あっという間に平成18年も終わろうとしています。大晦日、正月の準備が漸く一段落といったところです。皆さんはどんな一年だったでしょうか?和田寺にとりましては昨年は本堂改修、落慶慶讃開帳法要と慌しい一年でしたが本年は年頭あいさつの「脚下照顧」の通りあらゆることを見つめ、見直し、今後にそなえる為の期間だったように思います。どちらかというと漢字一字で表せば「静」の一年でした。来年以降は必要に応じて「動」となるよう運営したく思います。又、天台宗は開宗1200年の慶讃の年であったので二回に亘る本山、団体参拝には多くの檀信徒の皆さんにお参り頂き誠にありがとうございました。
さて、毎年(財)日本漢字能力検定協が全国公募で決定する、今年一年の世相を表す漢字は「命」でした。(慌しい時代ですのでこの話題も少し古く感じますが)その協会のHPよるとhttp://www.kanken.or.jp/kanji/kanji2006/kanji.html
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応募者の「命」を選んだ理由の概要として悠仁親王のご誕生に日本中が祝福ムードに包まれた(生れた命)一方、いじめによる子どもの自殺(絶たれた命)、虐待、飲酒運転による事故、竜巻で命を奪われた人など痛ましい事故が多発。(奪われた命)そんな中、北朝鮮の核実験、高齢者の医療費増大、臓器移植問題、医師不足・・・・(膨らむ命の不安)
まさに今年は「命」に笑い、「命」に泣き、「命」に不安を覚えた年、ひとつしかない命の重み、大切さを痛感した年でした。
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とあります。
私的なことですが我が家も9月末に第三子を授かりました。少子化時代の真っ只中に授かった子どもです。しっかりと育くんでいきたいと思います。
お釈迦さまは人間として生れることのむつかしさを「大海の針、妙高の線(いと)」と仰られました。大海原に落とした針を探すこと、あるいは須弥山上(しゅみせんじょう)〔※古代インドの宇宙説による一世界の中心をなす高山〕から糸を垂らして麓の針の穴に通すことほどむつかしい、まれなことであるという意味です。科学的には宝くじで3億円を当てるよりもこの世に生を受ける確率の方が低いそうです。つまり3億円を当てるよりオギャーとお母さんのお腹から生れてくるほうが難しいということです。そんな稀な存在である私たち自身、その「命」を粗末にするのは実にもったいないことではないでしょうか?自ら命を絶つなどもっての外というべきでしょう。そんな大切な命を活かす為、伝教大師のご聖句「一隅を照らす(与えられた天分を全うすること。ポストにベストを尽くすこと。)」御精神で来年もすごしたいものです。では良いお年をお迎え下さい。
合掌