久しぶりの記帳です。早く更新しないと誰も読んでくれなくなるよ。早く書いた方がいいよとある方からの忠告もありましたがバタバタと雑務に追われていたりなぜだか急に気が進まなくなってしまいついに今日になってしまいました。この日誌をたちあげた時に不定期の記帳になるかもと申し上げてはおりましたがこんなに永~い一休みになるとは。おゆるし下さい。今後もゆっくりとした歩みしか出来ませんがよろしくお願いします。
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ヤマとヤミーは双生児です。ヤマが兄で、ヤミーが妹。やがて二人はおとなになって、夫婦になりました。ヤマが夫で、ヤミーが妻。(中略)
しかし、これはインド神話であって、ヤマが宇宙開闢(かいびゃく)以来の最初の男性、ヤミーが最初の女性。この地上に彼ら二人しかいないのであって、彼らが結婚する以外に子孫は出来ません。だから、怒らない、怒らない。
ともかくヤマとヤミーは夫婦になって、そしてやがて夫のヤマが死にます。インド神話でも、男のほうが寿命が短いのですね。なお、ヤマは死者第一号であって、彼は死後の世界に往って、そこで世界の王になりました。このヤマが漢訳仏典では「閻魔王(えんまおう)」と表記されます。そう、あの怖い閻魔さんです。ですが、閻魔さんは仏教の話。いまはインド神話のヤマ。区別しておいてください。
ヤマが死んで、ヤミーが残された。残されたヤミーは夫の死を嘆きます。そのヤミーを慰めに、大勢の神さまがやって来ます。だが、ヤミーは、「きょう、ヤマが死んだ」と言って泣くばかり。神々の言葉を聞こうともしません。
じつは、そのときはまだ夜というものがなかったのです。ずっと昼ばかりが続いています。だから、いつでも「きょう」なのです。それでヤミーは、「きょう、ヤマが死んだ」と言うのです。
神々はなんとかヤミーを立ち直らせようとして、そこで「夜」をつくることにしました。
夜が出来ました。
一夜明けると、ヤミーは言います・・・・・・「きのう、ヤマが死んだ」と。
さらに一夜が明けて、ヤミーは言います・・・・・・「おととい、ヤマが死んだ」と。
やがて、それが「十日前」になり、「一月前」「一年前」「十年前」・・・・・・になります。
そのうちに、ヤミーは夫のヤマの死を忘れるようになりました。もちろん、完全に忘れ去ったわけではありません。が、少なくとも日常生活においては、意識の表面に出てこなくなったのです。
そのようにして、ヤミーは立ち直ることができました。
このインド神話は、わたしたちに、ー忘れるーことの大事さを教えてくれています。
悲しみは忘れることによってしか克服できないのです。わたしたちは、悲しみを忘れてはいけないと思い、忘れることをうしろめたく感じていますが、そうではありません。忘れていいのですよ、しっかりと忘れなさい、と、インド神話はわれわれに教えてくれているのです。
ひろさちや著『仏教に学ぶ「がんばらない思想」』 「きょうヤマが死んだ」(PHP研究所刊)より転載
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尼崎JR脱線事故から一年が経ちました。事故で亡くなられた107名の方々のご冥福と、450名以上の重軽傷者の心身ともに癒えること、何よりもご遺族の悲しみや恨みが一日も早く癒えることをご祈念申し上げます。たとえ時間がかかろうとも、少しでも癒えることをお祈りしたく思います。(文中の「忘れる」は「受け止める、受け容れる」と理解した方が誤解がないかも知れません。いずれにせよその為には相当な年月が必要です。とてもつらい内容ですが気力をふりしぼって記帳致しました。)合掌