃんのお菓子が、
   棚から切れたら、1~2ヶ月以上、次の荷が入るまで入ってこないから、
   冷蔵庫をもう一つ買って、買いだめ用にしていたけど、それも停電になったり、、、。

ここ瀋陽では、車の運転は、至難の業で、日々、全身 五感 以上、六感以上を使い切って
ハンドルを握っていますが。。。
   人は出てくる、車も出てくる、リヤカーもどきも走っている!!!

先日、瀋陽から もっと北の地方で仕事をされている若い日本人女性が
瀋陽にやってきました。
   「瀋陽で十分、命の洗濯をさせて頂きました。
    重かったけど、日本食料品店でたくさん買い出しをしてよかったです」
と。

ねっ、瀋陽は 田舎ではありませんよ。